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腰痛に筋膜リリースは効果あるのか?考察してみた

腰痛に筋膜リリースの効果

こんにちわ。

腰痛治療家で理学療法士の平林です。

腰痛を治す一つの方法として、「筋膜リリース」という方法があります。

「筋膜リリース」とは、筋肉(筋膜)に対する治療手技であり、筋肉を包む膜の癒着などをはがして、正常な筋肉の動きを取り戻そうというものです。

筋膜にアプローチすることで、筋肉の柔軟性を改善し、肩こりや腰痛などの症状を改善できる場合があるのです。

この筋膜リリースで腰痛が良くなる。

という、ケースもいくつかあるのです。

そこで、今回は、【この筋膜リリースは腰痛に効果はあるのか?】というテーマで記事にしてみました。

この記事を読めば、

◎ 筋膜リリースについて理解できて、腰痛の治療に役立てる事ができる
◎ あなたの腰の痛みは筋膜リリースで良くなるかもしれない。

といった事がわかるでしょう。

是非、最後までよんで、筋膜リリースについて理解を深めてほしいと思います。

そして、あなたの腰の痛みが改善に繋がれば嬉しいです。

では、本日もよろしくお願いいたします。

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1 腰痛に筋膜リリースは効果あるの?

筋膜リリースは、腰痛に対して施術されることがあり、効果が得られることがありますが、全ての腰痛に対して効果があるわけではありません。

ここでは、効果がある場合と、効果が無い場合についてご紹介します。

1-1 効果があった人の話

まず、早速ですが、筋膜リリースで腰痛が治った人の話をしたいと思います。

筋膜リリースは、筋膜にアプローチする手技ですので、筋膜に原因がある腰痛に対しては効果を望めます。

いわゆる筋・筋膜性腰痛に対して、筋膜リリースを行えば、筋の柔軟性、血液の循環などが改善され、腰痛を改善させることが可能である。

という事です。

筋膜の問題は、長時間同じ姿勢を取っている、運動不足、加齢などの原因により筋膜が癒着するなどして生じます。

筋膜が癒着を起こすと、筋肉の柔軟性が低下し、また柔軟性が低下すれば、血液の循環が阻害されるなどして、腰痛の原因となることがあります。

筋膜リリースはこのような筋膜の問題を解決することが可能です。

したがって、筋膜の問題で腰痛を生じている人からは、施術によって腰痛が改善した。

という体験談を聞くことができるはずです。

1-2 効果がなかった人の話

腰痛の原因には様々なものがあります。

筋肉や筋膜によるものばかりではありません。

椎間板や椎間関節などに痛みの原因がある場合、筋膜に対するアプローチだけで改善させるのには無理があります。

筋膜リリースだけですべての腰痛を改善させることは、難しいと言えるでしょう。

したがって、筋膜以外の部分が原因で腰痛を起こしている人が、筋膜リリースを行っても、その人からは、明快に効果があったという言葉を聞くことができないでしょう。

ただし、椎間板などが痛みの主な原因となっていても、二次的に筋膜性の腰痛を併発していることもありますので、筋膜リリースによって腰痛が軽減する可能性はあるとも考えられます。

なので、一概に筋膜以外の腰痛だからといって、筋膜リリースは一切効果は望めない。

というように思い込まないでほしいと思います。

1-3 結論(効果がある場合が多いが、全員に効くわけではない)

結論として、筋膜リリースは効果が認められる場合が多いが、全ての腰痛を改善させることはできないということが出来ます。

腰痛の原因が、筋肉や筋膜にあるのかどうか、筋膜リリースの適応になるのかどうかについて評価し、適切に治療が行われれば、効果を望めるでしょう。

また、筋・筋膜以外に腰痛の原因がある場合は、筋膜リリースの他に、別の手技・治療法を併用することで、さらに効果を上げることができると思います。

筋膜リリース以外の手技についても同様に言えることですが、外部から施す方法(施術)のみで、腰痛を改善すること自体、限界があります。

日常生活上の姿勢が悪い、運動習慣がない、仕事で腰への強い負担を継続的に受けているなどの要因も大きく影響しているからです。

施術およびその他の日常的対策がセットで必要であるととらえていただくとよいでしょう。

2 そもそも筋膜リリースってなに?

では、そもそも、筋膜リリースってなんなのでしょうか?

