こんにちわ。
腰痛治療家で理学療法士の平林です。
『ストレスが原因で腰痛になる』
と聞いてあなたは、信じますか?
腰が痛いのをストレスのせいだと思えますか?
どうでしょうか・・・。
実際には、ストレスが原因で腰痛になってしまう事はあります。
事実に、ストレスが影響していて、腰痛になってしまう。
という人も少なくありません。
腰痛の原因は、力仕事や長時間のデスクワークだけではないのです。
ストレスと腰痛、何の関係もなさそうですが、そこには理由があるのです
そこで、今回はこのストレスと腰痛の関係について解説します。
この記事を読めば
○ あなたの腰痛もストレスが一部影響しているかも・・・と思える
○ ストレスが原因で腰痛になる事が知れる
○ ストレスが解消したら腰痛が無くなるかもしれない
といった3つのメリットがあります。
この記事があなたの腰痛の改善の参考になれば幸いです。
では、本日もよろしくお願いいたします。
ストレスが原因で腰痛になる人は沢山いる
近年、腰痛とストレスの関係についての研究が進み、ストレスが腰痛の原因となり得ることが分かっています。
あらゆるストレスが、腰の痛みを引き起こす
ストレス(ここでは広い意味でのストレス)には様々な要因があります。
小さなストレスでも、その数が増えて、積み重なれば結果的に大きなストレスとなります。
ストレスは脳へ悪影響を及ぼすと言われています。
この悪影響によって、通常感じない痛みを感じてしまったり、腰痛を起こす危険が高くなったりするのです。
つまり、脳への悪影響が通常では感じない痛みを引き起こしている。
で、その痛みがたまたま、腰へ生じて、腰痛になってしまう。
という結果になるのです。
これは、理論的には説明がつかないかもしれませんが、実際に多くの人がなっている可能性があります。
というのも、過去に患者さんで、ストレスが解消したら腰の痛みが無くなりました。
という人もいました。
なので、ストレスが原因で腰痛になる。
というのもあり得る事だと思っています。
ストレスの要因
○身体の不調
- 腰痛や慢性の頭痛
- 肩こり
など、身体の不調はストレス度が高いものです。
○生活習慣の悪化
- 運動不足
- 肥満
- 飲酒
- 喫煙
- 睡眠不足
- 自分の時間が持てない
など、生活習慣の乱れです。
○家庭環境などの問題
- 離婚
- 近親者との死別
- 家族の介護
など。
環境因子によるもので、そう簡単には、解決が難しいことです。
○労働上の問題
- 長時間労働
- 夜勤
- 残業
- 休日が少ない
- 身体的・精神的な負担
- 人間関係の悪化
といったものがあります。
解決できるものもあれば、難しいものもあるでしょう。
しかし、解決させる努力をしていけたらいいと思う次第です。
精神的なストレスによった腰の痛みは多い
腰痛と心理社会的要因の関連性に関する調査結果1?
では、次のような結果を見ることができます(一部抜粋)。
ストレス反応
【腰痛あり】
- 活気 35.0%↑
- イライラ感 32.5%↑
- 疲労感 54.7%↑
- 不安感 32.9%↑
- 抑うつ感 30.9%↑
- 身体愁訴 33.4%↑
【腰痛なし】
-
活気 21.0%
-
イライラ感 24.3%
-
疲労感 27.7%
-
不安感 19.5%
-
抑うつ感 15.7%
-
身体愁訴 8.2%
腰痛をすでに持っている場合、それが原因でストレスを感じている。
または、増強されている(悪循環を繰り返している)ことも考えられるため、全てストレスが原因で腰痛が起きているとは断言できません。
しかし、少なくとも腰痛を持っている方はそうでない方よりも多くのストレスを抱えていることが分かります。
なので、ストレスを解消させる事は腰痛の改善に繋がる可能性がある。
というのが言えるでしょう。
肉体的なストレスの影響もある
腰痛は腰部筋肉や椎間板の損傷、関節の捻挫等様々な理由で生じます。
これらの原因としては、腰部に対する物理的な負荷も大きく影響を与えています。
椎間板や腰部の筋肉などには、常時大きな力が加わっていますが、重労働や不自然な姿勢での作業を行うとさらに負担がかかります。
このような大きな力が、継続的に組織に加われば、限界に達した組織は損傷してしまい、腰痛を発症してしまうのです。
