こんにちわ。
腰痛治療家で理学療法士の平林です。
椎間板ヘルニアの治療において、安静は悪化招いて、逆効果となることがあります。
今回の記事では、
安静がデメリットになる理由や、安静が必要になる場合について解説します。
あなたは、腰が痛い時は安静にするのが一番である。
って思っていませんでしたか?
実は、これは、間違いであって。
安静にするのが良いというのは、思い込みなのです。
逆に安静にする事で、腰痛の悪化を招いてしまう危険が高いのです。
知ってましたか?
どうでしょうか?
信じられますか?
という事で。
- ヘルニアで安静は悪くなるだけ
- ヘルニアの時に安静にした方が良いと言われているのはなぜか?
- ヘルニアも適切な対処によって、改善・軽減できる
といった3つの項目を織り交ぜて話していきます。
この記事を最後まで読んで。
【ヘルニアは安静にする事で、悪化を招く可能性が高いことが理解できると思います。】
是非、最後まで読んでヘルニアの改善につなげて欲しいと思います。
では、
本日もよろしくお願いいたします。
1 ヘルニアで安静は悪くなるだけ。という話。
安静にすることは、腰痛すべてにおいて、悪化を招く可能性があります。
安静にするのがダメではないのですが、安静になりすぎる事が危険なのです。
というのも、
動けないくらい痛い場合は、もちろん安静にするのが良いのは当然です。
この事を頭にいれておきつつ。
これより、 お伝えしていきたいと思います。
1-1 安静は過度に悪化を招く
安静は腰部に負担をかけない効果はありますが、積極的に症状を軽減させて、社会復帰する方法ではありません。
むしろ、
筋力や身体機能の低下、姿勢の悪化などを招きます。
また、
精神的にやる気の低下につながり。
最終的にデメリットとなることがあるのです。
なので、
椎間板ヘルニアは、長く安静にしていれば予後が良くなる。
という性質の物ではないことを理解して欲しいのです。
安静は一時的に、楽になって、良くなった。
と感じる可能性は高いですが、二次的や長期的に考えると、悪化の要素が大きくなってしまう可能性が言えるのです。
このことを覚えておいてほしいと思います。
1-2 できるだけ動く方が治りが早い
次に、 「できるだけ」というのがポイントです。
【できるだけ 動きましょう】
という事です。
発症後早期においては、運動というよりは、日常生活において、普通に動けることは動きましょう。
そして、
身の回りの動作を始め、少し痛くても我慢できる程度あれば、動いた方が良いよ。
という事です。
また、
腰が痛い時には、ちょっとした動作でも嫌になりますよね。
でも、
そういう時にこそ、我慢できる程度の痛みであれば、ちょっとだけ我慢して動きましょう。
という事なのです。
もちろん、我慢するのも辛い。
少しだけの我慢もできない場合は、無理をする事なく。
動かないで安静にしましょう。
私が伝えたいのは、
【ちょっと我慢できる痛みであれば、動きましょう】
って事です。
なので、
そうして、動く事に慣れて、痛みの悪化を防ぎましょう。
という目的です。
したがって、
強い痛みを我慢して行う必要はないのです。
1-3 コルセットは装着するべきか?
痛みが無いか、または少ない状態でできる運動を開始して。
できるだけ早く日常生活を自立させていくと、スムーズな社会復帰が可能となります。
動くことに不安がある場合、コルセット(腰ベルト)が役立つことあるでしょう。
コルセットは、椎間板ヘルニア治療に必須のものではありませんが、装着することで不安感が減り、動作が行いやすくなるなどの効果を発揮することがあります。
ドラッグストアなどでも市販品を購入することができますし。
通院している場合は、医師から処方を受けることも可能です。
装着する際はしっかりと締めることがポイントとなりますが、動かないときまで装着する必要はありません。
必要なタイミングで利用すると良いでしょう。
このように、装着する、しない。
といった使い分けを上手にできるといいと思います。
1-4 動き始めは軽いストレッチをすると良い。
動き始めに、軽くストレッチをしましょう。
時間があれば、このような対策や予防をするのがbestです。
というのも。
- 歩き始めに痛みを感じる
- 起き上がろうとした瞬間
- 寝返りをしようとした瞬間
- 立ち上がろうとした瞬間
など。
なにかと、動作の始めに痛みを感じる人が圧倒的に多いです。
この理由として。
動かしていなかった筋肉や関節を、動こうとして(立つ、歩く、寝返る、などの動作において)急激に、その筋肉や関節を使うので。
その筋肉や関節に急激な負担が加わってしまった。
という事が考えられます。
なので、
動作の前に軽くストレッチなどをして、筋肉や関節を動かして置く事で。
その動き始めの痛みは生じないと言えるのです。
では、
ストレッチの例をいくつか挙げておきます。
- 両手で膝を抱えて胸に引き寄せるストレッチ
- 片足の膝を曲げて反対側に倒すストレッチ
などを行ってみましょう。
痛みが強くなる場合は無理せず中止してください。
2 ヘルニアの時に安静にした方が良いと言われているのはなぜか?
