こんにちわ。
腰痛治療家で理学療法士の平林です。
ぎっくり腰と椎間板ヘルニアを併発してしまう人がいます。
これって、想像しただけでも辛そうに思いませんか?
ぎっくり腰による腰の痛みと椎間板ヘルニアによる腰の痛みのダブルパンチを食らうなんて・・
考えたくもないですよね。
この痛みは経験してみないとわからないと思いますが。
しびれや痛みで辛い。
というのは間違いないのは想像できるでしょう。
その中で、
ぎっくり腰と椎間板ヘルニアを併発してしまったら、一つずつ解決させなくてはいけません。
という中で、今回は、ぎっくり腰と椎間板ヘルニアを併発した場合の対処や原因について話していきます。
さらに、
- ぎっくり腰とヘルニアは併発しやすい
- ぎっくり腰とヘルニアの原因は共通している
- ぎっくり腰とヘルニアを治す為に必要な事
の3点を含んで話していきます。
この記事を読めば、ぎっくり腰と椎間板ヘルニアを併発しても対策できるでしょう。
是非、最後まで読んでほしいです。
では、本日もよろしくお願いいたします。
1 ぎっくり腰とヘルニアは併発しやすい
ぎっくり腰に椎間板ヘルニアが併発することは珍しくありません。
この理由について解説していきます。
1-1 ぎっくり腰はヘルニアと似ている。という話
まず、ぎっくり腰は総称であって、診断名ではない。
という事を理解してほしいと思います。
ぎっくり腰の定義として、
いわゆる「ぎっくり腰」は急に起こった強い腰の痛み(腰痛)を指す一般的に用いられている名称(通称)で、病名や診断名ではありません。
という事で、突然、腰が痛くなった事を全てぎっくり腰。
と言えるのです。
つまり、
椎間板ヘルニアが原因で突然腰が痛くなったとしても、ぎっくり腰である。
と言い換える事もできるのです。
これを踏まえていただいた中で。
ぎっくり腰の原因は、特定できない場合もあるのです。
詳しく検査すると椎間板に異常(亀裂など)が見つかることもあります。
椎間板の外側に亀裂が生じると強い痛みを生じますので、ぎっくり腰の原因の1つとなる可能性もあるのです。
椎間板ヘルニアも椎間板にできた亀裂などから髄核が飛び出すことがあって。
両者の違いは、髄核が飛び出したかどうかの違いとも言えるでしょう。
なので、
椎間板ヘルニアとぎっくり腰は併発する事もあるし、むしろ、椎間板ヘルニアが原因で腰が突然痛くなってしまった。
これをぎっくり腰。
と言い換える事もできるのです。
このように理解して欲しいと思います。
1-2 ヘルニアの傾向があるとぎっくり腰の可能性がある
椎間板の線維輪が内部から裂けてしまうと、髄核が移動しやすくなります。
そして、椎間板ヘルニアの初期状態となる傾向があります。
椎間板の内部には痛みを感じる神経はありません。
なので、
内部が裂けても痛みを感じません。
椎間板は傷んでいますので、さらにストレスが加わると亀裂が広がり繊維輪の外側まで破れてしまうことがあります。
繊維輪の外側には痛みを感じる神経がありますので、裂けると痛みを発生します(ぎっくり腰)。
このように、椎間板ヘルニアの傾向がある人の場合、悪化してぎっくり腰の症状(急激な痛みの発生)を生じる可能性があるのです。
2 ぎっくり腰とヘルニアは共通した原因がある
ぎっくり腰とヘルニアは共通している原因があります。
それについて話していきますね。
2-1 腰の柔軟性が悪い
背骨の腰の部分は腰椎といった、小さな骨の連なりで構成されています。
で、
それぞれの背骨は関節となっており、ある程度の可動範囲を持っています。
なので、
その背骨の関節周囲の筋肉や靭帯、関節包の柔軟性が低下して固くなってしまうと、関節の動きが悪くなってしまいます。
関節の動きが悪くなると、柔軟性が無くなってしまいます。
柔軟性がなくなってしまうと、関節に偏った力や大きな力がかかりやすくなったり。
急な動きに対応できずに怪我(組織の微細損傷など)を起こしやすくなったりするのです。
このように、
腰の柔軟性が悪いと腰の組織の損傷につながって痛みを起こしてしまう可能性があるのです。
2-2 日常的に悪い姿勢がクセになっている
次に、姿勢について話していきます。
例えば、
背中が丸くなって骨盤が後ろに傾くと、背骨は真っすぐになってきます。
背骨は正常な状態だと、前凸の形状なのですが。
腰椎がまっすぐに伸びた状態になると、椎間板に掛かる力は前方へシフトしていきます。
となると、
常に椎間板の前方が押されてしまう形になります。
椎間板の前方が押されてしまうと、椎間板内部の髄核は後方へ押され、椎間板の弱い部分から飛び出す傾向となります。
このように、椎間板に不均等な力がかかると、椎間板ヘルニアを起こしやすくなると考えられます。
なので、
悪い姿勢を良い姿勢に意識することで、椎間板に掛かる負担を均等にできるのです。
そうすると、
ヘルニアを起こしにくい状態にすることが可能となります(完全に予防することはできませんが・・・・)。
また、
椎間板が丈夫であれば、少々姿勢が悪いくらいではヘルニアを発症することは少ないです。
遺伝的な要因がある場合や日常の腰へのストレスが強い場合は、姿勢の悪化が引き金となってヘルニアを起こすこともあります。
したがって、姿勢への配慮は大切であり、良い姿勢を意識するのは有効である。
と言えるのです。
3 ぎっくり腰とヘルニアの改善の為に。
では、ぎっくり腰とヘルニアの改善に必要な要素を話していきたいと思います。
3-1 ヘルニアの正しい知識をつけよう
まず、ヘルニアについて、正しい知識をつけて貰いたい。
という事です。
ヘルニアってなんなのか?
