こんにちわ。
腰痛治療家で理学療法士の平林です。
椎間板ヘルニアはうつぶせで寝ると症状が楽になることが多いです。(あくまでも多いだけです。必ずという訳ではありません)
ヘルニアの症状が姿勢と関係しているからこそ、このようなことが起きるのです。
そこで、今回は【うつぶせ寝は椎間板ヘルニアに有効な事が多い】というテーマで記事にしました。
今回は、うつぶせを取る事が、どれだけ腰に良いのか?といった事が理解できるようにしています。
全ての人にうつ伏せが良いわけではありませんが、圧倒的に効果の高い方法なので知ってほしいと思います。
椎間板ヘルニアで困っているあなたの力になるでしょう。
では、本日もよろしくお願いいたします。
椎間板ヘルニアにはうつぶせが一番効果的である。という話
うつ伏せが良い理由を述べていきます。
なぜうつぶせがいいのか?理由を語る
うつ伏せは椎間板ヘルニアの原因を取り除く(解決させる)事ができる可能性が高いからです。
というのも、うつ伏せになる事で、神経を圧迫している髄核が、正常な位置に戻るように働きます。
そうなれば、髄核による神経の圧迫がなくなるので、ヘルニアの症状も取り除かれる事が多いからです。
では、これを理解するためには、まず、椎間板ヘルニアの構造を知っておく必要があるのですが、言葉で話すと難しくなるので、イラストにしました。
下記を参考にしてください。
つまり、腰は、腰椎とその間にある椎間板から構成されていて。
その形状は曲線を描いており、緩やかなカーブになっています。
これを生理的前弯といって、良い姿勢の理想的な形です。
で、姿勢が悪くなると、緩やかなカーブが無くなって、まっすぐ(もしくは、丸まる)になっています。
腰椎と腰椎に挟まれているのは椎間板といった、クッションの役割をしている物体です。
椎間板の中を覗いてみると、水分の多いゲル状の髄核(ずいかく:スライムのような感じのもの)を見ることができます。
椎間板はクッションの役割を果たしており。
髄核の周りを取り囲んでいるのは丈夫な線維輪です。
線維輪は簡単には壊れませんが、加齢による変性や度重なる物理的な負荷によって、亀裂を生じることがあります。
椎間板にできた亀裂から髄核が後方に移動したり、線維輪から飛び出したりしてしまうことがあります。
これが椎間板ヘルニアです。
この飛び出した髄核が神経を圧迫すると坐骨神経痛などの症状を引き起こすのです。
髄核が後方へ移動することで神経を圧迫してしまうのがヘルニアです。
これは、椎間板の前方に強い圧迫力が働いてしまう事で髄核が後方へ移動してしまうからです。
では、髄核を元の位置に戻せば、圧迫は取り除かれるのではないか?
といった疑問になるでしょう。
それが正解であって。
髄核を神経の圧迫から取り除く動作がうつ伏せになるのです。
うつぶせになると、腰は自然と反らしている状態になります。
重力によって、腰は床に向かって下がり、軽く反った状態となるのです。
つまり、腰が反らされる事で、自然と髄核が元の位置へ戻っていく。
という事が言えるのです。
したがって、うつぶせは椎間板ヘルニアに有効な姿勢である可能性が高いんです。
是非、覚えておいて欲しいです。
もちろん、全ての人にうつぶせが効果的であるわけではありません。
なので、そこは誤解しないようにしてください。
あくまでもうつ伏せで良くなる人が多い。
というだけのお話です。
しかし、うつぶせでも悪化する人もいるので注意しよう
椎間板ヘルニアに効果的なことが多いうつぶせですが、この姿勢で症状が悪化する人もいます。
無理に続けて行うと症状がさらに進行しますので注意が必要です。
全ての椎間板ヘルニアの人がうつぶせが効果的であるわけではない
うつぶせが椎間板ヘルニアに効果がある理由についてお伝えしましたが、すべての椎間板ヘルニアに有効なわけではありません。
髄核のヘルニアには様々な状態があって、例えば次のように髄核が完全に脱出してしまっている場合などでは効果が得られにくいと考えられます。
髄核が線維輪を突き破り、完全に外側に出てしまっているので戻りようがありませんね。
逆にうつぶせになることで、椎間板の中に残っている髄核をさらに外側に絞り出してしまうこともあるかもしれません。
このような場合ではうつぶせは逆効果となります。
このようなこともありますので、注意が必要ということになります。
うつぶせで椎間板ヘルニアが良くなる人が多いだけ。
最初から椎骨間の線維輪が大きく裂けて、髄核が脱出してしまうような重度の椎骨間ヘルニアもあるとは思います。
しかし、そうでない場合、初期は髄核が後方へ移動して椎間板が膨らむ膨隆型の状態です。
