こんにちわ。
腰痛治療家で理学療法士の平林です。
腰痛は多くの人が経験する症状です。
その原因の多くに悪い姿勢になっているよ!
という状態があります。
つまり、腰痛を改善するためには、良い姿勢を意識する事が不可欠になります。
そこで、今回は、【腰痛と姿勢】についてお伝えします。
◎ 姿勢が如何に腰痛の原因になるのか?について理解できる。
◎ 良い姿勢を意識すると腰痛になりづらい事がわかる
といったメリットがあります。
腰痛でお悩みのあなたに、参考にしてほしいと思います。
では、本日もよろしくお願いいたします。
腰痛の改善には姿勢を意識しよう
腰痛の原因については様々なものがあり、一部、内科的な疾患によるものもあります。
今回お話しする腰痛は内科的疾患が原因で起こるものは除外しています。
主に原因の特定できない非特異的腰痛や、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニアなどといった診断がついている腰痛を対象として考察しています。
腰痛を治す良い姿勢ってどんな状態?
ズバリ、腰痛改善のための姿勢をご紹介します。
時間がない方、すぐに実行したい方はここだけ見て実行してください。
【立位:立っている時の姿勢】
良い姿勢の基本姿勢です。
一番左の写真を見てください。
ポイントは、脊柱(背骨)の曲がり(弯曲)具合です。
特に重要なのは腰椎の部位で、軽く前に弯曲しているのが理想です。
腰椎部分は前側に凸になっているのが理想。
頭部は前方に出ないように、体の真上に乗せるような位置に保持します。
目安としては耳、肩、股関節、膝、くるぶしが一直線上に位置するようにします。
腰の部分が反り過ぎる「反り腰」も良くありません。
極端にそり過ぎないように注意しましょう。
【座位:座っている時の姿勢】
椅子と床の場合で紹介します。
◎椅子
坐位には、椅子に腰かける椅坐位や床に足を伸ばして座る長坐位、正坐などいくつかの坐位があります。
坐位は、立位以上に腰に負担のかかる姿勢ですので、立位以上に注意が必要です。
長時間坐る機会が多い人は特に気を付けましょう。
椅坐位は、意識をすれば比較的良い姿勢を保持しやすいです。
上半身を立位と同じようにすることを意識すればよいでしょう。
腰椎は軽く反るように意識させます。(上半身が上に引っ張られるような感覚)
上記のように、骨盤が後ろに倒れて、背中が丸くなった姿勢はアウトです。(背もたれに完全によりかかっているような姿勢)
坐骨部分で体重を受けずに、骨盤の後ろ側で座るのを仙骨座りなどと言いますが、腰には悪い座り方です。
ありがちな姿勢ですが、足を組むことで左右のアンバランスも生まれてさらに悪い姿勢となります。
ついついやってしまいますね。
◎床
床はさらにシビアになります。
床に座って、足を伸ばした姿勢って。
この姿勢どうでしょう?(長座位といいます)
意識してやるととても大変じゃないですか?
これは、腰に悪い姿勢になります。
また、正座の方が楽だと思います。
正坐は腰にとっては良い坐位であるといえます。
ただし、膝を過度に曲げているので、神経や血管が圧迫されるためのデメリットがあるので、長時間はお勧めできません(正坐用の座椅子を使うという方法もあります。)。
姿勢を整えたあぐらは比較的お勧めできる坐位姿勢です。
ここで、一つ有効な方法として、あぐらでも長坐位でも、お尻の下に座布団を敷くと良いでしょう。
お尻を高くしてあげるのです。
そうすると腰が良い姿勢を取りやすくなります。
で、背骨が側弯する座り方はNGです。
なぜ、姿勢を良くすると良くなるの?
姿勢を良くすると、腰への負担が減少します。
腰にはただでさえ大きな力がかかっていますが、姿勢を良くすることでこの力を減少させることができるのです。
特に椎間板や筋肉などには負担がかかりやすいのですが、姿勢を改善することによってこの負担が減少し、痛みが起こりにくくすることができます。
なので、良い姿勢を意識する事は重要であるって事が言えるでしょう。
本当に、姿勢が良くなれば腰痛は改善するの?
本当かよ・・・って思うかもしれませんが。
姿勢を矯正することで腰痛は改善します。
もちろん、腰痛の原因が姿勢ではない場合もあって、すべての腰痛が等しく改善するわけではありません。
しかし、腰痛の主な原因が姿勢である人の場合、劇的に改善する可能性も多いのは事実です。
姿勢が腰痛に与える影響は少なくありません。
劇的な改善を感じることはできなくても、その後の腰痛の発生や重症化を防いだり、椎間板ヘルニアの予防をしたりすることができます。
猫背のように姿勢が悪いと腰痛は悪化するのってなんで?
