こんにちは。腰痛治療家で理学療法士の平林です。
「腰痛が落ち着いてもまた痛くなる」——その繰り返す腰痛の原因として代表的なのは、ストレス・腰に負担をかけ過ぎる生活習慣・運動不足の3つです。そして根本には、普段何気なくとっている「姿勢」が深く関わっています。
この記事では、腰痛を繰り返す3つの原因とその対策、実際の患者さんの体験談を紹介します。原因を知ることが、繰り返す腰痛の予防の第一歩になります。
なぜ腰痛は繰り返しやすいのか?最大の理由は「姿勢」
腰痛を繰り返す一番の理由として挙げられるのが、日常の姿勢です。
人間は4本脚の動物から進化して2本脚で歩くようになり、体を支えるための身体機能が大きく変化しました。犬や猫のような4本脚の動物も腰痛にはなりますが、2本脚の人間のほうが腰痛になりやすいのは確かで、腰痛は人間が抱えやすい宿命とも言えます。
そのうえで、今この記事を読んでいるあなたはいかがでしょうか。
- 腰や背中が丸まった姿勢で読んでいませんか?
- スマホを見るために、過度に下を向いていませんか?
- だら〜んとくつろぎ、腰が丸まった状態になっていませんか?
立っている時・座っている時・横になっている時の「楽だけれど腰に負担をかけている姿勢」を続けていると、将来的に腰が痛くなってもおかしくありません。腰痛は多くの人が経験する痛みと言われますが、その背景には、何気ない普段の姿勢があると私は考えています。「いかに姿勢を意識できるか」が、繰り返す腰痛を防ぐ大きなカギになるのです。
腰痛は「原因不明」でも仕方なくはない
病院でレントゲンやMRIを撮っても異常がなく、痛みの原因がわからない腰痛は実際に少なくありません。しかし、だからといって諦める必要はありません。
医学的な原因が見つからなくても、腰痛につながる行動を日常生活の中で行っているケースが多いからです。例えば次のようなものです。
- 日常的に姿勢が悪い状態で過ごしている
- 重労働で腰に負荷をかけている
- デスクワークで一日中ほとんど腰を動かさない
- 長時間の運転をする仕事をしている
- スポーツで腰に負担がかかっている
こうした「腰に痛みが生じてもおかしくない行動」を見直すことが、繰り返す腰痛の対策につながります。
一方で、腰そのものではなく、内臓の病気が関連痛として腰の痛みを引き起こすこともあります。泌尿器科の疾患のほか、まれに重い病気が隠れている可能性もあるため、「たかが腰痛」と軽く考えないほうがよいでしょう。腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症・変形性脊椎症など、腰自体の疾患による腰痛ももちろんあります。
特に次のような症状がある場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診してください。
- 足のしびれが進行していく
- 排尿や排便の異常がある
- 発熱を伴う
- 安静にしていても痛みが続く・寝ている時に痛みがひどい
- 転倒などのケガの後から痛みが出た
腰痛を繰り返す3つの原因と対策
ここからは、繰り返す腰痛の代表的な3つの原因を、対策とあわせて紹介します。
原因1:ストレス
腰そのものに異常がなくても、ストレスが原因で腰痛が起こることがあります。脳が痛みを強く感じ取ってしまうことが関係しているとされています。
なかなか寝つけない、イライラすることが多い、なんとなく不安、食欲がない、休みの日も仕事のことを考えてしまう——こうした状態が続いている方は、ストレスが腰痛に影響している可能性があります。
対策は、ストレスとうまく付き合い、解消していくことです。ポイントは、ストレス対処法を一つではなく複数持っておくこと。例えば「友達に愚痴を言う」が対処法だとしても、状況的にそれができない時もあります。そんな時のために、運動・趣味・休息など、別の対処法をいくつも持っておくと安心です。ストレスと腰痛の関係は腰痛とストレスの関係でも詳しく解説しています。
原因2:腰に負担をかけ過ぎる生活習慣
肉体労働やデスクワーク、長時間の運転、日常的な悪い姿勢など、腰に負担をかけ続ける生活習慣は、繰り返す腰痛の大きな原因になります。
仕事上どうしても腰に負担がかかる場合は、次のような対策をしましょう。
- 仕事の合間にこまめに腰のストレッチをする
- 必要に応じてコルセットを使う
- 極力、腰に負荷をかけない動作を意識する
