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脊柱管狭窄症とヘルニアの症状は似ている。解決策を提案

脊柱管狭窄症とヘルニアの解決策

こんにちわ。

腰痛治療家で理学療法士の平林です。

腰の病気で有名なものに「脊柱管狭窄症」と「腰椎椎間板ヘルニア」があります。

病名は違いますが、同じような症状を呈することもあります。

腰に原因があるので、同じような症状を呈する事があります。

しかし、

病態は違います。

脊柱管狭窄症は、脊髄の通り道が狭窄されて生じる病態であり。

腰椎椎間板ヘルニアは、椎間板の中にある髄核の脱出によって生じます。

二つの違う病態ではありますが、症状は似ている。

という事で。

今回は、両者の共通点とその解決策についてお伝えします。

この記事を読めば

◎ 脊柱管狭窄症と腰椎椎間板ヘルニアの治療に役立てる事ができる
◎ 脊柱管狭窄症と腰椎椎間板ヘルニアの症状について知れる

といった2つのメリットがあります。

脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニア併発の診断を受けたあなたの参考になれば幸いです。

では、本日もよろしくお願いいたします。

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脊柱管狭窄症とヘルニアの症状は似ているのか?

脊柱管狭窄症とヘルニアは似ています。

それについて話していきますね。

似たような症状が起こる場合もある

まず、脊柱管狭窄症のというのは、脊髄の通り道である脊柱管が狭くなった状態を言います。

脊柱管が狭くなる原因には、骨や靭帯、椎間板などがあって、原因が1つではありません。

したがって、脊柱管狭窄症は、言ってみれば大まかな状態を表す名称と言って良いでしょう。

一方椎間板ヘルニアは、椎間板およびその内部にある髄核が飛び出した病気の名称です。

この飛び出した部分が脊柱管を狭くしていれば、脊柱管狭窄(症)の状態ということもできます。

椎間板ヘルニアの突出が大きく、脊柱管を狭窄していれば、両方の診断名がつくこともあります。

また、もともと加齢などによって狭窄している部分に、椎間板ヘルニアを生じることもあります。

これらはMRIなどの画像診断で判断ができるでしょう。

脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア両者とも、脊髄等の神経を圧迫する可能性があるので、同じような症状が出ることがあるのです。

是非、理解してほしいと思います。

腰、下肢に症状が出現しやすい

椎間板ヘルニアのイラスト(赤い色の部分に症状が出やすい)

脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア共に腰椎部分で多く見られます。

腰椎部分から出た神経は、腰から足先まで分布しています。

障害を受ける神経として、坐骨神経が有名ですが、この神経の一部が腰部で圧迫されると足の痛みやしびれなどを生じます。

このような症状は、一般的には坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)と呼ばれています。

坐骨神経痛は脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニアで起こりやすい症状の一つです。

腰のみの症状は少ない

脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア共に腰痛を起こしたり、腰部のしびれを生じたりする可能性もありますが、腰部症状に限局することは少ないです。

多くの場合、下肢の痛みやしびれなどの症状を呈することが多いでしょう。

さらに、腰部脊柱管狭窄症の場合では、長距離連続して歩行できなくなる「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴的な症状として起こります。

腰部の症状がなく、歩行障害や下肢の痛み、しびれだけを生じることもあり、腰が原因であることに気づきにくい時もありますので、注意が必要です。

【間欠性跛行】

しばらく歩くと足に痛みなどを生じて歩けなくなるが、腰かけるなどしてしばらく休むと、また歩くことが出来るようになる。
脊柱管狭窄症の症状として有名。

脊柱管狭窄症とヘルニアを治す為の考え方

脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアを併発した場合の治し方についてお伝えします。

ただし、同じ診断名であっても、状態は様々です。

厳密に言えば、全ての人で状態は異なります。

したがって、治療法はこれしかないという性質のものではありません。

最終的には人それぞれ最も適した治療法を選択していく必要があります。

ここでは、一般的な治療の考え方としてご紹介します。

両方を一気に治すのは難しい場合がある

例えば、一部の椎間板(髄核の突出も含む)が、脊柱管側にはみ出すことで脊柱管を狭めてしまっている場合、限局したもの(椎間板ヘルニア)と考えて。

椎間板ヘルニアによって、脊柱管が狭くなってしまっている場合は、椎間板ヘルニアの治療を行えば、両方が一気に解決する可能性はあります。

しかし、

脊柱管狭窄症の原因には、加齢による骨の変形や腰椎のすべり、靭帯の肥厚などがあり、手術を行わない保存的療法では狭窄とヘルニアを一気に解決できないことの方が多いです。

なので、

脊柱管狭窄症に対する治療であるのか、椎間板ヘルニアに対する治療であるのか。
という考えが大切になると思います。

良い姿勢を意識するのは最も効果的

脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニアの具体的な治療法についてお伝えします。

下肢の麻痺や排尿・排便障害など重度の症状が出現している場合は、手術が検討されますが、そうでない場合は基本的には保存療法が選択されます。(本人の希望で早期に手術を行うことはあります)。

