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腰の痛みとしびれのある場所が違う。どういう事か説明する

こんにちわ。

腰痛治療家で理学療法士の平林です。

腰痛は多くの人が経験する症状ですが、腰の痛みだけでなくてしびれを感じることもあります。

腰椎椎間板ヘルニアなどの神経を圧迫する病気だと、痛みとしびれ、感覚障害などを感じたりします。

このような病気によるしびれは、坐骨神経などの神経を圧迫することが多く、腰から離れた部位にしびれを感じることがあります。

という事で、今回の記事では、腰痛としびれについて解説します。

この記事を読む事で、
◎ 腰の痛みとしびれの場所が違う場合は何が起きているのか?知る事ができて、しびれや痛みの軽減、改善につなげる事ができます。
  • 腰痛と腰から離れた部位にしびれを感じている方
  • 腰痛はないけれど、足にしびれのある方
  • 腰痛としびれについて興味がある方

の参考になれば幸いです。

本日も最後までよろしくお願いします

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腰痛あるけどしびれの場所が変わる。これってなんで?

腰の痛みとしびれの場所が違ってくる理由として、神経支配が影響しています。

これより、神経支配についても紹介していきます。

しびれは足に感じやすい傾向がある

腰痛の原因は、内科的な疾患が原因のことがありますが、多くの場合、腰(腰椎および周囲の組織)に原因があります。

したがって、しびれの症状も腰に出るのではと思ってしまいがちですが、そうではありません。

結論を言えば、しびれは足に感じることが多いです。

比較的多くみられる腰椎椎間板ヘルニアを例に上げて、理由を説明します。

髄核

椎間板レベルでの背骨の断面を見てみると、椎間板の中に髄核という物質があります。

脊柱管に脊髄という神経が通っていることも見ることができると思います。

脊髄から枝分かれした神経は、個人差はありますが、ほぼ同じように体内を走って、担当の領域を支配します。

全身には神経が流れているので、その神経が体内を走っています。

椎間板の中にある髄核(ずいかく)が飛び出すなどで、神経を圧迫するのが椎間板ヘルニアです。

腰椎から出た神経は骨盤を通って下方へ下り、主に下肢を支配します。

したがって、腰椎部分で神経を圧迫すると、腰が悪いのにも関わらず、下肢の方のしびれや痛みを感じてしまうのです。

この場合は、下肢のしびれているところが、何かの病気になったということではありません。

原因は腰にあるのですが、離れたところ、例えばつま先にしびれを感じることがあるのです。

坐骨神経が支配する領域は広いので、しびれを感じる範囲も広範囲に及びます。

腰にしびれを感じる事は少ない

坐骨神経が支配する領域は、下肢に広く存在していることが分かります。

腰椎後方の分布を見てみると、各神経が支配する領域が蜜に詰まっています。

したがって、ある髄節の神経が圧迫を受けても、しびれを感じるのはわずかな範囲となります(例えば高さにして数センチメートルの幅)。

また、椎間板などの組織から痛みが生じている場合、しびれの感覚は打ち消された状態となっている可能性もあります。

結果的に、しびれは下肢の方に感じることが多く、腰に感じることは少ないということとなります。

左右にしびれを感じる人もいるし、片方の人もいる

椎間板ヘルニアの例でいえば、ヘルニアの位置、程度が様々ですので、左右どちらかにしびれが生じる場合もありますし、全体的な神経圧迫症状が生じる場合もあります。

脊柱管狭窄症、変形性腰椎症などにも言えますが、神経の圧迫の具合によって、しびれの感じ方は様々な状態となります。

整形外科でもしびれを治せるわけではない

もちろん、すべて治せないということではありません。

早期発見、早期治療でしびれを治すことができる場合もあります。

しかし、坐骨神経痛などで長期間にわたってしびれを感じていた場合、いかなる治療をもってしてもしびれが完治しないことは少なくありません。

強くしびれますが、しばらくするとしびれは消滅します。

これは可逆的な変化です。

神経の自然回復は、圧迫や虚血などがどの程度のものであったかによって、結果が異なります。

障害が限度を超えると不可逆的となってしまいます。

手術をしたのにしびれが残っているなどは典型的な例です。

対策をせず、長期間しびれの症状を放置していると、治らなくなる可能性は高くなります。

しびれの症状に気付いた時は、できるだけ早く対策を開始することが大切です。

ただし、早く手術を行えば100%しびれがとれるというわけでもありません。

しびれは治るかどうかわからない。(治療をやってみないとわからない)

