こんにちわ。
腰痛治療家で理学療法士の平林です。
腰痛の治療法には数多くの種類があって、どの方法を行えばよいのか分からず悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
というか、腰痛を治す方法をさがして治療を受ける人は滅多にいませんよね。
だいたい、近くの接骨院や整形外科に行って、治療を受けてみる。
という人が多いのではないでしょうか。
その中で、治る人もいれば治らない人もいて。
で、治らない人が、治す為に腰痛の治療方法を探す。
という流れでしょう。
なので、
今回はそんな方のためにおすすめの腰痛治療の方法をご紹介します。
腰痛をを治す4つの方法を紹介していくのと共に。
- どんな治療でも治る可能性は高い
- 自分自身に適した方法をみつけよう
といった2つの考え方も交えて話しています。
この記事を読んでえられるメリットは。
○ 腰痛に負けない考え方が身につく
○ 腰痛を治す為に必要なマインドが身につく
といった事だと思います。
是非、最後までよんで欲しいです。
では、本日もよろしくお願いいたします。
1 腰痛を治す4つの方法
では、
- マッケンジー法
- 朝に30秒の正座をする
- これだけ体操
- 痛みナビ体操
の4つを紹介していきます。
1-1 マッケンジー法
マッケンジー法とは、ニュージーランドの理学療法士ロビン・マッケンジーによって1950年代に考案された施術法です。
腰痛治療の代名詞的存在で、世界中で活用されています。
マッケンジー法の全てをここでご紹介することはできませんので、代表的な方法をご紹介します。
腰を伸展する(反らせる)方法がその代表的な例となります。
※マッケンジー法の参考にして頂けたらと思います。(下記:方法c)
【方法】
a:最初は伏臥位(腹ばい)から開始します。
この姿勢が辛い場合は、お腹の下側にクッションなどを置いて調整してください。
5分程度を最終目標に行います。
無理をする必要はありませんので、短時間から徐々に時間を伸ばしてください。
b:伏臥位が楽にできるようになったら、次の段階に進みます。
両肘を立てて少し腰を反らした姿勢(パピーポジション)をとります。
背筋に力が入らないように、両肘および前腕で体重を支えてください。
時間は5分間を目標に行いますが、短時間から行ってみてください。
この姿勢で足にしびれや痛みが出る時は中止してください。
c:肘立て位が楽にできるようになったら、肘を伸ばして腰を反らせて、両手で上半身を支えます。
d:と同様に、背筋に力が入らないように両手でしっかりと支えてください。
足にしびれや痛みが出る場合は中止してください。
この運動は5分間継続するのではなく、腕立て伏せのように10回行います。
最初は弱めに反らし、最後の2~3回で最大限に反らすようにしてみてください。
途中辛いようであれば、無理に10回行う必要はありません。
1-2 朝に30秒の正座をする
この方法は整骨院院長「金聖一」氏の考案したものです。
書籍化されていますので、本を見ながら試すこともできます。
「正座だけで?」と疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこの正座は理に適った方法です。
脊柱の理想的な形では、腰椎部分は前方へ凸の形状(生理的前弯)です。
ところが、
膝を立てて床に座ったりすると骨盤が後ろに倒れ腰椎の前弯がなくなり背中が丸くなった姿勢となります。
椅子に腰かける際にも、意識しないと骨盤が後ろへ倒れがちとなります。
この状態が長時間続くと、椎間板の前方に荷重がかかり、障害を引き起こすことがあります。
正座の姿勢を見てみると骨盤が後ろへ倒れず、生理的な腰椎の前弯が得られています。
日頃背中が丸くなりがちな人で、腰痛持ちの人にとっては効果の期待できる方法です。
また、
正座によって下腿(ふくらはぎ)を圧迫し、血液循環を改善する狙いもあるようです。
朝の正座だけでなく、仕事中など正座の姿勢(腰椎の前弯)を時々意識すると、さらに効果的でしょう。
1-3 これだけ体操
「これだけ体操」は、東京大学医学部附属病院22世紀医療センター運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座の松平浩特任教授が考案した体操です。
教授は腰痛の研究等を行っていますが、「心的ストレスと腰痛の関係」の研究には興味深いものがあります。
さて、教授は椎間板の中の髄核(ずいかく)のずれに焦点を置き、このずれを正常な位置に戻すことをイメージしてシンプルな体操を考案しています。
根本的な部分は、先にご紹介したマッケンジー法の考え方が基になっているようです。
この体操には腰を反らせる方法など3通りの方法があって、その中から自分に合ったものを選択して行うという点がポイントです。
この選択が一番難しいところでしょうか。
間違った選択をすると、最悪の場合逆効果となってしまいます。
症状の出方を確認しながら、最も適したものを選択するようにしてください。