というのが、
理解できていないと、どのようにしたら治るのか・・・?
と疑問に感じてしまうでしょう。
人は疑問を抱えたままだと、解決させようとしても、解決させる事が難しくなります。
ですので、
ヘルニアになってしまう原因をしっておかないと、ヘルニアを改善させる事が難しくなると思うのです。
また、
脊柱(背骨)は椎骨(ついこつ)といった小さい骨の連なりで構成されています。
各椎骨間にはクッションの役目を持つ椎間板(ついかんばん)というのが存在しています。
この椎間板は内部に髄核(ずいかく、ゲル状の物質)があって、周りは繊維輪(せんいりん)という丈夫な組織でできています。
例えると
お饅頭のようなイメージです。
椎間板は10代から老化が始まると言われていて、加齢とともに徐々に水分量が少なくなるなど変性を生じていきます。
例えると、
中身のあんこが少ないおまんじゅうみたいな感じですね。
長期に及ぶストレスが椎間板に加わる事によって、椎間板は損傷してしまうことがあります。
椎間板の線維輪に亀裂が入ると、その部分から内部の髄核が外側に向かって飛びだしてしまいます。
これが椎間板ヘルニアです。
腰部(L4~L5 付近が多い、腰のベルトの位置辺り)で起こることが多いです。
でも、首でもヘルニアは起こることもあります。
胸椎で起こることは少ないです。
椎間板ヘルニアは飛び出した椎間板や髄核によって神経根や脊髄、馬尾神経を圧迫すると、神経症状を呈してしまうことがあります。
多いのは腰椎で生じる坐骨神経痛の症状です。
坐骨神経痛は、腰から足先までの間の痛みやしびれとして出現します。
それ以外にも筋力の低下(麻痺症状)や排泄障害などを起こすこともあります。
3-2 ぎっくり腰の正しい知識をつけよう
ぎっくり腰について。
全ての原因が特定されているわけではありませんが、腰部に発生する痛みということから、ある程度原因を推測することが可能です。
- 痛みは椎間板の外層
- 椎間関節(関節面、関節包)
- 靭帯
- 筋肉
などで起こり得ます。
- 椎間板に亀裂が入る
- 関節面が損傷する
- 関節包が損傷する
- 靭帯・筋肉が断裂する
などが考えられます。
損傷に至る原因としては、遺伝的要因、加齢、負荷のかかりすぎなどが考えられます。
- 立ち上がろう(または腰かけよう)とした瞬間
- くしゃみをした瞬間
- 物を持ち上げようとした瞬間
など、瞬間的な力が腰椎にかかることが発症の引き金になります。
強い負荷がかかった時だけではありません。
限界に達していた組織は、弱い力でも損傷してしまうことがあります。
このようにぎっくり腰は、腰椎周囲で起きた怪我ということができるでしょう。
4 理学療法士 平林の意見・考え
腰が痛くて病院で診察を受けても、「異常はありません」というようなコメントを受けることがあります。
昔に比べたら少なくなっているかもしれませんが、レントゲンを撮影して、特に異常な所見が無ければ「異常なし」と診断されることは少なくありません。
しかし、
痛みが出ているのですから、本当の意味で異常なしということではありません。
画像検査上では、異常な所見は認められないということを意味します。
ぎっくり腰に椎間板ヘルニアを併発している場合、画像診断が可能です。
このような場合ははっきりとした診断名がつきますし、痛みの原因を説明することも可能です。
しかし、
ヘルニアを伴わないぎっくり腰の場合は、診断が困難になります。
微細な損傷は、現代の最新式画像診断装置をもってしても発見できないこともあるのです。
将来、さらに細かいレベルまでスキャンできる装置が開発されたら、微細損傷も診断できるようになって、腰痛の85%は原因不明ということはなくなるでしょうね。
ぎっくり腰に椎間板ヘルニアが併発することは珍しくありません。
最初は腰痛のみだったのが、ぎっくり腰を繰り返すたびに椎間板ヘルニアが悪化し、知らない間に筋力低下などの麻痺症状が進行していることがあります。
ぎっくり腰を繰り返している方は、またぎっくり腰だろうと判断せずに、神経症状にも気を配っていただければと思います。
左右のつま先(または親指)が同じ程度上がるか、足に感覚の鈍いところがないかなどについても把握しておくと良いでしょう。
早期に発見して対策を行えば、重度化を防止することも可能となります。日ごろの自己管理が大切であると言えます。
5 まとめ
今回は、ぎっくり腰に椎間板ヘルニアが併発する場合についてお伝えしました。
両者には共通した要素があり、同じ機序で発症することがあります。
椎間板の外層には痛みを感じる神経があって、この部分に亀裂を生じれば痛みが起こります。
そして、亀裂を生じることで椎間板内部の髄核が飛び出てしまい、椎間板ヘルニアを生じることもあるわけです。
ぎっくり腰や椎間板ヘルニアは腰部の柔軟性が低下したり、姿勢が悪化したりすることでも起こりやすくなります。
それぞれの原因等について正しい知識を習得することで、効果的な対策を行うことが可能となるでしょう。
ぎっくり腰や椎間板ヘルニアの予防は長期的・継続的な自己管理が必要となります。
なので、日常生活の中で習慣づけていくことが大切です。
本日も最後までありがとうございました。