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椎間板ヘルニアは再発しやすい!何故か原因を追及してみた

椎間板ヘルニアは再発しやすいのか

こんにちわ。

腰痛治療家で理学療法士の平林です。

椎間板ヘルニアは再発しやすい病状です。

椎間板ヘルニアは治療や自己対策や自然に改善することもある疾患です。

しかし、回復後に再発する可能性もあるのです。

これって何故でしょうか?

そこで、今回は、『椎間板ヘルニアは再発しやすい』というテーマで話していきます。

この記事を読めば、

◎ 椎間板ヘルニアはなぜ再発しやすいのかを知れる。そして、再発しないように対策をとれる
◎ 椎間板ヘルニアの再発のメカニズムを知って、生涯ヘルニアに負けない知識をもてる

といった2点のメリットあります。

今回の記事があなたの役に立ち、参考になれば嬉しいです。

では、本日もよろしくお願いいたします。

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椎間板ヘルニアはなぜ再発しやすいのか?

最初に、椎間板ヘルニアが再発しやすい理由について解説します。

主に以下のような理由があります。

そもそもの根本的な原因が解決していないから

ヘルニアの突出型

椎間板は背骨の椎骨と椎骨の間に存在しています。

椎間板を水平方向に切って見ると、内部に髄核(ずいかく)、外側に繊維輪があることが分かります。

(これは、他の記事でも紹介しているので、理解している人もいるかと思いますが・・・)

髄核は水分を含むゲル状の物質で、外側の線維輪は丈夫な構造で髄核を取り囲んでいます。

この椎間板は、骨の間でクッションとして働きますが、加齢による変性が早期(10代)から起こると言われています。

変性が進行すると、椎間板の水分が減少し、丈夫な繊維輪に亀裂が入るなど、障害を起こしやすい状態へと変化していきます。

この変性は、加齢だけでなく、腰部への負担や遺伝的要因によっても加速されます。

運悪く、線維輪が損傷してしまえば、壊れた部分から髄核が漏れ出てきて、ヘルニアを起こすこととなります。

このように変性してしまった椎間板は、若い時のような状態には戻りません。

したがって、一旦症状が改善しても、基本的に椎間板ヘルニアになりやすい状態は続いているという事です。

また、

腰に過度の負担がかかるなどして、椎間板が再度損傷すれば、再発してしまう可能性もあるのです。

悪い姿勢習慣が変わっていないから

お伝えしたように、椎間板は変性を起こし、損傷しやすい状態となっています。

したがって、過度の腰への負担によって再発の可能性があります。

その過度の負担の原因となるものが「悪い姿勢」です。

姿勢が悪いだけで、椎間板への負荷は1.5~2倍ほど上昇します。

さらに、背中が丸くなり、前傾姿勢になると腰椎椎間板への負荷は約1.5倍以上

単純に計算すれば、姿勢が良ければ60年使用できる椎間板が、姿勢が悪いことで30年しか使用できないということになります(たとえ話のレベルですが・・・)。

でも、この計算ヤバくないですか・・・

60年使えるものが、ただただ、姿勢が悪いだけで、使用期間が30年に減ってしまうって・・・

どれだけもろいものなのでしょうか・・・・

また、姿勢が悪いと椎間板への力のかかり方が偏ります。

例えば前方に多く力がかかるようになると、前方へ偏った負荷は、髄核を後方へ押し出す力となります。

今川焼をイメージして頂きたいのですが。

今川焼の前側を潰すと中身は後ろに飛び出しますよね。

このイメージと一緒の現象が椎間板でお起こるのです。

姿勢が悪いことによってどれほど腰への負担が変わるのかを意識する人は少ないでしょう。

姿勢が良い人でも、椎間板ヘルニアは発症することはありますが、悪いとその発症リスクは上がります。

1度発症した方はなおさら、姿勢について意識する必要があるといえるでしょう。

座位の良い姿勢

腰に負担をかけすぎているから

腰への負担は姿勢だけによるものではありません。

動作の仕方、運動の種類、仕事の内容など、様々な原因があります。

力任せの動作や、動作時の姿勢を意識しない動作は、腰部への負担を上昇させまて椎間板ヘルニアの原因となります。

中腰での作業、重量物の運搬などは特に腰部への負荷が高まります。

物を持たず、姿勢が悪くなっただけでも、腰への負担は2倍近くまで上がります。

物を持てば、さらに大きな負荷がかかることは容易に想像できるでしょう。

腰椎椎間板への負荷(立位を100とした場合)