① 腰を反らせる体操
当てはまる方が一番多いと予想される体操です。
前かがみの姿勢が続く方や、重量物を扱う方などは椎間板の前方に力がかかり、髄核が後方へ移動する傾向となります。
これが進行すると腰椎椎間板ヘルニアの原因となります。
髄核が椎間板(後方)を突き破る前に、前方へ戻してやろうという考え方です。
マッケンジー法の腰椎伸展を立位で行う方法と基本的には同じです。
立位で行うためどこでもできます。
髄核が椎間板から飛び出す前に行うことが重要です。
② 腰を横に曲げる方法
髄核が側方にずれている場合に行う方法です。
髄核が斜め後方などにずれることがありますから、①の腰を反らす体操と併用しても良いでしょう。
腰椎の側屈の可動性を改善し、左右差をなくす効果もあります。
③ 腰をかがめる体操
いわゆる「反り腰」の状態が長く続く方におすすめの方法です。
反り腰は、ヒールの高い靴を履いて立ち仕事をする女性などに見られます。
腰椎が過度に前弯(前が凸)すると椎間板の後方にストレスがかかりますので、時々体を前に曲げて椎間板の前方に力がかかるようにしてあげましょう。
以上3通りの方法から、自分に適したものを行ってください。
体操を行っているときに足にしびれや痛みが走る場合は、椎間板ヘルニアなどによる坐骨神経障害を生じている可能性がありますので、整形外科での受診をおすすめします。
1-4 痛みナビ体操
御茶ノ水整形外科機能リハビリテーションクリニック「銅冶 英雄」院長が考案した体操です。
痛みのタイプに応じた体操を選択して行います。主に脊柱管狭窄症などによる腰痛を考慮して作られています。
書籍も販売されていますので、見ながら体操をすることができます。
① 前屈改善型
前屈して改善するタイプの体操(壁おじぎ体操)です。
脊柱管狭窄症ではこの体操で改善することが多いです。
壁に背中とお尻を付けた立位から、お尻は壁から離さないようにしながら背中を曲げていきます。
この時股関節が曲がらないように注意します。曲げた位置で2~3秒保持して立位に戻します。
10回程度行います。
これを1日5~6回行います。
② 後屈改善型
後屈して改善するタイプの体操(壁反らし体操)です。
腰椎すべり症では有効な場合があります。
壁に両手をついて立ち、肘、膝が曲がらないように注意しながら腰を前方に突き出して背中を反らせます。
反らした位置で2~3秒保持して立位に戻します。
10回程度行います。
これを1日5~6回行います。
③ 側屈改善型
側屈して改善するタイプの体操(お尻ずらし)です。
どちらかに側屈して楽な方があるなど、左右差がある場合に行うと良いでしょう。
壁に片側の肘をついて立ち、両肩のラインをできるだけ水平に保ちながら、腰をずらすように壁側に移動します。
側屈した位置で2~3秒保持して立位に戻します。
10回程度行います。
これを1日5~6回行います。
左右どちらの方向で症状が改善するか試しながら行ってみてください。
どれが良くて、どれが悪い。
というのもありません。
どれをとっても、あなたの症状は軽減・治る可能性はあるでしょう。
その中で、
ただ、私個人的な意見を言わせていただくと、マッケンジー法が一番良いと思っています。
というのも、
僕がマッケンジー法の認定資格者であるのと、マッケンジー法を中心に今までも施術してきたからという理由があります。
あとは、
これだけ体操と痛みナビ体操は、ほぼマッケンジー法の応用であったり、マッケンジー法を言い換えているだけの方法だからです。まず、
【これだけ体操】においては、マッケンジー法を伝わりやすく、言い換えただけであり。
治療の流れや方法もほぼマッケンジー法と一緒です。
(もしかしたら、少し、マッケンジー法とは違うエッセンスが取り入れられているかもしれませんが・・・)で、あとは、松平医師もマッケンジー法の認定資格者です。私も勉強会でご一緒した事がありますが。
このマッケンジー法の有効性に気付かれたので、それを世に広げる為に【これだけ体操】というようにキャッチな言葉に言い換えたのでしょう。
でも、これはこれで、良いと思うのです。
これだけ体操で、腰痛で苦しんでいる方が減る。
のであれば、それは喜ばしいことだと思いますし。
次に、痛みナビ体操です。
これも実はマッケンジー法とほぼ一緒です。
というのも、御茶ノ水整形外科の院長である、銅谷医師も元々はマッケンジー法の認定資格者です。
ほぼマッケンジー法の方法を応用して、それを痛みナビ体操として、世の中に広めている。
という事が言えるでしょう。
僕も元々、御茶ノ水整形外科で働いていた時もありますが。
マッケンジー法で治療をしていました。
そこから、
銅谷医師のエッセンスを加えて、マッケンジー法をオリジナルにして、【痛みナビ体操】というネーミングにした。
という流れがあるのです。
で、これもこれで、僕個人的には良いと思うのです。
だって、
痛みナビ体操によって、腰痛が改善した、軽減した。
という人が増えればそれだけでいいじゃないですか!!!