具体的な数値を示すために、ここでは独立行政法人労働者健康福祉機構労災疾病等13 分野医学研究・開発、普及事業によりなされた研究結果をご紹介します。
腰痛と仕事(オッズ比)
デスクワーク 0.76
車両運転 1.09
立ち仕事 1.14
不自然な姿勢 1.26
力仕事 1.63
数字が多ければ多い程腰痛になってしまう可能性が高い。事を指しています。
デスクワークは、姿勢が悪くなると腰痛のリスクは上がりますが、全体でみると他の仕事より低いことが分かります。
不自然な姿勢での仕事や力仕事は腰痛発症のリスクを高めることが推測できます。
数値は低くても、デスクワークで腰痛になってしまう人はいます。
なので、油断はせずに腰痛にならないようにする。
という努力は必要でしょう。
心の問題が痛みとして現れてしまう傾向が多い
心の問題と言っても様々ですが、腰痛と関連の深いものはうつ状態のようなメンタルの低下です。
研究によっても、抑うつ感を感じている者の腰痛は重症化するということが指摘されています。
精神の抑うつ状態は脳に影響を与え、痛みを引き起こすと言われています。
〇正常な脳の反応
痛み刺激が脳に伝わる
↓
ドーパミン放出
↓
セロトニン・ノルアドレナリン放出
↓
痛みの抑制
正常な脳では、腰痛などの痛み刺激が伝わると、脳内でドーパミンが放出され、その結果セロトニンやノルアドレナリンが分泌されます。
この分泌された物質の働きによって、脊髄では痛みが抑制されます(下行性疼痛抑制系といいます)。
抑うつ状態の脳では、これらの脳内物質の濃度が減ってしまう傾向があります。
したがって、うつ病の治療に、セロトニンの濃度を高める作用を持つ薬が用いられることがあるのです。
※抑うつとは、気分が落ち込んで活動を嫌っている状況をさします。
近年、慢性腰痛の脳の状態とうつ病の状態に共通性があることが分かり、従来うつ病に用いられていた薬が、慢性腰痛症に伴う疼痛治療薬として用いられるようになりました。
つまり、腰痛の原因をこころの問題としている医師も多くなってきた。
という事でしょう。
不安や恐怖というストレスが腰の痛みを引き起こす
メンタルの強い(ストレスに強い)選手は、練習の時と同じ、またはそれ以上のパフォーマンスを発揮することができます。
一方、メンタルが弱いと、不安や恐怖で緊張し、本来の力を発揮することができません。
スポーツの世界では「メンタルの強い選手」などと表現されたりしますが、言葉を変えれば「精神的なストレスに強い選手」ということもできます。
このような例は理解するのに難しくないでしょう。
実は、このようなことはスポーツの世界だけでなく、日常の生活にも起きています。
荷物をトラックに積み込む仕事をしているAさんがいると仮定してみましょう。
Aさんは昨年、仕事中にぎっくり腰を起こして動けなくなり、2週間以上仕事を休んでしまいました。
仕事に復帰後、
Aさんは「またぎっくり腰になったらどうしよう。」という昨年の記憶がよみがえり、恐怖を常に感じるようになりました。
現在では、Aさんは仕事はできていますが、動きが若干固く、ぎこちなく見えます。
と、その時です。
「いたっ!!」とAさんは腰を押さえて座り込んでしまいました…
これは、Aさんがまた、ぎっくり腰になってしまうのではないか・・・・
という恐怖心から、生じてしまった『痛み』である。と考えられるでしょう。
不安や恐怖は運動のパフォーマンスを低下させます。
スポーツと同じです。
緊張して動きにスムーズさがなくなったり、動かし方が微妙に違ったりするのです。
このわずかな違いが、怪我(ここでは腰痛)のもとになるのです。
最近の言葉を借りれば「恐怖回避思考」という表現になりますが、恐怖や不安を回避するために、必要以上に腰をかばったりする行動は、腰痛を起こしかねない状況になるのです。
しかし、すぐに恐怖や不安をなくせと言われても難しいでしょう。
なので、少しづつ自信の裏付けとなること(腰痛対策のための努力)を行うと良いでしょう。
日ごろから対策を行えば、自信へとつながり、恐怖や不安が軽減されると思います。
腰痛を起こしたときと同じ生活をしていたら、また腰痛を起こす可能性はあります。
