こんにちわ
腰痛治療家で理学療法士の平林です。
椎間板ヘルニアや坐骨神経痛に悩まされている人は多くいます。
それに対して、マッサージ、整体、鍼灸、内服・注射、リハビリなど巷には多くの治療法があります。
あなたはどんな治療を受けた事がありますか?
そして、効果のほどは如何だったでしょうか?
効果の感じ方は個人によって、大きく違います。
どんな方法でも、自分が良くなったと思えれば、それは、それで正解です。
その中で、今回は、【歩く】をテーマにしてみました。
椎間板ヘルニアには、歩くのが有効であるのか?
理学療法士の視点から考察してみました。
- 椎間板ヘルニアに対して、歩くのが効果はあるのか?
- ヘルニアは悪化しないのか?
などについてお伝えします。
◎ 椎間板ヘルニアに、歩くのは有効な事は多い。という事が知れる
◎ 実際に椎間板ヘルニアを克服した人の話を参考にできて、勇気を持てる
といった2点のメリットがあります。
最後まで読めば、ヘルニアの治療で悩んでいるあなたの参考になるでしょう。
では、本日もよろしくお願いいたします。
椎間板ヘルニアの治療には歩くのがいいの?
歩くのは椎間板ヘルニアの治療に良いのでしょうか?
これについて説明していきますね。
歩くのも効果があるという話
歩行はリハビリ(理学療法)の中では運動療法に位置する、立派な治療法の1つです。
必要な人に正しい方法で行えば効果を発揮します。
椎間板ヘルニアは様々な原因で起こります。
運動不足、筋力低下、姿勢の悪化、同じ姿勢をとり続けていることが多い、肥満など、運動や姿勢などにかかわるものも少なくありません。
このような要因が影響している場合、歩行を行うことは、椎間板ヘルニアの改善に役立ちます。
【歩行の効果】
- 運動不足の解消
- 筋力低下(特に下肢や体幹)の予防と改善
- 姿勢の改善
- 肥満の改善
歩くのは悪化を招くという説もある
普通の歩行は、運動の負荷としては大きくない部類に入りますが、それでも腰椎には動的な負荷が生じます。
衝撃、屈伸・回旋の動きなど様々な要素がありますが、このような動的な負荷によって、組織へ負担がかかり、局所的な痛みの増強や神経への圧迫の増加を引き起こしてしまうこともあります。
例えば飛び出してきた髄核が、運動によってさらに押し出されるような場合です。(椎間板ヘルニアは、髄核という物質が神経を圧迫している事で生じます)
運動による負荷で髄核がさらに後方へ移動すれば、神経への圧迫が強くなり、坐骨神経痛などの症状が強くなるでしょう。
したがって、ヘルニアの状態や腰椎、腰椎周囲の組織の状態などによっては歩行が適さないこともあるということになります。
結果、状況によって変わってくる
先にお伝えしたように、椎間板ヘルニアにとって、歩行は症状改善に役立つときもあればそうでないときもある。
ということができます。
自分の場合はどちらなのか、歩いても良いのか?
