こんにちわ。
腰痛治療家で理学療法士の平林です。
腰の痛みは、腰痛の原因は多様です。
運動した翌日などに起こりやすい、いわゆる筋肉痛が腰で起これば腰痛と感じるでしょう。
筋肉痛が原因の可能性が高い腰痛であれば一般的に心配は要りません。
しかし、何らかの病気によって生じた腰痛であれば適切な処置をしなければならないこともあるでしょう。
という中で今回は、腰痛が筋肉痛なのか病気なのかを見極める方法についてご紹介いたします。
◎筋肉痛による腰痛か?病気による腰痛なのか?ある程度の見極めができるようになる。
といったメリットがあります。
是非、参考程度に読んでほしいと思います。
腰の筋肉痛と腰の病気の見極め方について。
今回の記事では、腰の筋肉痛と病気の見極め方についてご紹介しますが、最終的な診断は医師のみができるものです。
確定的な診断を、この記事の方法でできるということではありませんので、ご注意ください。
心の準備をするための、参考的なものと考えていただければと思います。
痛みの感じ方の違い
痛みの感じ方を文字で表現するのには限界がありますが、久しぶりに運動した翌日に感じるような筋肉の痛みが筋肉痛です。
それが筋肉に力を入れたり、指で押したりすると「あいたっ!」と感じるやつです。
程度は様々ですが、強い負荷のかかる運動をした場合などではちょっと筋肉に力を入れるだけで痛みを感じるでしょう。
筋肉痛は、該当する筋肉に限局する痛みです。
一方、筋肉痛ではない、他の病気で生じる痛みの場合痛みとしびれが混ざっているような感じがしたり、腰は痛いのだけど、筋肉を押しても痛くなかったり、足の方まで痛みが走ったりなど、筋肉痛とは違った痛み方をすることがあります。
どんな時に腰が痛くなるか?
筋肉痛による腰痛は、背筋、特に背骨の両側にある脊柱起立筋群などに負担のかかるスポーツや中腰での作業を長時間行った場合、しかも、それを久しぶりに行った場合などに、その翌日、翌々日などに起きやすいです。
筋肉痛の特徴として、筋肉に力を入れる(収縮させる)、筋肉を伸ばす(ストレッチする)、筋肉を押すなどで痛みが生じます。
どのような動きで痛くなるか?
筋肉痛の場合、力を入れた時(筋肉が収縮した時)、引き伸ばされた時に痛みを発します。
したがって、背筋に力を入れて背中を反らせた時や背中を丸めた時(立位体前屈の姿勢など)に痛みを感じます。
体幹をひねったり、側屈する場合にも筋肉は収縮したり引き伸ばされたりしますので、同様に痛みを感じます。
このように筋肉痛は、筋肉が収縮したり、引き伸ばされたりしたときに生じるのが特徴であると言えます。
ただし、背中を反らせたりした時に生じる痛みは筋肉だけとは限りません。
腰椎の関節に問題がある場合も、反らせたり、側屈したりした時に痛みを生じることがあります。
筋肉を押してみて、痛みがあるかどうか(圧痛の有無)も確認してみてください。
そもそも腰の筋肉痛っていったいなに?
腰部の筋肉に生じる筋肉痛が腰の筋肉痛です。
答えになっていないので、筋肉痛についてご説明します。
ただし今からお伝えする内容は一つの説であって、これだけが原因とは限りませんのであらかじめご了承ください。
腰の病気の種類を紹介
ご紹介したような筋肉痛以外にも、腰痛の原因は存在します。
いくつか主なものをご紹介しておきます。
①腰部の筋断裂(一般的な筋肉痛を超えるもの)
筋肉痛は筋線維の微細な損傷であると考えられますが、繊維の束が広い範囲で損傷を起こした場合、筋断裂(肉離れ)という状態となります。
筋肉痛のように、短期間での回復は難しく、安静やコルセットなどによる固定が必要になることもあります。
②腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアは椎間板内部にある髄核(ずいかく)が移動し椎間板の一部を外側に押し出したり、自らが椎間板外側へ飛び出したりしてしまう病気です。
これによって、腰痛を感じたり飛び出した部分が神経を圧迫すると坐骨神経痛などの症状を引き起こしたりします。
③変形性腰椎症
骨は加齢とともに変形を起こすことがあります。
腰椎で骨の変形が起こった時変形性腰椎症と呼ばれます。
椎骨間が狭くなり痛みを生じます。
膝で起こると変形性膝関節症ということになります。
④腰部脊柱管狭窄症
脊髄神経は背骨の中の脊柱管を通っていますがこの脊柱管が何らかの原因(例:変形性腰椎症)によって狭くなってしまう病気です。
狭窄が強くなり神経を圧迫すると坐骨神経痛やその他の神経症状を発症します。
同時に、腰痛の症状も出現することが多いです。
⑤腰椎分離症
腰椎の前方部分と後方部分の連続性が絶たれる病気です(簡単に言うと、途中で骨折して、前後に分かれた状態)。
若い時に行う、激しいスポーツが原因で生じることがあります。
⑥腰椎すべり症
通常椎骨は弯曲しながらも滑らかに連続していますが、変性や分離症などが原因となって、ある部分で上部の椎骨が前方へ移動することがあります。
滑ったように見えるためすべり症と呼ばれます。
⑦椎間板症
腰痛の診断名として使用される病名です。
椎間板の変性、損傷(きれつなど)などによって、腰痛の原因となります。
⑧腰椎捻挫
こちらも、腰痛の診断名として用いられることの多い病名です。
腰椎椎骨間は関節構造を持ちますので、急激な強い力がかかると捻挫を起こすことがあります。
腰痛の原因は複数の要因の可能性がある
しばらく中腰で作業をしていると、「あー、腰が痛くなった」と感じることはないでしょうか。
これは、ずっと同じ姿勢を保っていたため、筋肉に無理がかかり、微細な損傷が生じたのかもしれません。
もしくは、腰椎と腰椎の間の関節面で痛みを起こしているのかもしれない。
それ以外だとしたら、椎間板の表面で痛みが生じていたりなど。
原因はこの中の1つかもしれませんし、複数が原因になっているのかもしれません。
このように腰痛の原因として様々な理由が考えられます。
運動(作業)後、しばらくして筋肉に痛みが出た場合は、筋肉痛とも考えられますが、その他の部位から痛みが生じているかもしれませんので油断はしない方がいいでしょう。
数日で痛みが消えればよいですが、痛みが続いたり、足がしびれたりなどの気になる症状が出ている場合は筋肉痛と考えず、医師の診察を受けた方が良いでしょう。
まとめ:数日腰痛の痛みが変わらない場合、自己判断しないで、病院を受診してみましょう
今回は、腰の筋肉痛についてお伝えしました。
急な運動、久しぶりの運動などの後に経験する筋肉痛は腰の筋肉で起こることもあります。筋肉痛は筋肉を収縮させたり、伸ばしたり、押したりした時に、痛みを生じる特徴があります。
一般的な筋肉痛であれば数日のうちに痛みは改善し障害を残すことはありません。
しかし、痛みが長期におよんだり、しびれを伴っていたりする場合は、筋肉痛以外が原因である場合もあります。
筋肉痛と椎間板ヘルニアを同時に起こしている可能性などもありますので、自己診断せず、整形外科医の力を借りることをおすすめします。