こんにちわ。
腰痛治療家で理学療法士の平林です。
運転は思った以上に腰に負担がかかるので腰痛の原因になります。
運転による腰痛には、クッションを使うと楽になりやすいです。
今回は、運転時に効果のあるクッションについてご紹介します。
この記事を読めば、
ドライバーの仕事をしている方など、長時間腰かけた姿勢での運転業務に就いている方の参考になれば幸いです。
腰痛に効果的なクッションとはどういった物か?
早速ですが、腰痛を軽減・改善させるためにはどのようなクッションが良いのか?
について紹介していきます。
- その① 腰がまるまりすぎない物
- その② 座面が高くなるもの
- その③ 座って安定感があるもの
上記、3点がポイントになると考えます。
これより説明していきます。
その① 腰が丸まりすぎない物
最初に、腰痛はどういう姿勢で起こりやすいかを考える必要があります。
もちろん姿勢がすべてというわけではありませんが、姿勢によって腰への負担が大きく変わるのは事実です。
理想的な腰椎は軽く前弯(前に凸)しています。
ところが椅子に腰かけると、次のように骨盤が後ろに倒れ(骨盤の後傾)、腰椎の前弯が減少します。
研究によれば、椅子に腰かけるだけで腰への負担が大きくなることが分かっています(立位と比較して)。
腰かけた姿勢で背中を丸めるとさらに腰への負担が大きくなります。
腰への負担は、腰痛に結びつきます。
したがって、運転席に腰かけて、背中を丸めると腰痛の発症のリスクが高くなるわけです。
このような事実があるので、クッションは、腰が丸くならないように工夫されたものが適当です。
腰痛部分が、前に押し出されるような形状のものが良いでしょう。
腰椎部分は、少し前に反った(軽度前弯)が理想ですので、そのような形を促すクッションが適切です。
そのような形のクッションが市販されていますので試してみると良いでしょう。
購入する前に効果を試したい場合は、バスタオルなどを丸めて、腰椎の後ろに挟んで運転してみてください。
効果を感じられるようであれば、クッションは効果的だと考えられます。
その② 座面が高くなるもの
椅子の座面が低いと股関節が曲がって背中も丸くなります。
最近の自動車では極端に座面の低い車種はないでしょうし、座面高を調整できる機構を備えたものもあります。
調整が可能であれば、やや高めに調整してください(ペダル操作に悪影響が出ない範囲で)。
座面高の調整ができない場合(低い場合)、クッションで補うことが可能です。
おしりの後方を上げることで股関節の屈曲角度が減少し、腰椎が伸展しやすくなります。
ただし、座面全体が上がってしまうとペダル操作がしにくくなるので膝の後ろ側が高くなりすぎないように注意してください。
その③ 座って安定感があるもの
座位の安定性は、腰部の負荷を減らします。
安定感のないシートに腰かけていると姿勢を保持するために努力を要します。
また、安定性は安全運転にも必要です。
不安定な状態では、確実なペダルワークやステアリングワークを行うことができません。
クッションを使用することで、安定性が損なわれるものは適切ではありません。
柔らかすぎず、安定性の良いものを使用する必要があります。
座面の安定性だけでなく、体幹のサポートも重要です。
左右にぐらぐらせず、コーナリング中に体幹をしっかりとサポートしてくれる形状のものであればさらに良いでしょう。
2 やはり、良い姿勢を意識するべきである。
クッションが、腰痛予防の役に立つとは言っても限界があります。
クッションは良い姿勢をキープしやすくするものです。
それだけで姿勢を作り上げてくれるものではありません。
クッションの上に座っても自分で姿勢をコントロールしなければ自然と姿勢は崩れてしまいます。
したがって、クッションを使用したうえで、良い姿勢を意識して自分自身で姿勢を作り上げる必要があります。
クッションを使用することで、良い姿勢をキープすることが楽にできるようになります。
そこが腰痛クッションの狙いです。
3 市販のクッションでも効果は高いものがある
現代では市場にたくさんの腰痛対策クッションを見ることができます。
改良が進められて医学的に検討されたものも増えてきた印象があります。
一般市販品の中にも効果的なものが増えてきていると考えられます。
本当を言えば、車種によって、シートの高さ、シートの傾きなどがそれぞれ異なっていますし、そもそも運転手の体格、背骨の状態などは大きく異なっています。
そのようなことを考えれば、自分が運転するシートに座った状態で最適なクッションを設計して制作するのが一番ということになります。
しかし、こうなるとちょっとハードルが高いですよね。
でも市販のクッションは良く考えてつくられている効果的なものがあります。
選び方としておすすめなのは、ショップ(カー用品店など)で実際の物を体験することです。
できれば貸し出してもらって自分の運転席に乗せて座ってみることです。
それで、自分に合っていればOKです。
近くにショップがない場合、通販で入手することも可能です。
この場合、試すことができませんので評価などの情報が頼りです。
できるだけ条件の合う評価を参考にしたり、SNSなどを利用して実際の使い具合について情報を入手したりしても良いでしょう。
一度で良いものに巡り合えるとは考えず、いくつか購入して試すくらいに考えておいた方が良いかもしれません。
具体的な例を1つ紹介しておきます。実際に使用した経験はありませんが、ポイントが押さえられたクッションの例として説明に使用させていただきます。
このクッションは、
- 腰椎の前弯を促すパーツが備えられている
- 体幹の左右の動きを抑える工夫がされている
- 殿部が前方に滑るのを止める
- 座面高が高くなる
などの工夫がされています。
このようなクッションは、理にかなった設計がされていますので、クッション選びの参考となるでしょう。
4 まとめ:運転は必ず腰痛クッションを使って、痛みの予防・軽減を目指しましょう
今回は、腰痛対策のクッションについてご紹介しました。
自動車など、運転する行為は想像以上に腰への負担となります。
長距離のドライバーに腰痛が多いのには、このような理由もあります。
運転による腰痛の対策として、クッションがあります。
シートの上にクッションを装着することによって、良い姿勢を取りやすくなるというメリットがあります。
姿勢が改善すれば、腰への負担が軽減して、腰痛が改善する可能性があります。
しかし、クッションを使用すれば、自然と姿勢が良くなるというわけではありません。
やはり、意識して姿勢をコントロールしなければ、良い姿勢を保持することはできません。
クッションは、良い姿勢を保持しやすくするための、補助的なものであることを忘れてはいけません。
クッションを選ぶ際は、腰椎の前弯を促し、座面や体幹の安定性を向上させるタイプの物を選択するとよいでしょう。
選ぶ際は実物に腰かけてみて、自分に合うかどうか試してみることをおすすめします。
本日の内容が少しでも参考になればうれしいです。