こんにちわ。
腰痛治療家で理学療法士の平林です。
突然ですが、椎間板ヘルニアって肥満だと発症のリスクがあがるし、悪化しやすい。
って事を知ってましたか?
知らない人がほとんどではないでしょうか・・
何故、肥満だとヘルニアのリスクがあがるのでしょうか?
という事で、今回は、『肥満と椎間板ヘルニア』について話していきます。
この記事を読めば、
◎ 肥満は椎間板ヘルニアのリスクをあげてしまう事を知って、体重管理に意識できるようになれる
といったメリットがあります。
肥満で、腰痛や椎間板ヘルニアを発症しているあなたの参考になればと思います。
本日も最後まで宜しくお願いいたします。
椎間板ヘルニアは肥満だと悪化しやすいのはなぜか。
まず、肥満が椎間板ヘルニアを悪化させる理由についてお伝えします。
大きな理由として以下の2つがあります。
肥満だと姿勢が悪くなるから。
これは姿勢の問題に繋がります。
太ってしまうと、姿勢が悪くなりやすいので、ヘルニアになりやすいよ。
というお話です。
というのも、
人は前後左右、あらゆる方向のバランスを取りながら姿勢を保っています。
腹部の脂肪が増加し、重量が増えれば、バランスを取るために反り腰の姿勢となりやすいのです。
これは、
↓
重心が前に行きやすくなり、立位を保つのが辛くなる。
なので、重心を後ろに持っていく為に、腰を反らしてしまう。という、人間の力学的な問題です。
この反り腰によって、腰の痛みを強めてしまう。
といった可能性があるのです。
そして、ヘルニアにもつながってしまう場合もある。
という理論です。
また、猫背の人が、肥満になれば、また違うバランスの取り方となる場合もありますが。
いずれにしても肥満は身体の重量バランスを崩す要因となるので、姿勢悪化の原因となってしまうのです。
肥満が増すと、脂肪が体幹や股関節の動きの制限因子となって、可動域制限の原因ともなります。
おじきができない、前に屈む事ができない、辛い。などがその例となります。
関節の可動性が低下すれば、理想的な姿勢の維持にとってはマイナス要因となります。
姿勢が悪化すると、腰椎の間に存在する椎間板には、より多くの力(ストレス)がかかるようになります。
椎間板の外側は丈夫な繊維輪に取り囲まれていますが、加齢と度重なるストレスによって亀裂を生じることがあります。
こうなると、亀裂から内部の髄核が漏れ出し、椎間板ヘルニアとなってしまうことがあります。
肥満→姿勢の悪化→椎間板への負荷増加→椎間板の損傷→椎間板ヘルニアという流れを起こしやすくなる事があるのです。
肥満は腰の筋肉に負担をかけてしまうので悪化する
これはわかりやすい理由です。
背骨は上半身の重さを支えています。
特に腰椎部分は身体の中心部分に近いですので、負荷が大きくなるところです。
体重が増えれば、まず単純に背骨(腰椎)にかかる力が増加します。
これだけで椎間板に垂直方向にかかる負荷が増加しますが、これに加えて重い上半身のバランスを取るため、背骨周囲の筋肉には大きなストレスがかかるのです。
これに大きな動作(例えばお辞儀の動作など)が伴えば、さらに腰部の筋肉には負担がかかります。
スポーツともなればかなりシビアなレベルとなるでしょう。
このような筋肉への負担は、筋肉自体を傷める原因ともなりますが、筋肉が強く収縮しているということは、椎間板への力も大きくなっているということなので、椎間板ヘルニアのリスクも上昇します。
↓
筋肉への負担上昇
↓
筋肉の強い収縮
↓
筋肉の損傷・椎間板への負荷増加
↓
椎間板の損傷
↓
椎間板ヘルニアという流れができやすくなると言えます。
以上の2点の事から肥満はヘルニアのリスクが高くなる。
という事が言えます。
そもそも肥満はいけないのか?