物を持ち上げる動作や運転、デスクワークでも、腰への負担を最小限にする方法は必ずあります。実際に私も患者さんにこうした指導をすることで、腰の痛みが減った・楽になったという方は少なくありません。正しい対策を知っているかどうかの違いは大きいのです。
原因3:運動不足(柔軟性と体幹筋力の低下)
ストレッチや筋トレなど、体を動かすことが少ないと腰痛を繰り返しやすくなります。
特に重要なのが腰まわりの柔軟性です。前屈や後屈がしにくい状態だと、腰を動かすたびに小さな負荷が加わり、それが積み重なって、ある日突然腰痛として現れることが考えられます。さらに、体幹の筋力が弱いと腰を支えきれず、これも腰痛の原因になります。
つまり、繰り返す腰痛の背景には「柔軟性の低下」と「体幹筋力の低下」があると考えられるのです。逆に言えば、腰まわりの柔軟性を保ち、体幹の筋力を維持しておくことは、繰り返す腰痛への対策として非常に効果的だと言えます。日常的に、少しずつでもストレッチや筋トレを行っておきましょう。具体的な方法は腰痛ストレッチのやり方6選で紹介しています。
繰り返す腰痛の体験談
実際にあった患者さんのお話を、要旨を保って紹介します。
この方は35歳を過ぎた頃、朝起きたら突然腰が痛くなり、そこから腰痛に悩むようになりました。仕事はかがんだ姿勢が多く、仕事中は少し腰が痛い程度で、仕事が終わると痛みを感じなかったため、気にしていなかったそうです。
しかしある日の朝、目が覚めると寝返りも起き上がることもできない状態に。ハイハイがやっとで仕事にも行けず、2〜3日休んで少し動けるようになってから、足を引きずりながら病院へ行きました。診断は「特に異常なし」。鎮痛薬の注射と薬をもらって帰るしかなく、内心「え、マジで」と思ったそうですが、薬を飲み続けるうちに歩けるようになり、仕事にも復帰できました。
ただ、かがんだ姿勢の多い仕事内容は変わらず、「また激痛が来るのでは」という不安があったとのこと。そこで「このままではまずい」と、ネットで調べた腰に良い体操やストレッチを始めたところ、腰の痛みが少しずつ落ち着いていきました。
その後「今やっているストレッチや運動が正しいのか不安」ということで私のところに来られましたが、その頃には腰痛はある程度治まっており、ご自身で腰痛を管理できたケースと言えるでしょう。もし何も対策をしないままだったら、腰痛を繰り返していた可能性は高いと思います。この方は1年以上経った現在も、時々腰が痛くなっても数時間で落ち着く程度で、順調な経過をたどっています。
よくある質問
Q1. 腰痛を繰り返すのは体質だから仕方ないのでしょうか?
体質だけの問題ではありません。姿勢・生活習慣・運動不足・ストレスといった見直せる原因が関わっていることが多く、対策によって繰り返す頻度を減らせることが期待できます。
Q2. 病院で「異常なし」と言われたのに痛みを繰り返します。どうすればいいですか?
画像検査で異常がなくても、日常の姿勢や動作、柔軟性・筋力の低下、ストレスが痛みに関わっている場合があります。生活習慣の見直しや運動から取り組みつつ、痛みが続く場合は再度医療機関に相談してください。
Q3. 繰り返す腰痛を予防するには何から始めればいいですか?
まずは普段の姿勢を意識すること、そして無理のない範囲でストレッチや体幹の運動を習慣にすることをおすすめします。予防の考え方は腰痛の予防方法・3つの条件で詳しく解説しています。
まとめ
腰痛を繰り返す代表的な原因は、次の3つです。
- ストレス
- 腰に負担をかけ過ぎる生活習慣
- 運動不足(柔軟性・体幹筋力の低下)
そして根本には、日常の何気ない姿勢や動作があります。「まだ若いから大丈夫」と考えてしまうかもしれませんが、腰痛は年齢に関係なく誰にでも起こり得る症状です。すでに腰痛のある人はもちろん、今は痛みのない人も、これから腰痛にならないように予防することが何よりも大切だと言えるでしょう。
普段から正しい姿勢を意識し、腰に負担をかけない生活を心がけることで、腰痛を繰り返すリスクを減らしていきましょう。疲れの蓄積も腰痛の一因になるので、疲れと腰痛の関係もあわせて参考にしてみてください。
今回のお話が、腰痛を繰り返しているあなたの力になれば嬉しく思います。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療の代わりになるものではありません。症状が続く場合や強い痛み・しびれがある場合は、整形外科など医療機関を受診してください。