猫背のような姿勢になると腰痛が起きやすくなると言われます。
この理由についてご紹介します。
人の背骨は自然な弯曲を伴っているのが正常(理想)です。
このような弯曲がある状態で、腰椎部分にかかる力はバランスの取れた生理的なものとなります。
あなたは「棒倒し」って知ってますか?
運動会の競技として、過去にあったのですが。
(今は、危険だからといって、ないのかな・・・)
で、この棒倒しの棒、まっすぐ立っているときは支えるのに苦労はないのですが、いざ倒れ始めると支えるのはとても大変になります。
ただ真っすぐの棒を倒されないように支える人間と棒を倒しに行く人間にわかれて、どっちが早く倒せるか競うというシンプルな競技なのですが。
やったことのある人であれば実感をもって理解できることでしょう。
棒が傾いた上に、よじ登られたらさらに保持するのは難しくなって、一気に棒が倒れてしまうこともあります。
背骨もこの場合の棒と同じようなものです。
まっすぐ立っている場合は支えるのに力はさほど必要ありません。
ところが猫背となって傾いてくると、支えるのがたいへんになってきます。
この時、姿勢を支えているのは腰です。
頭の重さは、棒によじ登った人と同じように重みとなって、上半身を倒す力が働きます。
なので、猫背は支える部分である腰に大きな負担をかける原因となります。
大きな負担は、筋肉や椎間板、関節などの損傷の原因となり、腰痛を引き起こす可能性があるのです。
つまり、姿勢の悪化は想像以上に腰への負担となり、腰痛の根本的な原因となってしまう可能性があるのです。
姿勢が悪いから腰が痛くなるのか?
先ほどお伝えしたように、姿勢が悪化すると腰部への負担が増えて腰痛の原因となります。
腰痛の大きな原因の一つと言っても過言ではないでしょう。
しかし、腰痛の原因は悪い姿勢だけではありません。
年齢が腰痛発症の要因となる事もあります。
老化による骨の変形、椎間板の変性などによって腰痛が引き起こされることがあるのです。
これは全員がそうなるという事ではありませんが。
姿勢が良い人でも、年齢が影響して、腰痛が発症する事があるのです。
また、腰に負担のかかる重労働を行っている場合や激しいスポーツ活動など、物理的なストレスが多くかかる場合も腰痛を起こす危険性が高まります。
このように、悪い姿勢は腰痛の原因となり得ますが、すべてではなく、老化や腰への過度の負担などが原因となることもあります。
このことも頭にいれておくといいでしょう。
腰が痛くなるから、姿勢が悪くなるの?
腰が痛くなると、姿勢はどうなるでしょうか?
強い腰痛を経験したことのある方であればすぐに気づかれるかもしれません。
無意識に、できるだけ痛みが弱くなるような姿勢を取ります。
腰の左右どちらかが痛ければ上半身が横に傾くこともありますし、背中を伸ばす(反らす)と痛い場合は少し前に曲がった姿勢になることもあります。
動作時の姿勢も制限されますので、動作も不自然なものとなります。
このように、もともと姿勢の良かった人は、腰痛が起こることで姿勢が悪くなることがあります。
初めから姿勢が悪かった人は、さらに姿勢が悪くなることもあります。
いずれにしても、腰痛は姿勢を悪化させる原因となりえるのです。
したがって、腰痛と悪い姿勢のループは、どこからでも始まる可能性があって、一旦始まってしまうと、悪循環となることがあります。
このループを断ち切るためには、これらの要素の中で対策可能な部分にアプローチして改善することが必要となります。
まとめ
腰痛は姿勢が悪いと発生しやすくなります。
姿勢が悪くなると、腰への負担が大きくなって組織を傷めてしまうからです。
良い姿勢を意識する事に越したことはありません。
ですが、腰痛の原因は悪い姿勢だけではありません。
老化や仕事などによる過度の負担がその要因となっている場合もあります。
で、腰痛が悪い姿勢によって起こっている場合は、姿勢を良くすることで症状を改善させることが可能です。
ですが、姿勢の矯正は一朝一夕にしては成りません。
常に良い姿勢を心がけて、一生取り組む気持ちが必要となります。
なので、辛いと言ったら、辛いかも・・・
でも、良い姿勢が癖になれば、無意識に良い姿勢をとれるようになるので、簡単です。
という事で、良い姿勢を意識する。
これをとりあえずやってみると誰でも簡単に良い姿勢を意識できるようになれます。
これを機会に、日常の生活と姿勢について見直してみてはいかがでしょうか。
今回の話があなたの役に立てばうれしいです。
本日も最後までありがとうございました。