こんにちわ。
腰痛治療家で理学療法士の平林です。
反り腰は腰痛悪化の原因となります。
悪い姿勢の代表的なもので、猫背は聞いた事があるでしょう。
これは、もちろん猫背も腰痛の原因になりやすいです。
で、その中で、「反り腰」という姿勢もまた腰痛の原因の一つとしてなりやすいのです。
今回はこの【反り腰と腰痛の関係】についてご紹介します。
◎ 反り腰は腰痛の一つの原因になる。事を理解できるでしょう。そして、反り腰を治したくなる。
といったメリットがあります。
反り腰で腰痛持ちのあなたの参考になれば幸いです。
では、本日もよろしくお願いいたします。
反り腰は、痛みを悪化させるのは何故か?
まず、反り腰が腰痛を悪化させる原因についてお伝えします。
ただし、反り腰の人すべてが同じではありません。
腰痛の原因も、反り腰だけではない場合もある事を念頭にして欲しいと思います。
反り腰と他の腰痛原因が複雑に影響して、腰を痛めてしまっている場合もあります。
また、反り腰だけど、他の要因で腰痛になってしまっている場合もあります。
これらの点を踏まえつつ進めていきます。
反り腰は過度に腰の筋肉を使ってしまうから
まず、反り腰は過度に腰の筋肉を使い過ぎてしまう傾向にあります。
その結果、腰が痛くなってしまう。
という事が言えます。
では、初めに、反り腰とはどのような状態なのかについてお伝えします。
上半身がまっすぐ立っている状態で、骨盤が前に傾いた状態(もしくは、逆に、骨盤が倒れた状態で上半身を起こすと)。
腰の部分は過度の前弯(前方に凸の状態:腰の部分が反っている状態)を強いられることとなります。
これが反り腰です。
しかし、ここで少し注意する点があります。
腰の部分が反っていることがすべて悪いというわけではありません。
本来、脊柱の腰部は少し反っている(軽度前弯である)のが理想です。
なので、軽く反っていること自体問題はないのです。
反り腰というのは、この反り具合が強い状態であるだけで、すなわち、正常の腰椎と反り腰の違いは、骨盤の傾き具合と腰椎の反り具合の程度が問題なだけなのです。
では、ちょっと、実践してみてください。
意識的に腰を反って、反り腰を作ってみてください。
ここで、腰の背骨の両側の筋肉に力が入ってるのを感じませんか?
指で触ってみるとすごく固くなっているかと思います。
では次に、腰の力を抜いて、楽にして、腰を丸く戻してみてください。
姿勢を戻すと、筋肉の力が少し抜けるのを感じられるかと思います。
このように、反り腰の状態は、筋肉がより強く収縮した状態であるということがわかるのです(個人差などがありますが・・)。
つまり、筋肉に過度に力が入っている状態では、筋肉は疲労を起こしやすくなるよ。
そして、無理がかかっているために損傷しやすい状態となっているよ。
という事です。
これが腰の痛みとして感じる事で、反り腰だと腰に痛みが起きてしまう。
といった要因だと言えるのです。
この痛みを医学的に言うと、筋肉の微細損傷や筋膜との癒着は、筋筋膜性腰痛症(きんきんまくせいようつうしょう)というのです。
また、過度の反り腰は、背骨の後方にある椎間関節にも負担をかけます。
関節面に負担がかかることで、痛みを起こしてしまう可能性もあるのです。
さらに、過度の反り腰と筋肉の収縮は椎間板にも偏った力をかけてしまいます。
本来、椎間板には均等に力がかかることが理想的な状態ですが、過度の反り腰によって、椎間板には非生理的な力がかかることとなり、損傷を起こしやすい状態となってしまうのです。
その結果、椎間板にかかる負担によって、亀裂などの損傷が生じると、その部位から椎間板内部の髄核が飛び出してしまうことがあるのです。
これが、椎間板ヘルニアです。
まとめると、
↓
過度の腰への負担によって、椎間関節・椎間板への負担が強くなる
↓
椎間板内部の変性・虚弱によって、髄核が飛びだしてしまう
↓
結果、椎間板ヘルニアになってしまう
といった過程になってしまう場合もあるのです。
つまり、反り腰は過度に腰部の筋肉に負担をかけ、腰痛など腰部の障害を引き起こしてしまう可能性があるのです。
腰だけでなく、肩や首にも負担がかかる
反り腰は、骨盤が前傾して、腰の背骨が反った状態で、無理に身体の物理的なバランスをとっている状態です。
なので、バランスが悪化する事で、肩や首にも派生して悪い影響を与えます。
無理にバランスを取ろうとすると、過度に筋肉が緊張する(収縮する)状態となります。
反り腰は、腰の筋肉が過度に収縮するだけではなく、上半身と頭部の位置を維持しないといけないので、肩甲骨周囲や首の筋肉も余計に頑張る必要が出てくるのです。