という点が気になるところでしょう。
その判断の方法としていくつかご紹介しておきます。
椎間板ヘルニアの場合、一般的には整形外科の診察を受けることが多いと思います。
椎間板ヘルニアには様々なバリエーション、状態、症状がありますので、それについての経験が多い医師からアドバイスを得るとよいでしょう。
できればリハビリ部門(理学療法士)があって、医師と共同してヘルニアのリハビリを行っているところが良いでしょう。運動(歩行)についての良いアドバイスが得られると思います。
専門家のアドバイスを受けながら実施すれば、安全性が高く、万が一悪化した時も手立てを考えてもらえます。
おすすめの方法だと思います。
とりあえず自分で判断してみたいというときもあるでしょう。
その時はこれから説明するポイントを行ってみてください。◎ 立位姿勢を見直す
座っているときより立っているときの方が腰への負担は少なくなりますが、それでも姿勢が悪くなると、腰部への負担が増してしまいます。
まず姿勢を良くして歩くようにしましょう。
◎ 履物と歩く場所に注意する
できれば衝撃を吸収しやすい履物を選択しましょう。
また歩く場所は、土の上で平らな場所をお勧めします。
舗装された歩道はかまぼこ状になっている場合もあり、そこを歩くと身体にアンバランスな力を生じます。
できるだけ平らで衝撃のすくない路面で歩くと、腰椎への無駄な負担を避けることができるでしょう。
◎短距離、短時間から行ってみる
最初から長距離を歩かないようにしてください。
特に普段の生活で歩く機会の少ない方は、短距離(数百メートル程度)から行ってください。
歩行中や後に症状が悪化しないかに注意しておいてください。
重要な症状は神経症状です。
足へ走るしびれや痛みなど(坐骨神経症状)が強くなる場合は、歩行が適さない可能性があります。
症状が悪化した場合は、一旦歩行訓練は中止して、症状の変化を見てください。
症状が改善したら、もう一度歩行を行ってみてください。
これでまた症状が悪化するようであれば、歩行は適さないと判断しても良いでしょう。
症状が悪化しない場合は、様子を見ながら歩行を継続してみてください。
椎間板ヘルニアは諦めなければ治せる。
椎間板ヘルニアは、原因や状態が多様であるため、一筋縄ではいきません。
ある人に効果のあった治療法が効かない場合もあります。
自分にあった治療法に巡り合えない場合、症状が慢性的に続くこともあるでしょう。
効果のある方法がみつかるまで時間がかかってしまう場合もあるので、「もう治る事はないんだなぁ・・・・」と思い込んでしまうこともあるでしょう。
しかし、椎間板ヘルニアの治療はあきらめてはいけません。
それは、自分にあった治療法をまだ試していないのかもしれないからです。
なので、椎間板ヘルニアの改善には、対策や治療を継続する根気強さも必要です。
方法は合っていても、短期間の対策では十分な効果を発揮しないこともあるのです。
したがって、椎間板ヘルニアを治すためには、自分に合った対策方法を、根気強く継続して行うことが重要になります。
それでも、効果を感じられない場合は、手術による方法も検討する必要がでてきます。
その場合は、信頼できる医師からアドバイスを受けながら、判断した方がいいでしょう。
椎間板ヘルニアを克服した人の話
椎間板ヘルニアを克服して、職場へ復帰される人は少なくありません。
一つ例を紹介します。
Aさん 30代 男性
仕事は肉体労働 重い物の運搬が多い
日常的に重量物を扱う仕事は、腰椎(椎間板)への負荷が高く、椎間板ヘルニアを発症しやすくなります。
Aさんは腰痛と足のしびれという症状が出現していました(症状は軽症)。
そこで、病院を受診すると、医師からはリハビリ(理学療法)を開始するよう処方されました。
内容は、仕事を継続しながらの対策ということで、自主訓練中心のプログラムでした。
具体的には体幹、下肢のストレッチ、筋トレ、姿勢・動作の改善です。
楽にしている時の姿勢は悪くないとの事で、動作(作業)時の姿勢、体の使い方の改善に取り組みました。
例えば、ものを持ち上げるときはしっかりと腰を下ろし、身体に近い位置で下肢筋力を使いながら持ち上げるなど。
腰に負担のかかりにくい動作の習得が中心になりました。
これらのような対策を継続した結果、症状は軽減し、その後も休職することなく仕事を継続することが可能となっています。
このケースでは、腰への負担を軽減する動作法の習得と徹底した実践が効果的であったという印象を受けています。
また、ヘルニア発症後も、日常的に歩行する機会が多かったのですが、症状は改善していますので、歩行による悪影響を感じることはありませんでした。
まとめ 椎間板ヘルニアに負けないために~
椎間板ヘルニアの原因には様々なものがあって、それに対する治療法も多様です。
治療法として、歩行が効果的な場合がありますが、状態によっては逆効果となることもあります。
歩行を試してみて、症状が改善する場合は継続しても良いと考えられますが、症状が悪化する場合は、無理に継続しないほうが良いでしょう。
椎間板ヘルニアの治療(対策)は、人それぞれです。
自分に合ったものを見つけ、継続していく必要があります。
ある治療法の効果がなかったからと言って、治らないと結論付ける必要はありません。
他の治療法にもチャレンジし、根気強く継続してみることが大切です。
もしも、保存療法を試してみても効果が不十分な場合は、手術による方法も残されています。
椎間板ヘルニアの治療はあきらめずに対策を行うことが大切です。
改善に向けて努力を続けましょう。
本日も最後までありがとうございました。