これは、ヘルニアに限った話ではありませんが。
腰の痛みが辛いのであれば、動かず安静にして、痛みが無くなるのを待ちましょう。
という意味合いが強いのかなあと思います。
もちろん、
医学的な根拠としては、突然椎間板に亀裂が入り、椎間板内部の髄核が突出してしまうなど。
急激な発症(ぎっくり腰様)の場合、無理に動いてしまうと、損傷部位の悪化やヘルニアの悪化を引き起こしてしまう恐れがあります。
的確な診断を受けず、無理に動くことは危険を伴うことがありますので、検査・診断を受けるまでは安静にした方が無難である。
といった考えもできます。
完全に安静がダメでいけない。
というわけではないので。
このように考えて頂くのもいいかなぁと思います。
2-1 もちろん、痛みがつよければ安静はアリ
徐々に症状が強くなる椎間板ヘルニアもありますが、突然の激痛(腰痛)を伴って発症することもあります。
このように急な腰痛を発症するものは、「ぎっくり腰」などと呼ばれますが、痛みが強いために歩けなくなることもあります。
ぎっくり腰など、一般的な腰痛の8割りは原因不明と言われています。
その中で、精密な検査を行うと椎間板に細かな亀裂が入っていることがあります。
さらに、
この亀裂が大きければ、内部の髄核が飛び出して激痛を伴うこともありえます。
このような場合、そもそも動くことができないこともあり。
しばらく楽な姿勢で安静にしておいても問題ありません。
痛みの強い時期は、消炎鎮痛剤などを用いて疼痛コントロールを行って、痛みが減少してきたら徐々に体を動かし始めると良いでしょう。
で、この時に、大切なのが。
薬などの疼痛コントロールを行っても、一生それに頼らない事です。
薬に依存しないようにしてほしいとおもいます。
2-2 安静にする場合の目安の期間は?
激しい腰痛を伴って発症した場合でも、だいたい、初期の激痛は2~3日で治まる人が多いかなと思います。(もちろん、全員がそうではないので、1週間以上続いてしまう場合もあります。)
したがって、
安静期間は、患部の状態によって、
また、医師の考えによって異なる場合もありますが、2~3日を目安とすると良いでしょう。
2~3日は短期間に感じますが、この間にも筋力低下等を生じます。
安静臥床を開始すると、初期には1日当たり1~3%筋力低下する。
と言われているので。
3日の安静でも最大約10%低下することもあります。
この場合、本当に1日をベッドで過ごして、起き上がるのも1日に2、3回程度などのほぼ介護状態の時の値です。
→ よって、トイレに起きる、家でくつろぐなど。
日常生活を送る程度の体を動かしていれば、急激に筋力が落ちる事はありません。
この事を理解しててください。
また、
週当たりでは10~15%の割合で筋力が低下する計算になるので、1カ月安静にしてしまうと、約50%筋力低下する計算になります。
また、骨についても、
体重がかからず使わないことで、骨密度が低下することが知られています。
骨の種類や年齢によっても違いますが、1カ月使用しないことで数%低下することもあります。
このような身体機能の低下(廃用症候群)を防ぐためにも、早期の離床および活動が進められます。
ただし、
初期の激痛が治まっても、ある程度の痛みは残っていることもありますので、痛みの程度に応じて少しずつ動き始めると良いでしょう。
3 ヘルニアも適切な対処によって、改善・軽減できる
椎間板ヘルニアは、適切な対処を行うことで改善することができます。
椎間板ヘルニアと診断されても、あなたの痛みはしびれは治る可能性があります。
という事です。
では、以下にその流れを紹介したいと思います。
3-1 症状に気づく
腰への負担が大きい仕事に就いている方や慢性的な腰痛が続いているような方は、椎間板ヘルニアの予備軍である可能性があります。
気づかない間に椎間板ヘルニアを発症している恐れもありますので、症状に注意しておいてください。
左右のつま先を上げてみたときに、左右均等に上がってくるか、筋力が落ちていないかをチェックしてみましょう。
また、
