こんにちわ。
腰痛治療家で理学療法士の平林です。
脊柱管狭窄症は加齢とともに起こることが多い、腰が原因となる疾患(症状)です。
その症状として特徴的なものに、長時間連続して歩くことができない、間欠性跛行(かんけつせいはこう)というのがあります。
今回は、脊柱管狭窄症と間欠性発行を中心として記事にしました。
◎ 脊柱管狭窄でも歩ける。人もいるという事が知れて、自信に繋がる
◎ 脊柱管狭窄症で気を付ける注意点がわかる
といったメリットがあります。
脊柱管狭窄症と診断を受けて、長時間歩くのが辛い。
というあなたの役に立つ内容です。
是非、読んで欲しいです。
では、本日もよろしくお願いいたします。
脊柱管狭窄症は長時間歩くのが辛くなる
脊柱管狭窄症の主な症状に、歩行障害やしびれがあります。
まず、これらの症状について説明していきます。
間欠性跛行(かんけつせいはこう)ってなに?
体の痛みや不調がなければ、連続して歩けますよね。
年齢や体力などによって異なりますが、健康な成人であれば数キロメートル以上歩けるでしょう。
ところが、脊柱管狭窄症を発症すると、連続して長い距離を歩行することが難しくなる場合があるんです。
これが脊柱管狭窄症の特徴である、【間欠性跛行(かんけつせいはこう)】と言います。
この疾患では、連続して歩くことのできる距離は、数十メートルから数百メートルと幅があり、それぞれの症状や状況によって異なります。
このように連続歩行距離が短くなりますが、途中で休憩(腰かけるなど)すると再度歩行可能となります。
間欠的に歩行が可能な状態であるため、間欠性跛行(かんけつせいはこう)と呼ばれるのです。
跛行とは、一般的に異常な歩行の事を意味します。
間欠性跛行は、今回お伝えする脊柱管狭窄症(神経性)によるものが多いですが、動脈硬化による循環障害(血管性)によっても起こります。
動脈硬化が原因の場合、足の皮膚温の低下や、足背(足の甲の部分)で動脈の拍動が触れないなどの症状が出現します。
脊柱管狭窄症は前傾姿勢になると楽になるなど、姿勢によって症状が変わる特徴がありますので、比較的判断はしやすいと思います。
これらの疾患は、病院を受診すると、MRIなどの検査を行うことで、通常比較的容易に診断されます。
連続して長い距離の歩行が難しいと感じてきたら、早めに診察を受けてみるのがいいでしょう。
まず整形外科で診察を受けてみてください。
脊柱管狭窄症でないと判断された場合は、血管性である、動脈硬化の可能性が高いといえるでしょう。
腰と足裏全体にしびれを感じる場合が多い
腰部脊柱管狭窄症は、脊髄(馬尾神経:ばびしんけい)や、そこから枝分かれした神経を圧迫しますので、しびれなどの神経症状が現れます。(馬尾神経とは、下肢へ流れている神経の事で神経に異常が生じるとしびれや痛いを引き起こしてしまう)
よく「坐骨神経痛」などと呼ばれますが、腰椎などから出た神経が圧迫などを受けると、しびれや痛みの症状が出現します。
腰椎の椎間板ヘルニアも、脊柱管狭窄症と同じような坐骨神経症状を呈しますので、症状だけでは、区別がつきにくいこともあります。
また、椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症を同時に併発していることもあります。
脊柱管狭窄症の症状としては、腰や足の裏などのしびれが典型的な例となります。
しびれの生じる場所や程度は、腰のどのあたりで神経が圧迫されているのか?