以下に説明していきたいと思います。

2-1 筋膜リリースを説明する

一言で筋膜と言いますが、筋膜には、筋上膜、筋周膜、筋内膜などがあります。

一般的に筋膜と言えば、外側を包む筋上膜を示すことが多いようです。

筋膜は筋線維を包みこみ、筋肉を形作っています。

さらに筋肉が収縮するときは、組織同士の摩擦を軽減して、スムーズに運動ができるようにする役割も担っています。

この筋膜は、正常であれば筋肉の動きを制限しませんが、癒着などを起こすと筋膜が滑らなくなって、筋肉の柔軟性が低下してしまいます。

筋膜リリースは、このような筋膜の癒着などを引きはがすことで、本来の筋膜の機能を取り戻し、筋の柔軟性、組織の循環を改善させようとする手技です。

筋膜は広範囲に連結を持っていますので、ある部位の筋膜リリースを行うことで、離れた部位の症状が改善するなどの特徴を持っています。

出典:解剖学、医学書院

2-2 筋膜リリースの方法について

筋膜リリースは、手を使って行う、各種ツールを使って行うなど多くの方法があります。

また、セラピストによる施術だけでなく、自己(セルフ)筋膜リリースを行うことも可能です。

筋膜リリースは癒着・萎縮した筋膜を引きはがし、引き伸ばします。

通常のストレッチの手技でも、ある程度筋膜リリースの効果を得ることは可能でしょう。

しかし、ストレッチは、主に筋肉の走行に沿って引き伸ばす方法のため、全体的に引きのばすことが出来ません。

理想的にはすべての方向に筋膜を伸ばしたい(広げたい)わけです。

イメージ的には生地を麺棒で平らにして広げるのと似ています。

そこで、筋膜を広げるために麺棒のようなツールを用いると効果的に筋膜リリースを行うことが出来るようになります。

よく用いられるのはストレッチポールRです。

リリースを行いたい筋肉にセットして、麺棒で生地を広げる感じで筋膜を押し広げると良いでしょう。

出典:ストレッチポールR公式ブログより

ポールをゆっくりと転がしながら筋肉に圧力をかけて、こりや痛みを感じるポイントでロールを停止して、5秒ほど保持します。

その後またロールを再開し、別の部位に圧力をかけます。

ストレッチポールを直接腰椎の下に入れると、腰椎(骨)に直接力がかかってしまうので、避けましょう。

脊柱起立筋(背骨の両側にある筋肉)に行うときは硬めのボールなどをピンポイントで使用すると良いようです。

ストレッチポールを使って腰痛改善を狙う時は臀部の筋肉や、ハムストリングス(腿の裏側の筋群)、大腿前面の筋群に行ってみてください。

筋膜リリースは、腰痛などの痛みの改善だけでなく、スポーツの分野でも応用されています。

動的ストレッチ(ブラジル体操のようなもの)などの準備運動を行う前に筋膜リリースを行うことで、筋膜の動きをスムーズにしてケガの予防やパフォーマンスの改善に役立つと言われています。

3 理学療法士の考え

腰痛に臀部痛を伴っている場合や、そもそも腰痛ではなく臀部痛だったということもあるようです。

腰痛もちの方は、試しにお尻を人差し指と中指を使って押しながら探ってみてください。

押して痛い所、硬いところ(硬結:こうけつ)が見つかることがあります。

硬結は痛みの原因となりますので、この部分にアプローチしてあげると、腰痛が軽減することがあります。

このような硬結がある筋肉に対しては、筋膜リリースは有効と考えられます。

硬結付近にポールやボールを置いて圧力をかけると良いでしょう。

筋膜リリースは効果のある方法ですが、リリースするだけでなく根本的な部分の対策を行わないと、腰痛をくりかえしてしまいます。

姿勢の改善、適度な運動習慣、筋力・柔軟性の改善、ストレスの解消なども併せて行う必要があります。

一番のおすすめは、姿勢の調整です。

立位、座位、動作時を通して、腰椎の状態が、軽度前弯(軽く反った状態)に保持できるようになると、腰痛改善に効果があります。

骨盤が後ろに傾かないように(または前に倒れすぎないように)意識しましょう。

腰椎の姿勢

骨盤の前傾・後継

骨盤の傾きのイメージ

腰椎が軽度前弯の状態に維持できるようにすると、腰痛改善に効果あり。

4 まとめ

今回は腰痛に対する筋膜リリースについてお伝えしました。

筋膜リリースは筋肉を包む筋膜の癒着などを改善し、筋の柔軟性を回復させる手技です。

筋膜を正常化することで、腰痛の改善に効果を発揮します。

筋膜リリースは、腰痛への効果がありますが、痛みの原因が、筋肉や筋膜以外にある場合では、十分な効果を感じられないこともあります。

このような時は、他の方法も併せて行うと良いでしょう。

日常での良姿勢の保持も大切です。

腰痛は、姿勢の悪化、運動不足、ストレスなどによっても起こります。

筋膜リリースだけに頼るのではなく、根本的な腰痛対策も継続して行うようにしましょう。

今回の話もあなたに役に立てばうれしいです。

本日も最後までありがとうございました。

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