スポンサーリンク

手足がしびれる原因ってなんなの?理学療法士の考察

手足がしびれる原因ってなに?

こんにちわ。

腰痛治療家で理学療法士の平林です。

突然、手足がしびれる事って経験した事はありませんか?

手や足のしびれは、それほど珍しい症状ではありません。

手だけ、手足両方とも、左右片側だけなどいろんなパターンがあり、またその原因も様々です。

今回は、この手足のしびれについて解説します。

この記事を読めば、
○ 突然の手足のしびれの原因について、知って、治療に役立てる事ができる
○ しびれに対する簡単な対処法について知れる
といった2点のメリットがあります。

手足のしびれで悩んでいるあなたの参考になれば幸いです。

では、本日もよろしくお願いいたします。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

手足がしびれる原因は背骨にある

手足のしびれは、背骨に原因があることがあります。

まず、この原因について見てみましょう。

手のしびれは首に原因がある

首から出て上肢の筋肉を支配する神経

デルマトーム

体の神経支配領域

感覚を支配する神経
出典)clinically oriented ANATOMY

触ったり、温度を感じたりと手の感覚を支配する神経は主に首から出ています。

頸椎という、首の骨はC1からC7といった7つに分かれています。

ですが、背骨から出てくる神経においてはC1からC8まであります。

これは、首の骨と骨の間から神経が出るので神経はC8 まであるのです。

頸椎のC7と胸椎のT1の間から出る神経がC8です。

その直下、胸椎T1とT2の間から出る神経T1も手の方に走っています。

このような神経の走行ですので、首に何らかの問題、例えば神経の圧迫などがあると、手にしびれを感じる原因となるのです。

例を挙げると、首の下部で神経の圧迫が起これば、指先などがしびれます。

で、

手にしびれの出る病気として、頸椎椎間板ヘルニアなどがあります。

その他、脊椎の病気以外では神経が筋肉などにはさまれて起こる、胸郭出口(きょうかくでぐち)症候群という病状もも比較的多く見られます。

つまり、手に起こるしびれの多くは、首に原因がある可能性が高い。

という事が言えるのです。

足のしびれは腰に原因がある

デルマトーム

出典)clinically oriented ANATOMY

手の場合と似ていますが、腰から出た神経は腰から足先までを支配しています。

下肢の皮膚では、L1からL5(腰椎から出る神経) およびS1、S2(仙骨から出る神経)の領域となります。

したがって、
これらの部分に神経圧迫などの障害が起これば、足にしびれが起こる可能性があるのです。

足にしびれが起こる腰の病気の例を挙げると、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などがあります。

なので、

腰に原因があると、下肢にしびれが生じる可能性があるのです。

脳の影響によって、手と足にしびれが生じる可能性もある

先に背骨がしびれの原因となる場合をご紹介しましたが、しびれの原因は背骨だけではない場合があります。

というのも、

脊髄や末梢神経が影響している可能性もあります。

脊髄や末梢神経は元々脳から生じて連結を持っています。

なので、脳が原因となってしびれを感じることがあるのです。

代表的な例に、脳梗塞が挙げられます。

一般的には左右片側に突然生じるという特徴があります。

手足だけでなく、口の周りがしびれることもあります。

脳梗塞の場合、しびれだけではなく、手足が動かし辛くなる運動麻痺をともなっていることが多いですが、しびれだけが症状のこともありますので、注意が必要です。

また、
脳梗塞の一歩手前の「一過性脳虚血発作(TIA)」というものがあって、一時的に脳の血流が悪くなって、数分間など短時間脳梗塞の症状を呈することがあります。

この場合は、
短時間で治まったから大丈夫と判断せずに、早急に脳神経外科など、脳血管疾患専門の医師がいる病院で受診してください。

で、早めに手を打たなければ、大きな脳梗塞に移行してしまう可能性もあるので、突然のしびれなどを感じた場合には、すぐに受診して早めに治療をする努力をするべきでしょう。

また、

脳梗塞の他に、脳出血や脳腫瘍なども緊急の処置を要する場合がありますので、しびれを生じたら、早急な受診をおすすめします。

こういった事を頭の片隅に置いてほしいなと思います。

そもそも、しびれって何故おきるのか?