保存的治療の代表的なものは投薬ですが、これだけでは根本的な原因解決とはなりません。

そこで、椎間板ヘルニアになりにくい状態に変えていくことが解決方法として重要となります。

まず見直していただきたいのは「姿勢」です。

「たかが姿勢で」と感じられる方もいるかもしれません。

という事で、次の資料をご覧になってください。

椎間板に圧力の変化を相対的に表したものです。

まっすぐに立っている場合を100とすると、椅子に腰かけるだけで140へ増加しています。

背中を丸めると185と、2倍近くになります。

姿勢

姿勢によった負担

このように姿勢によって、椎間板にかかる力は大きく変わってきます。

したがって、姿勢の改善は非常に大切であるということが言えます。

立位では腰椎部分は軽く前側に凸の形(軽度前弯)が理想です。

腰の部分が丸くならないように注意します。

椅子に腰かけると、この理想の形が崩れやすいので特に意識して、立位と同じような姿勢を意識する必要があります。

このように腰部が丸くなると、椎間板にかかる負担が大きくなり、椎間板ヘルニアの原因となってしまいます。

できるだけ立位の腰椎の形に近くなるように調整します。

体の柔軟性を保つ、獲得する

筋肉や靭帯、関節の周りを取り囲む関節包(かんせつほう)などの組織の柔軟性が低下すると関節の動く範囲が狭まります。

また、スムーズな関節の動きが妨げられたり、組織がもろくなって、損傷しやすくなったりすることもあります。

関節の動きが制限されれば、良い姿勢の維持にとってマイナス要因となり、動作時のスムーズさの低下や、けが(腰痛などの原因)の引き金となってしまうこともあります。

したがって、

脊柱の可動域、細かく見ると脊柱を構成する椎骨間の関節の動きを正常に保って、全体として理想的な脊柱の状態に保つことが重要となります。

脊柱を理想の形に保ち、腰椎への負担を正常化するためには、脊柱の柔軟性を保つだけでは不十分で、股関節など、姿勢に影響を与える関節の柔軟性を維持しておくことも大切です。

突き詰めると、身体は各部位が相互に影響しあっていますので、全身の柔軟性を高め左右のアンバランスを解消しておくことがベストということになります。

しかし、

全てを一気に行うことは相当のエネルギーを要しますので、最低限腰部周囲や股関節周囲のストレッチを行うことを目標としましょう。

ストレッチの方法は多くあって、様々なやり方が紹介されています。

自分に合ったものを選んで行えばよいでしょう。

ここではいくつかご紹介しておきます。

ストレッチや運動を行っている際に、足にしびれや痛みが走るような時は、神経を圧迫しているサインですので、その種目は中止してください。

神経の症状が出ず、腰に軽い痛みや違和感がある程度の場合は、問題ないことも多いですが、無理をしないように、症状の変化に注意しながら行ってください。

ストレッチの方法はゆっくり時間をかけて行います。

反動をつけないように、継続して伸ばす要領です。保持時間は20~30秒目標ですが、短時間から始めても良いです。

少しずつ延長しましょう。

背中を反らす・丸める、を交互に行う

この運動はストレッチのように長時間同じ姿勢を保つ必要はありませんので、交互にゆっくり背骨を動かします。

意識して腰を反らすことに重点を置いて行いましょう。

両膝を抱えて、胸に引き寄せる

お尻が床から離れる程度まで引き寄せます。腰の下側やお尻の筋肉をストレッチします。

腰を捻る

片方の膝を曲げ、反対側の床に着けるつもりで腰を捻ります。必ずしも床に着ける必要はありません、上半身は真上を向けておきます。

ももの裏側を伸ばす

バスタオルなどを足にかけて引き上げます。

反対側の膝を曲げると楽に行うことが出来ますが、若干効果が落ちますので、慣れてきたら膝を伸ばし、床に着けた状態で行ってみましょう。

脊髄が狭窄していても、ヘルニアになっていても症状が『出ない』人もいるよ。

姉妹サイトのライター理学療法士イワモトさんの考え

中高齢になると、椎間板の変性や骨の変形が進み、程度の差はあっても脊柱管は狭窄していることが多いと考えられます。

実は多少脊柱管が狭窄しても、神経の症状としてすぐに現れるわけではありません。

症状が出始めて気づいてMRIを撮ったら、50%程度まで狭窄していたなんていうこともあるわけです。

このような性質があるので、実は脊柱管狭窄症であるという人はかなり多いと想像できます。

狭窄はしているけれど、無症状のまま一生を全うする方も相当数いらっしゃると思います。

しかし、

無症状の脊柱管狭窄症の状態で、椎間板ヘルニアを生じてしまうと、ただでさえ狭窄しているところをさらに押しつぶしてしまうこととなります。

少しのヘルニアで強い症状を引き起こしてしまう可能性もゼロではありません。

という具合ですので、日ごろから姿勢に注意して、体の柔軟性を維持し、椎間板ヘルニアの予防を行っておくことには意味があるのです。

年々脊柱管は狭くなっていることを自覚して、症状が出る前から予防をしていただけたらと願っています。

脊柱管狭窄症とヘルニアは併発する場合もある。まとめ

今回は脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアが併発する場合についてお伝えしました。

脊柱管狭窄症は、椎間板の変性や骨の変形などで脊髄の通り道が狭くなる状態を指します。

また、椎間板ヘルニアは、飛び出した椎間板(髄核含む)によって、神経を圧迫するものです。

両者共に、腰部の神経を圧迫するという点で共通しているため、同じような神経症状を生じることがあります(坐骨神経痛など)。

加齢とともに進行する脊柱管の狭窄に、椎間板ヘルニアを併発することは珍しくありません。

自然と進行する狭窄を完全に止めることは難しいですが、椎間板ヘルニアの予防改善を行うことは可能です。

そのためにはま、基本となる良い姿勢を理解し、日常の生活の中で、姿勢の矯正を実践することです。

また身体の柔軟性を保つことも重要です。

腰や股関節のストレッチなどを行うと良いでしょう。

中高年で症状を出さないためにも、若い時からの対策をおすすめします。

今回の話があなたの役にたてばうれしいです。

最後までありがとうございました。

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