姿勢と腰の負荷椅子に(姿勢を無視して)腰かけるだけでも、負担がかかるものです。また、身体に良いはずのスポーツが、腰にストレスを与えていることもあります。

日常生活のあらゆる場面で、腰には大きな負担がかかっていることを認識しておきましょう。

椎間板ヘルニアの再発を防ぐ為に

加齢によって変性した椎間板を若返らせることはできませんし、遺伝に対して抗うことはできません(将来は可能となるかもしれませんが…)。

そこでできることは、おおよそ次の2つです。

①椎間板への負荷を減らす事

  • 椎間板の亀裂などの損傷が起こりにくくなります
  • 椎間板内部の髄核が外側へ移動しにくくなります
  • 椎間板が長持ちします
  • 腰痛が起こりにくくなります

②椎間板への負荷がバランス良くかかるようにする

  • 椎間板の偏った消耗、損傷が少なくなります
  • 髄核が後方へ移動しにくくなります
  • 椎間板が長持ちします

上記①および②を達成するための具体的な方法として、以下のようなものがあります。

ア) 正しい知識を得て、理解する

椎間板ヘルニアの起こる理由、姿勢・動作と椎間板への負荷との関係などを正しく理解することです。

これができれば、自ずとやるべきこと、注意すべきことが分かります。

イ) 姿勢を改善する

姿勢を改善すると、椎間板への負荷が下がり、椎間板への力の偏りが減少します。

このことは、体を動かさない静的な姿勢、体を動かす動的な姿勢どちらにも言えることです。

物を持ち上げる時、物を取る時等、動作時の姿勢にも配慮することで、椎間板への無駄な負荷を減らすことが出来ます。

ウ) 柔軟性と筋力を改善する・保つ

脊柱や股関節などの関節の可動性や筋肉の柔軟性は、正しい姿勢を維持するために必要です。

また、正常な動作(安全でスムーズな動作)を行うためにも、一定以上のレベルをキープしておく必要があるものです。主にストレッチが効果的です。

筋力は、姿勢を保持するため、負荷に対応するため、脊柱の安定化等に必要不可欠です。

体幹筋や下肢筋を中心に必要な筋力を確保しておく必要があります。

エ) 努力を継続すること

椎間板ヘルニアは、一定期間何かを行ったらそれで解決するわけではありません。

油断してしまうと、再発の可能性があります。

生涯にわたって再発を防止する心構えと、日ごろの継続した実践が不可欠です。

オ) その他

環境の見直しも必要なことがあります。

正しい姿勢を保持しにくい椅子を交換する、クッションを導入する、物を置く(収納する)位置を工夫する、道具を使う(例:キャリーカート)など、工夫することで腰への負担を軽減させることも可能です。

職場での負担が大きければ、それを改善させるための方法を、職場で検討する必要もあります。

例を挙げれば、近年介護の現場では、介護ロボットの導入が進んでいます。

理学療法士の意見・考え

椎間板ヘルニアの再発率は、手術を行った場合、数%から10数%程度のようです。

椎間板の状態や、手術の手技によっても再発率は異なりますので、このように幅があるのです。

手術を行わない場合、増悪と寛解(良かったり悪かったり)を繰り返すこともあります。

そのような場合も「再発」とみなせば、再発率はさらに上昇するでしょう。

私自身足にしびれが出たり、出なかったりという繰り返しを経験していますので、再発はさほど珍しくはないと感じています。

もう一つ感じているのは、再発する人の椎間板は、恐らく遺伝的に弱い(便宜上、弱いと表現します)のではないかということです。

研究対象にでもならなければ、遺伝子レベルの解析は行われませんから、実際のところは分かりません。

遺伝が椎間板の変性と関係していることはわかっているので、椎間板ヘルニアの再発も、この遺伝とかかわりがあると考えることができそうです。

椎間板の変性を起こしやすい遺伝子を持っているだけで、椎間板ヘルニアになりやすいと聞くと無力感を味わってしまうのですが、近年希望の光が見えてきました。

先に「椎間板は若返らせることができない」と書きましたが、椎間板の再生医療技術の研究が進んでいるようです。

この治療法は、変性した椎間板に髄核細胞を注入し、椎間板を再生させようとするものです。

上手くいけば2019年に臨床治験が行われるようなので(東海大学Hpより)、これに成功すれば、近い将来には椎間板を治療できるようになるでしょう。

この日が早く訪れることを願っています。

椎間板ヘルニアの再発予防についてのまとめ

今回は椎間板の再発と予防についてお伝えしました。

椎間板ヘルニアは1度治っても、繰り返し発症することがあります。

椎間板は加齢と過度の負担から、いつ壊れても不思議ではない状態へと変化しているからです。

このような状態なので、適切な対策を行わなければヘルニアは再発を再発させてしまいます。

姿勢の改善、柔軟性・筋力の維持・改善など必要な対策をして、腰への負担軽減を意識した生活を送りましょう。

そして、再発のリスクを最小とする努力が必要だと言えます。

という事で、椎間板ヘルニアの治療は、一度だけでなく一生続けなければならないものだと認識して、努力を継続していただければ幸いです。

本日も最後までありがとうございました。

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