どの程度の強さで圧迫されているのか?などの条件によっても異なります。
脊柱管の狭窄が軽症の場合は時々起こる症状も、重度になれば,常時感じるようになります。
以前より長距離歩くのが難しくなって、さらに足にしびれを感じる場合は、脊柱管狭窄症を生じている可能性があると考えましょう。
脊柱には可動性がありますので、曲げ伸ばしの際に脊髄や神経を圧迫しないような、余裕を持った構造になっています。
したがって、少々脊柱管が狭くなっても、すぐに神経の症状は出ないこともあります。
症状に気づいたときには、かなり脊柱管が狭くなっていることもあるでしょう。
こうなると、神経の逃げ場がなくなり、急に症状が出てくることがあります。
障害(後遺症)を少なくするためには早めに対策を行うことが必要です。
症状に気づいたら、すぐに受診しましょう。
脊柱管狭窄症で気を付けるべきポイント
脊柱管狭窄症における注意点には以下のようなものがあります。
【腰への負担が過度にならないようにする】
生きていく上では、腰への負担をゼロにすることはできません。
しかし、意識することで腰への負担を少なくすることは可能です。
腰への過度の負担は、腰部組織の損傷や変性などを進行させる要因となります。
腰への負担が大きい生活を繰り返すと、それによって脊柱管の狭窄を進行させてしまう可能性があるのです。
中腰での作業を減らしたり、姿勢に留意したりすることで腰部への負担を少なくするように心がけましょう。
【姿勢に留意する】
一般的には、良い姿勢を保持することで腰への負担が小さくなるといわれています。
したがって、脊柱管狭窄症などの症状が出ていない健康な状態では、背筋を伸ばした姿勢を意識するとよいでしょう。
ところが、脊柱管狭窄症の症状がすでに出現している場合、必ずしも一般的な良い姿勢が望ましいとは言えません。
背筋を伸ばすことで、神経への圧迫を強くしてしまうことがあります。
脊柱管狭窄症では前かがみになると症状が和らぐ。と教科書的には言われています。
しかし、必ずしも前かがみになると症状が和らぐとは言えません。
実際には、前かがみにならない方が症状がやわらぐ。
という人もいます。
なので、腰を前かがみにして症状が和らぐなら、前かがみにするべきですし。
前かがみにしない方が症状が和らぐのであれば、体を起こしましょう。
という事が言えます。
また、立位や歩行時に前かがみになると、腰椎への負担が上昇します。
この場合もあなたが楽になる方の姿勢を選択するべきだと思います。
一つの方法として、歩行器やシルバーカーなどの歩行補助具を利用して、上半身の重量を分散させ、腰椎への負担を軽くしてあげましょう。
この方法で、歩行距離を伸ばせる可能性が高くなります。
歩行時以外、例えば椅子に腰かけている、畳の上に座っているなどの時は、同じ姿勢を長時間続けないように注意します。
しびれが強くなる姿勢は、神経を圧迫していると考えられますので、姿勢を変えて、しびれなどの症状が少なくなるように心がけると良いでしょう。
【適度な運動をする】
歩行障害などを生じると、運動量が減少してしまいます。
運動の機会が減少すれば、筋力低下などを生じて、腰にとってはマイナス要因を増やしてしまいます。
腰部に負担をかけない運動を日常生活に取り入れて、筋力低下の予防や柔軟性の維持・獲得をしましょう。
自宅で、時間に余裕があるときやくつろいでいる時にストレッチをしたり、軽く筋トレをする程度でいいでしょう。
負荷が少なくてもちりも積もれば、長い目で見た時に効果は大きなものに変わっています。
ですので、是非、自宅での軽いストレッチや筋トレを行ってほしいと思います。
脊柱管狭窄症でも長時間歩ける場合もある
脊柱管が狭窄する原因には、骨の変形、椎間板の突出、靭帯の肥厚などいくつかあります。
また、それによる脊柱管の狭窄の程度は様々です。
狭窄によって、わずかな症状が出ている場合や、自覚症状がない場合もあります。
なので、日常生活で歩行する距離であれば歩くことができることもあります。
距離がかなり長く(例えば数キロメートル)すれば、歩けないことに気づくでしょう。
しかし、普通の生活ではここまで長距離を歩くことはほとんどないので、症状に気づきづらいのです。
したがって、日常の生活で長時間歩くことができても、実は少しずつ狭窄が進行していることもあります。
脊柱管狭窄症の可能性については日ごろから注意しておきましょう。
まとめ
今回は脊柱管狭窄症と歩行についてお伝えしました。
脊柱管が狭くなって神経を圧迫するようになると、間欠性跛行という脊柱管狭窄症に特徴的な症状を生じます。
これは歩行障害の一種で、長い距離連続して歩けないが、休憩するとまた歩けるようになる。というものです。
また、歩行障害以外に、足のしびれなどを生じることもあります。
脊柱管狭窄症による症状は、姿勢によっても影響を受けますので、症状が軽くなる姿勢を保つ工夫も必要です。
脊柱管狭窄症に対しては、日常生活上での腰への負担軽減や、姿勢に対する注意、適切な運動などの取り組みを行うとよいでしょう。
脊柱管狭窄症は放置しておくと、症状が悪化・進行する危険性もありますので、症状に気づいたら早めに診察を受け、対策を行うことが重要です。
今回の記事もあなたの役に立てば幸いです。
本日も最後までありがとうございました。