「しびれ」の定義はやや曖昧ですが、ここでは「ジンジン」「ビリビリ」などと表現されるものをしびれとします。

しびれは感覚の一種で、異常感覚の部類に入っています。

また、その特徴として、自発的に起こるものとされています。

感覚の障害
・感覚低下(鈍麻、脱失):感覚が鈍くなったり、感じなかったりする
・錯感覚:異なった感覚として認識される
・異常感覚:しびれなど自発的に起こる感覚
・感覚過敏
・疼痛
末梢神経の種類
・Aα(アルファ)線維:運動神経
・Aβ(ベータ)線維:触覚神経
・Aγ(ガンマ)線維:触圧覚
・Aδ(デルタ)線維:痛覚神経(チクチクとした痛み)
・B線維:自律神経
・C線維:痛覚神経(ジーンとした痛み)、自律神経

おそらく多くの方が経験したことのあるしびれと言えば、正座によるものと推測しますので、正座を例に考えます。

  • 正座をすると膝が深く折り曲げられ、組織は血行障害を起こします
  • 血行障害に弱いAβ線維が機能障害を起こします
  • Aβ線維の機能低下によって、痛みを感じるAδ線維とC線維への抑制が低下します(痛みを感じやすくなる)。→ しびれの発生

したがって、しびれの大きな原因としては、末梢神経系の虚血が挙げられます。

その他、脳からの情報によっても痛み(しびれ)はコントロールされているため、精神面の影響によってしびれが生じることもあります。

しびれの原因も様々ですが、このような事を知っておくことで可能性も見えてくるでしょう。

是非、参考にしてほしいと思います。

しびれの簡単な対処法について

しびれの原因が神経への血行不良だと考えれば、しびれに対しては循環を改善してあげればよいという結論に達します。

実際にこの理論は医学的にも用いられていて。

例えば、脊柱管狭窄症に対して処方される血液循環改善の薬は、間欠性跛行などの歩行障害に効果を顕しています。

しびれには重大な病気が潜んでいる可能性があるために、原則としては病院で診察および治療を開始することが基本ですが、重篤ではないとわかっているものの場合は、自分でできる対処法でしびれを改善させることができる場合があります。

以下に、家庭で試すことのできる対処法をご紹介します。

しびれに対する対処法
【体を温めてみる】
熱すぎないお風呂に入って、体を温めてみましょう。血流が改善する可能性があります。【姿勢を変えてみる】
長時間同じ姿勢でしびれが出てきたような場合は、姿勢を変えることで症状が軽減することがあります。
楽になる姿勢を見つけ出してみましょう。
もともと姿勢が悪い場合は、姿勢を改善する努力を行うことで、改善することがあります。

【ストレッチ(体操)を行ってみる】
運動には、血流を改善する効果があります。

【休める】
体の一部分を使いすぎていてしびれが出た場合などは、該当部位を休めて、しばらく使わないことでしびれが回復することがあります。

長時間の立位や座位で、背骨に負担がかかっていることもあります。ソファーで横になるなど、一時的に背骨への負荷を下げてやることで改善することがあります。

【寝具を調整してみる】
朝目覚めたときにしびれが強い場合などでは、寝具があっていない可能性もあります。
枕の高さを調整したり、敷布団の硬さを変えてみたりして、自分に合うものを探すことも方法です。

しびれを甘く見ない方が良い

しびれは血管や神経が圧迫されることで起こっていることが多く、放置しておくと回復できない状態へ変化してしまうことがあります。

椎間板ヘルニアの初期など、命に関わることのない、上手くいけば完全に元通りに回復するようなしびれであれば幸運ですが、脳梗塞の前兆としてのしびれなどでは、最悪命に関わることもあります。

「軽いしびれだから、何もしないでいいだろう」「ようすを見ておこう」は間違いで、軽いうちだから対処ができる、対処の効果があると考えて行動することが大切です。

しびれを甘く見ていると、大きな失敗に気づかされることがありますので、まずは受診をおすすめします。

しびれも諦めなければ治る可能性はあるよ。という話

椎間板ヘルニアは若い方もかかる病気ですが、比較的しびれの回復は望めます。

飛び出したヘルニア部分(髄核)は自然と消滅してしまう可能性があるのです。

飛び出した髄核の量が少なければ、神経への不可逆的なダメージを与える前に髄核は吸収されて、神経は回復するでしょう。

手術が必要なのか、保存的療法で何とか行けるのか、この辺の見極めが重要だと感じます。

手術は行わないで済むのならば、行いたくないものですが、自然治癒が不可能または時間がかかる場合は、早期に決断して神経への圧迫を取り除いてあげた方が正解だったということもあります。

しびれの治療には、経験豊富な信頼できる医師の力を借りるのがベストでしょう。

近年侵襲の少ない手術法も開発されて、リスクが少なくなってきています。

できるだけ安全な方法を選択していただければと思います。

まとめ

今回は手足のしびれについてお伝えしました。

手足のしびれは背骨の病気によって生じることが多く見られます。

頸椎の障害は上肢へ、腰椎の障害は下肢へそれぞれしびれや痛みを発生させることがあります。

しびれは、背骨などにおいて神経や血管の圧迫などによって生じることが多いですが、脳梗塞などの脳血管疾患で生じることもあります。

短時間で回復したしびれが、重大な脳梗塞の前兆であることもあります。

なので、
少しのしびれだからと言って、軽く見ることなく、受診して原因を突き止めておくことが大切だと思います。

あなたのしびれも諦めなければ治る可能性はあると思います。(例外はありますが・・・)

是非、諦めない心をもってほしいなと思います。

本日も最後までありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました