こんにちわ。
腰痛治療家で理学療法士の平林です。
今回は、椎間板ヘルニアの治療費について話していきます。
椎間板ヘルニアと診断される人は多く、悩んでしまう人も結構いるでしょう。
軽度の症状から重度の人まで。
椎間板ヘルには手術をしなくても改善する可能性もありますが、
手術でないと改善しない。
という人も少なからずいます。
で、
誰もが気になる点として、治療費だと思います。
椎間板ヘルニアの治療費用は、治療内容や通院(入院)の期間によっても異なりますが、時に高額になることがあります。
という中で、
今回は、
椎間板ヘルニアの治療費の目安や高額になった場合の対策(医療費控除等)、
また、
手術のリスク等についてご紹介します。
さらに、
- 椎間板ヘルニアの治療費はどのくらいか?
- 椎間板ヘルニアの手術費用について
- 椎間板ヘルニアの治療費が高額な場合はどうしたらいいか?
- 手術をする場合のリスクってなにがあるか?
といった4つの点についても言及していきます。
今回の内容を最後まで読めば、椎間板ヘルニアの治療費について、理解が深まるでしょう。
是非、最後まで読んでください。
では、本日もよろしくお願いいたします。
1 椎間板ヘルニアの治療費はどのくらいか?
では、椎間板ヘルニアの治療費について話していきます。
1-1 椎間板ヘルニアの治療方法について
椎間板ヘルニアの治療には、保存療法と手術療法がありますが、約8~9割は保存的な治療を行います。
したがって、
手術をするケースは多くはありません。
1-1-1 手術について
椎間板ヘルニアで手術が必要になることは少ないですが。
排泄障害や麻痺が進行した場合、痛みが強く日常生活に支障を来す場合等では、手術が必要となることがあります。
椎間板ヘルニアの手術には複数の方法が存在していて、それぞれの手術法によって費用が異なります。
また、
健康保険が適用されるものとされないものがあるため、その違いによっても費用が大きく異なりますので注意が必要です。
具体的な手術方法として、
ヘルニア部分(飛び出した髄核)を摘出したり、髄核を蒸発させたりして、神経への圧迫を取り除きます。
手術による方法は、費用面では高額になりますが、神経への圧迫を物理的に取り除きますので、確実な方法となります(摘出する方法で成功率約90%以上)。
1-1-2 手術以外の方法
多くは手術以外の方法(保存療法)になります。
保存療法には、外来通院での治療や自主訓練、症状が強い場合は入院治療などの方法があります。
治療方法によって治療費に幅が生じます。
具体的には、
- 病院等への通院回数や検査内容
- 投薬の内容
- リハビリの有無
などによって費用が違ってきます。
痛みが強い場合は薬物(内服)治療やブロック療法を行います。
痛みが強くない場合は、医師による積極的な治療はありませんので、リハビリがメインとなるでしょう。
セラピストから腰痛体操や日常生活の指導を受けるなど。
また、
マッサージなどの徒手的な施術を受ける場合、利用回数に応じて費用を生じます。
2 椎間板ヘルニアの手術費用について
では、椎間板ヘルニアの手術費用について話していきます。
2-1 椎間板ヘルニアの手術はいくらかかるのか?
大きく分類すると、健康保険適用の手術とそれ以外に分けられます。
健康保険適用の場合3割負担で計算しています。
数値は大まかな金額です。
入院期間やリハビリの有無によって、大きく異なることがありますのでご理解ください。
【保険適用】
- LOVE法 約10万円
- 顕微鏡下椎間板切除術 約10万円
- 内視鏡下椎間板切除術(MED) 約20~25万円
- 経皮的内視鏡下椎間板ヘルニア摘出術(PED) 約8~15万円
保険適用される治療については、「高額療養費制度」を利用できますので、実際の費用とは異なる場合があります。
【保険適用外】
- 経皮的レーザー椎間板減圧術(PLDD) 約35~40万円
- 経皮的椎間板粉砕・切除術(enSpire) 約65万円
- ラジオ波腰椎椎間板ヘルニア熱凝縮術(Disc-Fx) 約60万円
保険適用外の手術については、実施する病院、クリニックによって異なります。
「医療費控除」の対象となります。
出典) あいちせぼね病院
稲波脊椎・関節病院
出典)高橋寛ほか「名医が語る最新・最良の治療 腰部脊柱管狭窄症・腰部椎間板ヘルニア」
2-2 椎間板ヘルニアの手術をしない場合の費用は
保存療法の場合、様々なパターンが考えられるので、一定の額を提示することができません。
実施する可能性のある治療や検査の費用についてご紹介します。
保険適用のものについては3割負担で計算しています。
- レントゲン撮影のみ(初診料込み) 約2,000円
- MRI検査 約7,000円(造影が必要な場合+3,000円程度)
- ブロック注射 約2,500円
- 薬剤費(内服薬、処方箋料等) 約2,000円
- 理学療法(リハビリ) 約600円(20分当たり)
※ H30年の10月現在時点での医療報酬制度を参考にして。※
最初の診察でMRIまで撮影するかどうかは分かりませんが、
撮影する場合も考慮して、15,000円~20,000円程度用意しておく必要があります。
MRIまで必要なければ、
診察とレントゲン撮影、薬の処方などで、5,000円程度で済むでしょう。
最初の診察を受けた後、
どのような治療法を継続するかによってトータルのコストは変わってきます。
定期的にリハビリに通う場合や、
ブロック注射を受ける場合などでは通った日数に応じてコストがかかります。
また痛みが強く動けない場合では、入院が必要になることがあります。
入院料は病院(病棟)によって異なりますが、
急性期の一般病棟の場合、1日当たり約13,000円~約16,000円必要です。
これに検査や投薬、ブロック注射等の費用が加算されるでしょう。
3 椎間板ヘルニアの治療費が高額な場合はどうしたらいいか?
次に、治療費が思わぬほど高くなってしまった・・・
という場合にどうすればいいのか。
について、ご紹介していきます。
3-1 医療費控除を受けよう
医療費がかさんだ場合は医療費控除を検討してみましょう。
1年間の医療費が10万円以上かかった場合が目安となります。
扶養している家族の医療費を含めることが可能です。
3-1-1 医療費控除ってなに?
所得税法第七十三条等が根拠になっている制度です。
各年において自己、自己と生活を共にする配偶者や親族等に係る医療費が、
その年の総所得の5%(10万円を超える場合は10万円)を超える時は、
超える部分の金額(200万円を超える場合は、200万円)を総所得金額から、
控除することができます。
例) 課税所得500万円、医療費控除20万円の場合
20万円×20%(所得金額の税率)=4万円(還付金)
4万円の還付を受けられる可能性があります。
3-2 高額医療費請求制度の利用
日本には、このような制度があるので、是非知っておくといいでしょう。
医療機関や薬局に支払った額が、
ひと月の間(1日~月末まで)に上限額を超えた場合、
超えた金額を支給する制度です。
注意点
●適用となるのは健康保険対象部分のみ
差額ベッド代、食費などは含まれません。
保険適用外の治療費を含めることはできません。
●上限額は年齢や所得によって異なる
70歳以上で6段階、69歳以下で5段階に分かれています。
●合算ができる
複数の受診や同じ世帯(同じ保険)の方の受診を合算することができます。
●月ごとの計算となる
入院が月をまたぐ時は、それぞれの月での計算となります。
治療費が100万円(3割負担の場合の自己負担30万円)かかった場合。80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円
したがって、
実際の自己負担額は87,430円となります。
注意としては、月の初めから終わりまでで計算するということです。
月をまたいだ治療の場合、負担額が多くなることがあります。
4 手術をする場合のリスクってなにがあるか?
手術には必ずリスクが伴います。
技術の発達や手術件数の増加によって、
リスクは低下しましたが、残念ながらゼロにすることはできません。
なので、
ここでは手術のリスクについてご紹介していきます。
・感染
まれに細菌等による感染を起こすことがあります。・組織への侵襲
皮膚、血管、神経等の組織にダメージが加わります。
術式によって侵襲の程度は異なります。
神経とヘルニア部分が癒着していると、神経損傷のリスクが上昇します。
術式によって大きさは異なりますが、皮膚に傷が残ります(個人差あり)。
・出血
術中の出血は避けられません。
まれに、手術後に血種を生じることがあります。
・麻酔
局所麻酔による手術もありますが、全身麻酔を採用する場合が多いです。
・痛み
しばらく手術部位に痛みが残ることがあります(組織に対する侵襲)。
・深部静脈血栓症
深部静脈血栓を起こしやすくなります(予防の対策をします)。
・再発
再発率は数%ですが、再発する可能性があります。
などといったものでしょうか。
参考にしていただけたらと思います。
5 まとめ
今回は椎間板ヘルニアの治療費についてご紹介しました。
治療費については、手術の有無で異なり、
また、保存療法の場合では通院の期間(回数)で異なります。
手術の場合は最低でも10万円を超えますので、通常は高額療養費制度の対象となります(保険適用手術の場合)。
また、
医療費控除等の対象となる場合もありますので、制度を利用することで治療費の負担を少なくすることが可能です。
保存療法を選択した場合、最初の診察と指導を受け、その後は自主訓練という形をとれば、最少の費用で治療を行うことができる場合もあります。
ただし、
症状の悪化(変化)等が生じた場合は診察を受けることをおすすめします。
手術におけるリスクはゼロではありません。
治療法として手術を選択する場合は、手術のリスクについて十分理解しておくことが必要です。
今回の内容があなたの役に立てばうれしいです。
本日も最後までお読み頂きありがとうございました。
次の記事もよろしくお願いいたします。