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腰痛に牽引って効果あんの?リハビリのプロ理学療法士の見解

腰痛に牽引の効果は

こんにちわ。

腰痛治療家で理学療法士の平林です。

あなたは、牽引治療って知ってますか?

首が痛い時や腰が痛い時に、首や腰を機械で引っ張るアレです。

これって、効果あると思いますか?

どうでしょうか?

実際にやってみた方の声を聞くと。

  • 引っ張られている時は気持ちいい
  • 引っ張られているだけで、よくわからない
  • あまり意味を感じない

など様々な意見をもらいます。

という中で、実際の所どうなのでしょうか?

牽引療法は、国内では50年以上前から行われている歴史のある治療法ですが。

効果はあるのでしょうか・・・・?

明らかな効果を感じることができず、通院をためらっている方もいらっしゃると思うのです。

という事で、

今回は、この牽引療法の腰痛に対する効果についてお伝えします。

この記事を読めば、

○ 牽引治療の効果について知れる
○ 牽引治療は効果がある人とない人に分かれる
○ 牽引治療に頼ってはいけない

といった3つのメリットがわかるでしょう。

この話を通して、

牽引療法について興味のある方や疑問のある方の参考になれば幸いです。

では、本日もよろしくお願いいたします。

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牽引の効果と目的について

では、ここでは牽引治療の目的について話していきます。

牽引ってなに?

出典:オージー技研(株) カタログより

「牽引」とは、文字通り「引っ張る」ことを意味します。

腰の牽引について説明すると、次のようになります。

①骨盤(腸骨)部に牽引用腰装具を装着します。

②治療テーブル上、仰向けの姿勢で、上半身は引きずられないように脇装具で固定します(固定するとは言っても、わきの下に通すだけです)。

③腰装具に牽引ハンガーを取り付け、指定された強さ・方法で引っ張ります。
牽引装置では、牽引力や牽引時間、牽引のパターン(持続・間欠など)を設定することができます。

腰椎を牽引する力は、体重をもとに決められます。

通常体重の1/4程度から開始し、様子を見ながら体重の1/3~1/2程度まで増やします。

例えば体重60kgの場合、15~30㎏の範囲で行われます。

引っ張り方は、持続的に同じ力で行う方法と間欠的に行う方法がありますが、臨床的には間欠的に行う方が多いようです。

椎間板ヘルニアの急性期などでは持続的に行うこともあります。

腰椎間欠的牽引の例)

引っ張る10秒 → 緩める10秒 → 以下繰り返し 合計15分など

※牽引力や牽引時間は、医師の指示で行われます。

このように、身体の一部分を引っ張る治療法を牽引療法と呼びます。

通常「牽引」と言えば、治療機械を使った首の頸椎牽引、腰の腰椎牽引を指しますが。

理学療法の手技では、セラピストが徒手的に関節に対して牽引のテクニックを用いることもあります。

牽引の効果はなに?

  1. 関節を離開する(骨と骨の間を開く)
  2. 筋肉、靭帯等の組織を伸張する
  3. 筋肉の緊張を下げる
  4. 局所の循環改善
  5. 関節面、椎間板、神経に対する圧迫を軽減する
  6. リラックスする(身体)
  7. 精神面への作用

といった点が言えます。

しかし、これは個人差が大きく、効果を感じられる人と、感じられない人に分かれます。

牽引は同じ強さで引っ張り続ける方法や間欠的に引っ張る方法があります。

間欠的な牽引は局所に対するマッサージ効果もあるとされています。

なので、効果を感じる場合は行い続けるのもいいでしょう。

牽引の目的は

腰の牽引を行う大きな目的として、以下のようなものがあります。

①腰痛の軽減
②坐骨神経痛(足へのしびれや痛み)の改善

です。

これらが大きな目的となります。

また、牽引療法の対象となる具体的な疾患は次の通りです。

【適応となる疾患、症状、疾患】

  • 変形性腰椎症
  • 腰椎椎間板症
  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • 腰椎椎間関節症
  • 腰椎捻挫(急性期以降)
  • その他

