椎間板ヘルニアというと腰の症状を思い浮かべがちですが、実は首にも起こることをご存知でしょうか?
これを「頸椎椎間板ヘルニア」といい、原因のひとつに首の姿勢の悪さが挙げられます。
そのため、就寝時に使う枕の選び方が、症状の緩和や悪化防止に大きく関わってくるのです。
この記事では、頸椎椎間板ヘルニアと枕との関係についてわかりやすく解説します。
特に次のような方にとって役立つ内容です:
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頸椎椎間板ヘルニアと診断された方
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手や腕にしびれを感じている方
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慢性的な首や肩こりに悩んでいる方
適切な枕選びのポイントを知ることで、日々の睡眠環境を見直し、症状の軽減や予防につなげることができます。
ぜひ参考にして、快適な眠りを手に入れてください。
椎間板ヘルニアに合う枕とは?まず知っておきたいポイント
ここでは、椎間板ヘルニアに適した3つのポイントについてしってほしいと思います。
- 個人に合わせた枕選びの重要性
- 理想的な枕の高さと厚さ
- 首に負担をかけない枕の選び方
是非、参考にしてください
個人に合わせた枕選びの重要性
枕は人によって最適な形状や高さが異なります。その理由は、次の通りです:
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頭の形や頸椎の構造が個人ごとに異なる
頭の形は個人差があり、頸椎(首の骨)のカーブも人によって異なります。特に、頸椎の自然なカーブ(前弯)が強い人と弱い人で、適した枕の高さが変わります。 -
寝る姿勢による違い
仰向けで寝る場合と横向きで寝る場合でも、適切な枕の高さが異なります。
理想的な枕の高さと厚さ
枕の高さは、首にかかる負担を減らすために非常に重要です。
理想的な高さのポイント
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仰向けでの枕の高さ
首の自然な前弯(カーブ)が保たれる高さが理想です。-
後頭部が出っ張っている人:枕は低め、または無くてもよい場合があります。
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後頭部が平らな人(絶壁タイプ):やや高めの枕が適しています。
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横向きでの枕の高さ
頭と肩の幅を埋める高さが必要です。枕が低すぎると首が傾き、側弯を引き起こす可能性があります。
枕の素材と構造も重要
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マットレスに枕を置いた際、沈み込むことで高さが変わるため、その変化も考慮しましょう。
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市販の調整可能な枕やオーダーメイド枕を検討すると、自分に合った高さに調整しやすいです。
オーダーメイド枕も選択肢
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専門店で身体に合わせた計測を行い、最適な枕を作ることも可能です。
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価格はやや高めで、3万円程度の枕や、マットレスとのセットで20万円以上のものもあります。
首に負担をかけない枕の選び方
首にかかる負担を最小限に抑えるため、次の点に注意しましょう:
首の自然な前弯を保つ
首が自然に前側に少しカーブした状態(軽度前弯)を維持できる枕が理想です。
高すぎる枕を使うと首が真っ直ぐになり、椎間板に負担がかかります。
椎間板ヘルニアのリスクを抑える
高すぎる枕は椎間板に圧力をかけ、髄核(椎間板内のゼリー状の部分)が後方に押し出され、ヘルニアの原因になることがあります。
そのため、自分の首に合った枕を選ぶことは、椎間板ヘルニア予防にもつながります。
枕なしでも快適に眠れる人の特徴
寝る姿勢に合わせた枕の選び方は非常に重要です。
特に仰向けで寝ることが多い人は、自分の頭の形に合わせた枕選びが必要です。
頭が縦に長いタイプの人は、枕を使わずに寝る方が首(頸椎)に負担がかからず、自然な姿勢を保ちやすくなります。
枕を使うと首が前に曲がり、かえって負担が増えることがあります。
しかし、枕を使うことに慣れている場合は、いきなり枕をなくすのではなく、バスタオルを重ねて高さを調整し、少しずつ薄くしていく方法が効果的です。
これにより、首への負担を軽減しながら自然に枕なしの状態に慣れることができます。
結果として、自分に合った姿勢で快適に眠れるようになり、首への負担も軽減されます。
枕の高さは重要:高すぎる枕のリスク
枕の高さは、寝る姿勢や体の構造に合わせて調整が必要です。
仰向けで寝る場合、高い枕は首(頸椎)の自然な前弯を失わせ、フラットまたは後弯状態になりやすく、これが頸椎の椎間板ヘルニアを悪化させる原因になります。
そのため、仰向け寝の人には高い枕はおすすめできません。
一方、横向きで寝る人にとっては、ある程度高さのある枕を使うことで首から背骨までがまっすぐに保たれ、負担を軽減できます。
ただし、枕が高すぎるとどの姿勢でも首に負担をかけるため注意が必要です。
最適な枕の高さは、寝る姿勢や頭の形、体格によって異なるため、自分に合った高さを調整しながら選ぶことが重要です。
枕の「慣れ」と適応方法:快適な睡眠を目指して
枕が違うと眠れない、または枕がないと落ち着かないと感じる方は少なくありません。
毎日6〜8時間を過ごす睡眠時間の中で、長年の「慣れ」が強く影響しているためです。
私の知り合いは長年枕を使っていましたが、ある時から枕なしで寝るように変更し、最初の違和感を乗り越えることで、今では枕なしが快適になりました。
結果として、肩こりや肩こりからくる頭痛が軽減し、睡眠の質も向上したように感じています。
もちろん、これが枕なしだけの効果とは断言できませんが、日中の姿勢改善など他の取り組みとの相乗効果があったと考えられます。
枕の高さは「慣れ」に依存
枕の高さや使用の有無は「慣れ」による影響が大きく、長年高めの枕を使用していた人でも、椎間板ヘルニアを経験している場合は思い切って枕なしを試してみる価値があります。ただし、横向きで寝ることが多い人は、枕なしだと首が側屈(横に傾く)し、かえって負担がかかる可能性があります。
そのため、横向きで寝る場合は、首が床と平行になる高さの枕を選ぶことが重要です。
仰向けと横向き寝の両立方法
仰向けと横向きの両方で寝ることが多い場合は、次のような工夫がおすすめです:
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バスタオルを敷いて、中央は低く、両側は高く する形で枕を調整。
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これで快適に眠れるようであれば、市販の調整可能な枕も検討しましょう。
新しい枕への慣れには時間が必要
新しい枕(高さ、形状、材質)に慣れるには、数日から数週間かかることがあります。
最初の使用で「寝にくい」と感じても、すぐに諦めず、少しずつ試しながら調整していくことが大切です。
枕を変えることは、首の健康を守り、快適な睡眠を実現するための第一歩です。