肥満が人にとって絶対的に悪いのかと言われれば、そうとは言えません。
肥満でも、体に異常がない人もいるのは事実です。
何故かはわかりませんが、肥満でも体に支障がない人も少なくありません。
医学的にどうかという話になれば、病気の発症リスクは不利になるでしょう。
生活習慣病だったりで体に支障を起こしてしまう可能性は大いにあるでしょう。
この生活習慣の内、食習慣・運動習慣の要素として「肥満」があるのです。
肥満の程度にもよりますが、一般的には肥満によって、
- 循環器疾患
- 脳血管疾患
- 糖尿病
- 腰痛(椎間板ヘルニア)
などの病気の発症リスクが高まると言われています。
なので、医学的な視点に立てば、肥満は解消しておいた方がよいと言えるでしょう。
しかも、肥満で、良いことってあまりないかなぁと思うのです。
痩せすぎもいけないかもしれませんが、肥満はやはり、体を壊しやすいでしょう。
色々なメリットを考えれば、痩せてる方がいいんじゃないかなぁ。
と思う次第です。
絶対的に痩せる方法を個人的な意見を盛り込んで述べる。
では、肥満の場合に痩せるにはどうすればいいのか?
という事で。
痩せる方法について、個人的な意見をここでは述べたいと思います。
なので、絶対に正しいというわけではありませんが、実践して頂くと必ず痩せます。
誰にでもできますが、共感されない考えの人もいいると思います。
なので、参考程度にして欲しいと思います。
で、
痩せるためには、食べない。事です。
食べなければ、摂取エネルギーより、消費エネルギーの方が多くなるので。
自然と痩せるでしょう。
とまぁ、当たり前の事ですが、この当たり前の事が難しいのと、健康問題的にどうなの?
という考えによって。
食べない減量は良くない。
と言われています。
確かにそうかもしれません。
そこで、更に、太るメカニズムを知りましょう。
人は生きていく上でエネルギーを消費します。
最低限必要なエネルギー量を基礎代謝量と言いますが。
これは、脳の活動、内臓の活動、筋肉の収縮などで消費されます。
これに加え、仕事をしたり、家事をしたり、スポーツをしたりすれば、その活動量によって消費されるエネルギーが必要となります。
というわけです。
したがって、
必要なエネルギーの分の食事を摂取すれば丁度バランスが取れて、±0になります。
しかし、このバランスが崩れ…
となってしまうと、余分なエネルギーは脂肪として体内に蓄えられてしまいます。
これが肥満の原因となります。
したがって、太らないためには、
の状態をキープすることなのです。
このための方法として、以下の様な方法があります。
ここからは、当たり前の事を言っていきます。
おさらいのように、読んでいただけたらと思います。
① 食べる量(飲む量)を減らす
メニューの変更はしないで、全体的に量を減らします。
例えば、どんぶりに山盛り1杯のご飯を食べるのが習慣となっている人は、器を少し小さめのものに変えて山盛りにしてみましょう。
山盛りになれている人は視覚からの情報も影響があるので、山盛りの状態は変えずに器を小さくすると効果的です。
山盛りということで精神的な満足感が得られます。
一気に減らすのは現実的ではありませんので、少し減らすことから工夫してみましょう。
ビール大瓶1本飲んでいる人は500mLの缶ビールに変更したり、ジュースの500mLを350mL程度へ減らしたりするなど、少しずつ全体的に減らしていくと効果的です。
② 食べ方を変える
朝食を抜かず、規則的に3回以上食べる方が良いでしょう。
食事を抜いて、空腹の状態で一気に食べると血糖値の急激な上昇を招くため良くないと言われています。
できれば、寝る前の食事をカロリー少なめにすると良いでしょう。
食事から就寝までの時間が短くなると肥満に結びつきやすいので、できるだけ(2時間以上目安)時間を空けるようにします。
急いで食べないことも大切です。
ゆっくり食べて、血糖値が上がってくれば、満腹感を生じますので、食べ過ぎを防ぐことが出来ます。
早食いは食べ過ぎのもととなりますので注意しましょう。
食材の食べる順序も影響があると言われています。
食事の最初は野菜を食べると良いようですので、炭水化物や脂肪分の多い食材は後回しにして、まずサラダなどから食べるようにしてみてください。
1週間単位のサイクルの中でも食事の取り方に注意してみてください。
焼き肉をお腹いっぱい食べた日があったら、その週のどこかで、そのカロリー量を清算するための野菜中心の日を作るなどの食べ方も効果があります。