【症状】

  • 腰痛
  • 坐骨神経痛
  • 腰部のこわばりや不快感

牽引は物理療法という、治療方法の分類になる

牽引は引っ張る。

という物理的な方法を用いる治療法のため、「物理療法」という治療方法に分類されます。

病院のリハビリや整形外科のクリニックなどで使用されています。

物理療法の主な目的は【電気刺激や温めたり、引っ張たりなどをして、痛みを取り除こう】という目的が一番でしょう。

物理療法は効果を感じる方と感じられない方に大きく分けられます。

全ての人にやってもうら必要はありません。

むしろ、物理療法はプラシボー効果が高い。

という説もあります。

この辺りは賛否両論ある部分です。

ここで、参考までに物理療法についてご紹介しておきます。

物理療法には以下のようなものがあります。

①温熱療法…温熱を利用した治療法です。
ホットパックなどが代表例です。
水治療法と温熱を組み合わせたり、牽引を行いながら温熱療法を行ったりするなどの方法もあります。
また、超音波治療も温熱療法に分類されますが、骨折の癒合を促進するために使用されることもあります。②寒冷療法…氷や専用の冷却材を用いる方法などがあります。
怪我の後に冷やすのも、この寒冷療法に含まれます。
代表例にアイスマッサージやアイスパックなどがあります。
顔面神経麻痺に対して行うこともあります。③光線療法…レーザーや赤外線など光線を使った治療法です。
温熱治療に応用するほか、星状神経節に照射するなど、特殊な使用法もできます。
赤外線を使用した温熱治療などは古くから利用されています。

④電気刺激療法…低周波治療器などで知られている電気を使った治療法です。
最近では腹筋を収縮させる機械で有名になりましたが、あれも電気刺激療法の一種です。

⑤水治療法…ハバード浴やプールなどで行う、水の性質を利用した治療法です。
過流浴など温熱療法を組み合わせた治療法もあります。
プールで歩行訓練なども水治療法の1つです。
また、温熱と寒冷を交互に行う交代浴という方法もあります。

⑥牽引療法…今回ご紹介した、牽引装置(能動型自動間欠牽引装置)を用いた治療法です。

牽引をしても、痛みが変わらない人もいる

腰痛の原因は特定されないものが多いため(約85%)、牽引療法の効果についても明確ではありません。

腰痛の原因によっては、牽引の効果を実感できないこともあり得ます。

牽引療法に関する研究報告の結果では、明確な有効性が示されないというものがあります。

しかし一方で、有効性を示す報告もあります。

牽引による作用と腰痛の原因がマッチした時に改善の効果が得られているものと考えられます。

結論として、牽引療法は腰痛に対して有効な場合があるが、全ての腰痛に対して有効ではないと言えるでしょう。

通い続けなくてはいけないのか?

教科書的に言えば、1カ月牽引療法を行って改善が無ければ、効果なしと判断しても良いです。

牽引の効果が全く感じられなければ、医師に相談してみましょう。

治療方針が変わるかもしれません。

効果が感じられないならば、無理に継続するのではなく、自分にとって適切な治療法を選択する必要があるでしょう。

牽引療法のような受動的な方法ではなく、運動療法や日常生活の改善など、能動的な方法が効果を現すこともあります。

なのであなた自身に効果のある方法を見つけるようにしましょう。

リハビリのプロである理学療法士の考え

腰痛の原因は通常の診察では特定されないことが多いです。

痛みの原因がピンポイントで分かれば、牽引療法が適切かどうかの判断も付きやすいのですが、原因が分からないため、試してみないと分からないという状況にもなります。

医療における治療法は、全ての人に対して同じように効果があるわけではありません。

また、調査・研究が行われて効果が認められた治療法ばかりでもありません。

原因の分からない痛みなどは治療が難しいです。

痛み止めや麻酔などは効果がありますが、腰痛の原因に働きかけて治療する方法は確立されていません。

医師は何とかして患者さんを助けたいですから、効果の期待できる治療法を行います。

その結果、牽引療法が処方され、通院を繰り返すということもあるでしょう。

牽引などの治療は1回で治すような治療法ではありませんので、しばらく通院して様子(効果)を見るという流れになることは自然です。

実際に効果を感じる方もいらっしゃいますから、試してみる価値はあるでしょう。

ただし漫然と何カ月も通院ということではなく、個人的には最長1~2カ月(通院回数にして10回程度)が目安ではないかと思っています。

腰痛はやはり姿勢の悪化や腰部への繰り返されるストレスが原因で起こることが多いと感じます。

牽引だけに頼るのではなく、姿勢の改善や動作の改善なども同時に行うと良いでしょう。

まとめ

今回は腰痛に対する牽引療法についてお伝えしました。

牽引は物理療法の一種で、腰や首に対して行われる治療法です。

引っ張ることで、関節を開き、圧迫を減少させたり、局所の循環を改善させたりします。

腰痛に対して牽引療法が行われることがありますが、効果の低度は明確ではなく、効果を感じられない人もいます。

腰痛は牽引だけで改善するものではありません。姿勢の改善や運動、日常生活上の対策等を行う必要のあるものです。

牽引などの治療法だけに頼らず、同時に姿勢の改善、運動、日常生活の見直しなどを総合的に行うことで腰痛の改善がより期待できるようになるでしょう。

本日の話があなたの役に立てばうれしいです。

最後までありがとうございました。

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