神経が柔らかい組織で圧迫されたのか、鋭い骨の一部によって損傷されたのか、短期間なのか長期間なのか…しびれの原因となる状況は様々です。

圧迫が早期に発見できたとしても、手術による侵襲(しんしゅう:生体を傷つけること)によって、しびれが強くなる可能性もあります。

しびれは、神経への血流が悪くなっていることが原因のこともあります。

このような場合、血流を改善する薬物を投与することによって、しびれが軽減されることもあります。

最終的に、しびれが治るかどうかは治療をやってみなければわかりません。

残念ながら、少なくとも現代の医療では、完全にしびれを治す方法はありません。

当たり前だけど、早期発見するのがbest

脊柱管狭窄症もしびれを生じることの多い疾患です。しかし、脊柱管が狭くなってすぐに症状が出るわけではありません。

脊柱管が狭くなり始めても症状は出ず、例えば通り道の面積が半分ほどまで狭まって初めて、症状が出始めるみたいなこともあるわけです。

何が言いたいかというと、しびれの症状に早く気づいたことは、症状の早期の気づきではありますが、病気の早期発見ではないということです。

病気は知らない所で長い時間をかけて進行しています。

このようにして気づいたころには、神経がかなり圧迫されている状態となっています。

そこからすぐに治療を開始しても、早期治療とはなりません。

したがって本当の意味で早期治療を行うのであれば、定期的に腰の状態を確認することです。

人間ドックなどでの検査を受けることも良いでしょう。

そうすることで神経へのダメージが、ほぼない状態から対策を行うことが可能となります(私はできていませんが…)。

腰が悪くなって足にしびれを感じる人は多いと感じます。

私の友人は、左のつま先にしびれを感じたりしています(最近は改善していますが)。

腰痛とともに足のしびれを感じることが多いのですが、そうではない時もあるので要注意です。

腰椎椎間板ヘルニアをはじめ、腰の疾患が全て腰痛を発症するとは限りません。

腰痛なく足のしびれが生じることもあります。また、中枢側の疾患によるしびれもあります。

脳卒中(脳血管疾患)は、手足に麻痺を起こすこともあります。

足のしびれや運動麻痺が全て腰に原因があるわけではないのです。

腰痛としびれ(下肢)が同時に生じれば、腰に原因がある可能性が高いと考えられますが、しびれだけが生じた場合は注意が必要です。

呂律が回りにくい、よだれが垂れる、持っていたものを落とすなどの症状がある場合、脳血管障害の可能性が高くなります。

一概にしびれと言っても腰、首、脳などに原因があることがありますので、症状を注意深く観察し、早急な受診の判断をしていただければと思います。

まとめ

今回は腰痛としびれについてお伝えしました。

腰痛としびれを併発することは少なくありません。

同じ腰椎が原因で起こす症状ですが、しびれの症状は腰では少なく、下肢の方で感じることが多いものです。

腰椎部分から出た神経は、下肢の広範囲にわたって分布しています。

したがって、神経の一部を圧迫などすると、下肢の広い範囲でしびれを起こす可能性があるのです。

しびれは早期に適切な対策を行えば改善の可能性があります。

しかし、気づいたときには、神経へのダメージが進行していて、治療を行っても完治しないことも少なくありません。

治療を行ってみないとその効果はわかりませんが、早ければ早いほど良いということは間違いありません。

すでにしびれを感じている方は、できるだけ早く対策を開始されるといいでしょう。

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