しかし、腰痛予防の正しい知識を身に着ければ問題ないでしょう。
日ごろから姿勢をコントロールして、筋力と柔軟性を高め、動作法に注意すれば再発の危険を下げることができます。
是非、取り組んでほしいと思います。
ストレスを上手に対処すると腰の痛みの改善につながる
お伝えしましたように、ストレスは腰痛にとってマイナスとなります。
ストレスの原因となるものは、人それぞれ違いますので、ここですべての解決法をお伝えすることはできません。
しかし、多くの方に効果のあると考えられるストレスへの対策をご紹介しておきます。
運動する
有酸素運動(ウォーキングなど)が良いですが、ストレッチなどでも効果はあります。
運動はストレスを解消できるツールです。
ウォーキングでもいいので、やってみるのがいいでしょう
食べる
あなた自身が好きなものを食べましょう。
というのも、好きな物を食べる事でストレスの解消になる人もいるからです。(食べ過ぎはよくありませんが・・・)
寝る
寝ることも大切です。
ストレスが強くて眠れない人は、ムリに寝ようとしなくてもいいでしょう。
寝れない時は寝ないのが一番です。
その寝ない時間を趣味や何かやらなければいけない時間として使っちゃいましょう。
人間寝なくても大丈夫な時もあります。(最近では、ショートスリーパーという言葉もあるくらい、寝なくても良い。という人もいます。)
なので、
寝れない時は寝ない。寝れる時に寝る。
というのはどうでしょうか。
で、
お酒を飲める人は、少量のお酒が効果のあることもありますが、飲み過ぎると眠りが浅くなって、うつ状態になることもあるので注意が必要です。
また、腰痛もちの人は睡眠時間が短い傾向にありますので、睡眠時間にも注意してみるのもいいでしょう。
何事もほどほどが良い。ストレスの解消も意識しすぎない事
※ Sさん(理学療法士)からの意見・考え (知人のPT) ※
精神は身体に影響を及ぼします。
私はメンタルが弱いので、日常的にこのことを感じています。
緊張するとあっという間に血圧が30mmHg程度上がります。
病院での診察の時なんかはいつも高血圧です。
だから、メンタルが弱い人は、体にとっても良くない、不利な条件を持った人なんでしょうね。
腰が痛いのもそのせいなのか?と自分で思ったりしています。
最近ランニングをしていませんが、毎日ランニングをしていたときは今よりポジティブだったような気がします。
ただ、運動しないと体の中に毒がたまるような感覚が生じてしまって…
これはこれで運動依存症だったのかもしれませんね。
何事もほどほどが良いのでしょう。
適度な運動はストレス解消になります。
ストレスは、体の不調などによっても起こりますが、人間関係によるところも大きいと感じます。
人として生まれたばっかりに…と感じることもあるでしょう(私だけ?)。
人間関係においてストレスを減らす方法として、2:8の法則を唱えています。
10人の内2人、気が合う(考え方が合う)人がいれば良いということです。
皆と上手くいくことなんてないんです(私の場合)。
人を当てにしない、期待しすぎないことも大切です。
人生においては、「人間万事塞翁が馬」「沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり」「禍福は糾える縄の如し」というところでしょうか。
人として生きる以上、ストレスからは逃れられませんが、ストレスをストレスと感じなくしていくことは可能です。
皆様のストレスが少しでも解消されて、腰痛が改善することを願っています。
6 まとめ
今回は腰痛とストレスの関係についてお伝えしました。
腰痛は、身体的ストレスによって起こるとされていましたが、近年、精神的なストレスがその原因の1つということが分かってきました。
脳はストレスによって正常な働きが阻害され、本来感じない痛みを感じるようになったり、運動のパフォーマンスが低下したりします。
この結果、腰痛が引き起こされ、慢性化の原因ともなっています。
精神的ストレス(不安、恐怖など)は腰痛にとってマイナス要因となります。
ストレスが腰痛の原因になることを理解して、できるだけストレスを減らす取り組みを行っていただければと思います。
本日の話があなたの役にたてばうれしいです。