左右の足の親指を手指で押さえて、反らせる(上に上げる)検査も有効です。
親指を反らせる力が低下するのも症状の1つです。
また、
足などにしびれや感覚が鈍いところが無いかもチェックしておきましょう。
これらのチェックで異常を見つけたら、整形外科医師の診察を受けておくと安心です。
3-2 診断を受け、状態を知る
医師の診断を受けて、椎間板ヘルニアの状態を知っておきましょう。
どの部位に、どの程度の神経への圧迫があるのかを知っておくことで、症状の理解や評価(その後の症状の変化など)に役立ちます。
この時に、
適切な生活上のアドバイスを受けることが可能です。
必要に応じてリハビリでの指導を受けることもあります。
3-3 日常の対策
痛みが強い場合などは、薬物療法が行われることがありますが、同時に日常生活上の対策が必要になります。
椎間板ヘルニアの原因は加齢や遺伝など。
自分がコントロールできない要因もありますが、腰への過度の負担という大きな要因もあります。
したがって、
自分でできる対策は、
「腰(椎間板)への負担を減らすこと」
となります。
適正な体重の維持、姿勢、動作法、筋力、柔軟性の改善や、自分にあったエクササイズの実施が主な内容です。
これらの内容をトータルに行うことで腰への負担を軽減することができるのです。
また、
椎間板ヘルニアの原因が「仕事」という場合が少なからずあるでしょう。
そんな場合は、
仕事を変えれば腰痛や椎間板ヘルニアに悩まされずに済む。
と言えますが、実際問題、簡単に転職できない現実もありますよね。
そのような点を踏まえて、
現在の仕事を継続しながらできる対策をご紹介したいと思います。
3-3-1 コルセット(腰ベルト)の装着
先程も少し伝えましたが。
コルセットを付けるのも効果的です。
使うタイミングがとても大切です。
長期間頼るのは良くないと言われていますが、
- 力仕事するとき
- 外に出かける時だけ
- 体を十分に使う可能性がある
- 沢山歩く
など。
腰に負担が掛かりそうな場合だけ使用するなどの。
使い方をすれば問題ないでしょう。
家事などでも腰に負担がかかってしまう可能性もありますが。
その場合は、もちろん使用していいでしょう。
何がダメなのか?
というと。
長時間コルセットをしてしまうと、腰の柔軟性が低下してしまうので、腰の可動域制限が生じてしまう。
という危惧があるのです。
そうなってしまうと、
今度は腰の柔軟性の低下による、腰痛が起きてしまう可能性がある。
と言えるのです。
という事で、
長時間のコルセットの装着は避けたいのです。
で、
コルセット装着することで、力を入れたときに腹圧が上がり、動作に安心感が与えられるのも大きなポイントにはなります。
3-3-2 姿勢の改善
長時間のデスクワークなどで姿勢が崩れやすい場合は、クッションの利用や定期的な体操を行いましょう。
デスクワークで背中が丸くなる人は、時々背中を反らせる体操が有効な場合があります。
3-3-3 動作の改善
膝を伸ばしたまま、しかも、体の中心から離れた位置で持ち上げると腰に負担がかかります。
物を持つのは体に近い位置で行います。
低い位置のものを持ち上げる時は膝を曲げて行います。
重いものに限らず、床に落ちたペン1本を拾い上げる時にも膝を使うようにします。
椎間板に負担をかけない動作を心がけます。
4 まとめ
今回の記事では、椎間板ヘルニアに対する安静の必要性についてお伝えしました。
椎間板ヘルニの治療にとって、過度の安静は逆効果です。
疼痛が激しいなど症状が強い場合は、一時的な安静を必要としますが、できるだけ早く日常生活上を自立させていく。
など。
活動を早く開始することで、社会復帰を早めることができます。
椎間板ヘルニアは、多くの場合適切な対処を行うことで改善させることが可能です。
症状に気づいたら早めに医師の診察を受け、適切な対策を継続して行うようにしましょう。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
少しでも役に立てばうれしいです。