③ 食べるもの(バランス・食材)を変える
野菜、果物の量を増やす。炭水化物を減らすなど、食材のバランスを変えることも効果があります。
うどんやラーメンを減らし、そば(そば粉の多いもの)やパスタ(デュラムセモリナ)へ変更する方法もあります。
満腹感を十分に味わいたい場合、こんにゃくも良い食材となります。
しらたきを麺代わりに使う料理もお勧めです。
糖分の多い飲料は肥満の原因となりやすいので、努力して、量を減らすか低カロリーの飲料へ変更しましょう。
④ 基礎代謝量を増やす
基礎代謝量を増やすのに効果があるのは、まず筋肉の量を増やすことです。
定期的に筋トレやスポーツを行うことで、筋肉量が増えれば、基礎代謝量が増え、食べても太りにくくなります。
筋肉量を増やす以外の方法として、筋活動を増やす方法があります。
その方法は良い姿勢を保つことです。
良い姿勢を保つには、筋肉の活動が必要です。
緊張感のない背中の丸くなった姿勢は、エネルギーの消費が少なくなり、太りやすくなります。
姿勢の次に、腹式呼吸です。
呼吸の中心となる横隔膜は筋肉です。
しっかりと横隔膜と腹筋を使う腹式呼吸は、エネルギーを消費します。
日ごろから、良い姿勢と腹式呼吸を行うようにすると、肥満解消にとってプラスに働きます。
⑤ その他の活動を増やす
基礎代謝以外の活動を増やすことでエネルギーを消費しましょう。
ウォーキングやエアロバイクなど、負荷の低めの運動を長時間行うと脂肪が燃焼されやすくなります。
ストレッチや筋トレも併せて行えば、より効果的です。
このような運動を習慣にしてしまうのがベストです。
しかし、忙しくて…という方も多いでしょう。
そんな時は、日常生活を運動に変える工夫をしましょう。
電車の移動(立って)の間の踵上げ、エレベーターを使わず階段を使う、駅まで歩く、部屋の掃除、デスクワーク中にもできる腹筋の筋トレ(意識した腹式呼吸)など工夫することで、少しずつですが消費カロリーを増やすことが出来ます。
どうでしょうか?
当たり前の事を言ってますよね。
そうなんです。
当たり前の事を確実に行えば、自然と痩せていくのです。
ホントに誰でも痩せていくでしょう。
それでも痩せない場合は、
『あなたが思っている以上に食べる量がまだ多い』
『あなたが思っているより、まだ消費エネルギーが少ない』
といった事が考えられます。
つまり、まだ食べ過ぎちゃっている。or運動量が足りない。
といったところでしょう。
このように考えて頂くと良いかなと思います。
という事で、改めて考えてみてほしいと思います。
運動習慣が少なくなって肥満になってしまうとヘルニアを助長する。
運動習慣は、肥満の予防・改善、また生活習慣病の予防にも効果があると言われています。
運動習慣が少なくなってしまうと、体重が増加する傾向となり、これが原因で姿勢の悪化、ひいては腰椎(椎間板)への負担増加につながります。
また、運動不足の状態になると、身体の柔軟性の低下、関節の可動性の低下、筋力低下など、身体機能が低下した状態となります。
このような状態になると、身体バランスを保つ能力の低下や、動作のスムーズさの低下、腰部を安全に保つ筋力の不足などを引き起こし、椎間板ヘルニアなどの腰部障害を起こしやすくなってしまいます。
このように運動習慣の低下は、ヘルニアを助長させる要因ともなってしまいます。
運動習慣の獲得は大切なポイントとなるでしょう。
ただし、すでに肥満の方が急に無理な運動を行うと、腰に負担がかかってしまいますので、負荷の少ない、腰への負担を考慮したメニューを選択して行うようにしましょう。
椎間板ヘルニアと肥満についてのまとめ
今回は椎間板ヘルニアと肥満についてお伝えしました。
肥満は、姿勢悪化や腰への負担を増加させ、椎間板ヘルニア悪化の原因となることがあります。
肥満は、生活習慣病の原因ともなりますので、肥満の予防・改善を行うことが大切なポイントとなります。
痩せるためには、正しい知識を持って取り組むことが重要です。
基本的に体重は体内に入るエネルギーと消費されるエネルギーの量で決まります。
これらのバランスをコントロールするということが体重維持の方法となります。
食事の内容、食べ方、運動など対策可能な方法をできるだけ多く取り入れ、適正体重の維持を行いましょう。
特に運動習慣は、体重の維持以上に多くの効果を持つ習慣ですので、優先順位を上げて取り組んでいただければと思います。
本日も最後までありがとうございました。