この初期の状態であれば腰椎の伸展(前弯)を促すことで、髄核を前方へ押し戻し、症状を軽減させることが望めます。
割合的にはこのような状態の人が多いため、うつぶせが効果的である確率が高くなっていると考えられるでしょう。
とは言っても、あなた自身が楽に感じる姿勢をみつける事が一番良い。
ヘルニアの状態は人それぞれです。
厳密には誰一人として同じではありません。
髄核がわずかに線維輪の外側に出ている場合などでは、うつぶせに効果があるかどうかはやってみないとわかりません。
なので、ぶっちゃけわかりません。
あなたに本当に効果的な姿勢は、試してみないとわからない。
というのが答えです。
最終的には試してみないと答えは出ないんです。
だって、うつぶせで調子が悪くなることも考えられるので、そのような場合は、違う姿勢を試すしかないでしょう。
いくつか試してみて。
その中で、あなたが最も楽に感じる姿勢が正解となります。
うつぶせに効果があるといっても、あなたには当てはまらないこともあります。
無理してうつぶせを続けないようにしてください。
足のしびれや痛みが強くなる場合は即中止です。
うつぶせで症状が悪化する場合は、反らせるのではなく曲げた方がよい場合もあります。
横向きで背中を丸くした姿勢で寝る方法もアリでしょう。
横向きでも調子が悪くなるようであれば、膝を立てた仰向けも試してみてください。
膝の下にクッションや丸めたタオルケットなどを入れると、楽に姿勢を保持できます。
なんにせよ、結局はあなた自身が楽だと思える姿勢が正解です。
という事です。
あくまでもうつ伏せは。良くなる割合が多いよ。
というだけのお話なのです。
この辺を理解して欲しいなと思います。
治療者の凝り固まって考えは悪になる
これは、実際の椎骨間ヘルニアの治療での出来事です。
腰椎の椎間板ヘルニアと診断され、治療のために体操をしている方がいらっしゃいました。
ところが症状は改善せず、逆に悪化したそうです。
そこで、病院を変えたところ、今までやっていた体操が逆効果だということが判明しました。
腰痛や椎間板ヘルニアの治療においては、このようなことが起こることがあります。
先ほどお伝えしたように、確率的には腰椎伸展方向(腰を反らせる事)で症状が軽減することが多いため、これを採用することが多いです。
十分な評価と治療に対するフォローが不十分だと、逆効果の運動を続けてしまうことがあるんです。
というのも、治療者側に凝り固まった手技や考え方に固執していて、柔軟な対応ができない場合も同様です。
(腰痛を治す為には必ずこの方法だ!!みたいな決めつけの治療みたいなやつ)
治療者は、治療(運動)に対する効果を見極めて、症状が悪化する場合はすぐに中止し、別の方策を練らなければなりません。
なので、本人も柔軟であることが望ましいです。
「この方法で治るはずだ」という考えは捨てましょう。
誰かが「この方法は効くから続けた方がいい」というアドバイスも忘れた方が良いでしょう。
正解はあなたの身体だけが知っています。
症状が軽くなるあなただけの方法を行ってください。
うつぶせ寝や腰痛体操など、自分で行う治療法は、あなたが患者であり治療者となります。
自分の症状について細かく評価する必要があります。
- 痛みが強くなっていないか
- しびれが出ていないか
- 感覚の鈍いところが増えていないか
- つま先の上がり具合(足の筋力)はどうか
などを定期的にチェックすることが大切です。
変化に気づいたら医師に報告することも、良い治療結果に結びつきます。評価と治療を同時に継続して行っていただければと思います。
まとめ
椎間板ヘルニアの症状は、寝るときの姿勢によって軽減されることがあります。
一番おすすめの姿勢はうつぶせです。
確率的にうつ伏せで良くなる事の方が多いからです。
というのも、うつぶせになることで腰椎部分の緩やかなカーブが改善され、髄核による神経への圧迫が軽減するからです。
しかし、すべての椎間板ヘルニアに対して確実な効果があるわけではありません。
場合によってはうつぶせが逆効果になることもあります。
したがって、まず試してみて効果を確認する必要があります。
これは忘れないでください。
試してみて効果が無ければ(悪化するようであれば)、違う姿勢を試してみましょう。
椎間板ヘルニアの状態は人それぞれです。
最も自分に適した、楽な姿勢を見つけることが最良の方法となります。
是非、この事を頭に入れつつ、椎間板ヘルニアの改善につなげて欲しいと思います。
本日も最後までありがとうございました。