世の中に腰痛で苦しむ人が減って、仕事も休まなくて済むし、あそびに行く事もできれば。
それだけでQOLはあがりますよね。
腰痛で動けなかったのがうごけるようになる事は素晴らしいことだと思うんです。
だから、
どんな方法でも、あなたの腰痛が治ればいい。
と本気で思っています。
こういう流れがある中で、僕が唯一おススメできる方法がマッケンジー法である。
というお話なだけなのです。
だって、
マッケンジー法をあえてオリジナルにする必要もないし。
純粋にマッケンジー法の仕組みにそって施術している方が、多くの結果を残せる。
と実感しているからです。
あとは、世界的にもこのマッケンジー法が使用されていて。
世界的にも効果の高い方法ですよ。
と立証もされています。
なので、
○【腰痛を治すなら、マッケンジー法だよね。】
○【エグイ程、腰痛が治るのを実感できますよ。】
と言いたいのです。
だから、
純粋にマッケンジー法で施術している施設や認定者の治療を受けるのがいいのではないでしょうか。
と強くおススメしたい。
という個人的な想いです。
(でも、残念ながら、腰痛を100%、絶対に治しますよ。という保証はできないのが医療や治療の世界なので、この点は理解していただきたいなと思います。)
で、比較的多くの方の腰痛を治してきた自信があるのと、結果的に良くなってる方が多いのです。
マッケンジー法は、腰痛の自己管理ができるようになれる方法です。
あなたの腰痛を自己管理できるようにマッケンジー法の認定資格者がサポートしてくれます。
参考にしてみてください。
2 どんな治療でも治る可能性は高い
病院での治療を始め、世の中には腰痛の治療法が沢山あります。
それゆえに治療法の選択に悩む場合もあるでしょう。
しかし、
紹介されている治療法のほとんどが実績のある方法です。
長年の腰痛治療の経験から得られた方法、自分自身を実験台にして考案した方法、研究によって得られた方法など、プロセスに違いはありますが、どの方法も腰痛に効果があったことは間違いないと思います。
なので、
そのような理由から、どのような方法を行ったとしても腰痛に対する治療効果が得られる可能性があると言えるのです。
3 自分自身に適した方法をみつけよう
世に紹介されている治療法は実績もあり、効果を認めらているものばかりですが。
100%すべての人に対して効くというわけではありません。
例えば、
「10,000人の腰痛が治った!!驚きの方法!!」と聞くと、すごく効果が高い治療法というイメージがわきますが、10,000人の陰には10,000人の治らなかった人が隠されているかもしれません。
病気の原因が分かっていて、それに対する治療法が確立されているものの場合、その治療法の効果は統計的にもきちんとした数値として表されます。
しかし、
そもそも原因が確定していない(今の医学では容易に診断が下せない)腰痛(病名ではありません)に対する明確な治療法は確立していませんから、治療効果の判定が難しいのです。
腰痛の原因は不明なことが多いですが、原因が無いのではなく。
原因は存在していて、しかも原因には様々なものがあると考えられています。
したがって同じ腰痛といえども、人それぞれ原因が違っていると考えられますから。
効果のある治療法も様々ということになります。
このような理由から、最終的には自分に適した方法を見つける必要があるということになります。
痛みは自覚的なもので、医師が外側からその程度を判断することはほぼできませんので、自分自身が治療法に対する効果を感じ取りながら、最善の方法を探し出す必要があるのです。
4 まとめ
今回は腰痛の治療法について、実例を挙げてご紹介しました。
腰痛の治療法には様々なものがありますが、全て経験や理論、実績などに基づいて考案された治療法です。
したがって、どの治療方法も効果があるのは事実です。
しかし、
腰痛は原因が分からない場合も多く、原因が様々なため、治療法の効果も様々です。
腰痛治療においては、自分に合った治療法を見つけていく作業が必要です。
1つの治療法だけで諦めずに、根気強く他の治療法も試していきながら、腰痛と付き合っていく心構えが必要でしょう。
また、
治療を行っていても、腰を酷使している場合などでは、治療の効果を感じにくい場合もありますので、腰への物理的なストレスを軽減する努力も忘れてはなりません。
あなたの腰痛が治る事を願っています。
では、本日も最後までありがとうございました。
ただし、
腰部に限局した軽い痛みであれば問題がないこともあります。
判断が難しい場合は、マッケンジー法の認定セラピストが配置されている病院などで、専門家の評価を受けることをおすすめします。
マッケンジー法は腰を反らす運動だけではありません。
反らす姿勢で症状が強くなる場合は、他の方法を採用して行います(屈曲する方法など)。