なので、反り腰が長時間続くと、腰や首周囲の筋肉は、長時間に渡って緊張を強いられる形になります。
当然、長時間の緊張は肩こりや首のこりの原因となります。
さらに、肩こりや首のこりが原因で、頭痛や吐き気を生じるなど、別の症状を引き起こしてしまう場合もあるのです。
このように、反り腰は単なる腰痛の原因となるだけでなく、肩こりなど、その他の部位にも影響を与えることがあるんです。
この点を知っておいてほしいと思います。
反り腰でも、腰は痛くならない人も多い
腰痛の原因は様々で、その起こり方には個人差があります。
同じような仕事や生活をしていても、腰痛を起こす人、起こさない人がいます。
当然ですよね。
で、反り腰にも同じことが言えまして。
反り腰の人でも、腰痛を起こさない人もいるのです。
背骨の形は、誰のものでも同じように見えますが、大きさや角度など細かいところを見ると、少しずつ違います。
また、生まれつきの要因、育った環境なども影響して、最終的な骨盤の傾きの程度が決まってきます。
したがって、条件によっては骨盤の傾きが強い、反り腰気味の人がいても不思議ではないのです。
このような人にとっては、反り腰は正常な状態に当たる為、反り腰で、腰痛になる事は少ないと言えます(例外はありますが・・・)。
また、生まれつきではなく、肥満や妊娠、ハイヒールの着用が原因で反り腰になっていたとしても、もともと強い腰椎や筋肉、関節の柔軟性を持っている人は、反り腰くらいでは腰痛を起こさないことも多いにあります。
つまり、反り腰だからといって、必ず腰痛になる。ということはないのです。
でもね、「ずっと反り腰だけど、腰痛が起きていないから大丈夫」というわけでもありません。
若干矛盾に聞こえるのですが、これ、事実なんです。
過度な反り腰の状態は、程度の差はあっても、腰椎や椎間板、筋肉に負担をかけやすい状態であるのは間違いありません。
なので、過度な反り腰は無意識に腰の椎間板や筋肉に負担をかけてしまっているのです。
という事で、どんな時にでも、早めに腰痛の予防対策を行っておく方がいいでしょう。
と伝えたいと思います。
反り腰の判断基準も難しい分部もありますが、
【自分自身で腰に力が入り過ぎているな!】と感じる場合は反り腰の可能性が強いです。
この判断基準をもって欲しいと思います。
腰の可動性(柔軟性)が良いと反り腰でも痛くならない
腰椎部分の可動性(柔軟性)には個人差があります。
生まれつき柔らかい人もいれば、スポーツなどをしていていやわらかい人もいます。
体操競技のフィニッシュの姿勢では、胸を張って、腰をぐっと反らす場面が見られますよね。
腰の柔軟性を持っていると、腰を反らせることが簡単にできるので、柔軟性の低い人よりも腰に負担がかかりにくいと考えられます。
単純ですよね。
体が柔らかいので、そこまで動かしても痛みが起きにくい。
という考察です。
ここで一つ、例をだします。
針金(柔軟性のある針金の場合)には柔軟性があって、曲げても簡単に折れて切れてしまうことはありません。
しかし、割り箸は、曲げていくと折れちゃいますよね。
背骨もこれと似たようなイメージでして。
背骨も固いと、割り箸のように損傷しやすい状態となります(大袈裟な表現ですが)。
でも、柔軟性があれば、針金のように、少々強めに曲げても損傷しないわけです。
つまり、腰の柔軟性があれば、反れる範囲も広がるので、普通に見たら、反腰になっていても痛みとして感じない。
という事が言えるのです。
まとめ
今回は反り腰と腰痛についてご紹介しました。
反り腰は、腰の筋肉や関節などに負担をかけ、腰痛の原因となりえます。
また、肩こりや首の痛みにもつながります。
反り腰は、腰痛の一つの原因になりますが、個人差があるので反り腰でも腰痛にならない人もいます。
さらに、生まれつきの反り腰や、腰部の柔軟性が高いと反り腰であっても腰痛が起きにくいとも言えます。
でも、反り腰は一般的に言うと、腰への負担が大きくなるので、腰痛になりやすいという解釈の方がいいでしょう。
つまり、間違いなく、反りすぎの反り腰は、腰への不利な状態を作り出しやすくなります。
なので、反り腰ではなくて、良い姿勢を身に着けて欲しいと思います。
反り腰の方は、姿勢のコントロールや柔軟性の改善を行って、反り腰を改善する努力をしましょう。
という事で、本日の内容があなたの役にたてばうれしいです。
本日も最後までありがとうございました。
ただ単に腰の関節が動き過ぎるなど不安定な状態では、神経への悪い影響も起きる可能性があります。