こんにちわ。
腰痛治療家で理学療法士の平林です。
腰痛は、横になって休むことで楽になる場合もありますが、痛みが収まらず(または強くなって)、寝れない!!!
なんていう、睡眠障害を引き起こすこともあります。
また、睡眠不足によって痛みが増すという話もあって、腰痛と睡眠にはなんらかの関係性があると考えられています。
なので、睡眠不足は腰痛の敵である。
という話にもなるでしょう。
といった所で、今回は【腰痛と睡眠の関係】について謎を探っていきたいと思います。
◎ 腰痛と睡眠の関係について理解を深めて、睡眠不足と腰痛の改善に繋がれば嬉しいです。
腰痛で夜眠れない人、睡眠不足で腰痛が慢性化している人の参考になれば幸いです。
では、本日もよろしくお願いいたします。
腰痛が治れば、寝れるという睡眠に関しての考え
痛くて眠れないのであれば、痛みをなくしてあげればいいという自然な考え方です。
なので、まずは痛みを抑えることを考えてみましょう。
辛い腰痛を治す為に必要な事を紹介
腰痛の原因は様々です。
病院で診察を受けても原因が特定できないことも多々あるため、その解決は一筋縄ではいかない部分もあります。
が、ここでは一般的に腰痛を改善するための方法をご紹介します。
【腰痛の原因を知る(受診しよう)】
まずはこれです。
背骨の病気や内科的な問題で腰痛を生じていることもあります。
いわゆる「腰痛(非特異的腰痛)」なのか、それとも何かの病気によって生じているのかについてを、はっきりさせておく必要があります。
できるだけ腰痛診療が得意な医師の診察を受けるのがいいでしょう。
【腰痛の原因を考える】
診察によって、明確な原因が分かることもありますが、分からないことも少なくありません。
医師は様々な問診や検査を行って、原因を追究しますが、自分自身によっても分析を行いましょう。
- 日常生活上の姿勢は?
- 仕事が肉体労働で?
- 仕事内容のストレスが原因かも?
- 椅子に腰かけている時間が長いからか?
- スポーツのやりすぎか?
- 睡眠時間はとれているのか?
- 子育て中でのストレスが影響しているのかなあ?
など、腰に負担がかかっていないか、かかっているとすれば、どのような時にかかっているのかについて考えてみましょう。
この思考は非常に重要で、原因の特定できない非特異的腰痛を改善させるカギとなります。
【対策を考え、実行する】
腰への負担を増加させている原因について予想がたったら、その負担を減少させる対策を実行します。
例えば、姿勢が悪くて腰への負担が大きくなっていると考えられる場合は、姿勢の改善を行うなどです。
仕事があまりにもハードで、腰への負担が強すぎる場合は、転職を考えたり、仕事内容の変更を会社に訴えるのも必要かもしれません(簡単なことではないと思いますが・・・・)。
腰の柔軟性を増すためのストレッチや筋トレ、腰痛体操などが有効なこともありますので、自分に合ったものをチョイスして実行するのも良い方法です。
このように、考えるとシンプルですよね。
腰痛の原因になっている可能性がわかれば、それを解決させればいいだけの話です。
で、医者の診察を受けた場合、お医者さんが考えた対策もありでしょう。
痛み止めの服用、ブロック注射などは痛みを止める即効性がある方法なので、これらの方法を行い、痛みを抑えて睡眠をとりやすくする。
という方法は現実的かと思います。
姿勢を矯正するなどの方法は、効果を感じるまでに時間がかかるので、まずは、ひどい腰痛を薬で抑えるというのは良い方法であるとも思います。
で、長期間痛みを感じていると、慢性疼痛へ移行する可能性もあるため、初期の痛みを、薬を使って抑えておくことには大きな意味があるでしょう。
除痛は、睡眠の改善だけでなく、精神的なストレスを下げる効果もあります。
ストレスが減れば、痛みを感じにくくなりますので、痛み止めなどもうまく利用しながら疼痛のコントロールを行うようにするとよいでしょう。
腰痛と睡眠は関係あるのか?
腰痛と睡眠の関係について研究もおこなわれています。
睡眠が短くなると痛みを感じやすいという報告などもあり、腰痛と睡眠に関係性があることが示唆されています。
寝れないから腰が痛くなる人もいるし、腰が痛いから寝れない人もいます。
さらに、睡眠時間が超短い人でも腰が痛くない人も沢山いわるわけです。(ショートスリーパーと言われる人でも腰が痛くない人は沢山いますよね。)
つまり、一概には、睡眠時間と腰痛の関係性は少ないとも思えるでしょう。
詳しくは次項に話していきます。
睡眠がとれないから、腰が痛くなるのか?
寝れないから腰が痛い。
と感じている人は少なからずいます。
腰痛に限りませんが、痛みは脳で感じるため、脳の働き・状態の違いによって痛みの感じ方が異なってくることは間違いないことでしょう。
ランナーズハイという言葉を耳にしたことがあるでしょうか。
これは、苦しいはずの長距離走において、脳の働きによって苦痛から解放されることを表したものです。
このランナーズハイ的な脳の働きは、腰痛などの痛みに対しても機能します。
軽い痛みであれば、脳はその痛みを感じないようにプログラムされている場合があるのです。(個人差はありますが・・・)
なので、脳にはこのような働きがあるのでちょっとした腰の痛みでも痛くないと感じている場合があるのです。
しかし、その中で、睡眠不足になると、この機能がうまく働かなくなるとも言えます。
なので、睡眠不足になると、ちょっとした腰の痛みでも痛みとして、捕えてしまう場合があるのです。
また、睡眠と痛みに関する研究においても、睡眠時間が極端に短くなると(例えば1日4時間)、痛みに対する感受性(痛みの感じやすさ)が高くなったという報告などもあります。
これは、痛みに対する感受性について、脳内の伝達物質(セロトニンなど)が関与していると考えられています。
で、睡眠不足などが慢性化すると、脳内の伝達物質のバランスが崩れ、本来働くはずの疼痛抑制機能が低下するのではないかと考えられています。
ただし、脳が正常・健康であったとしても、すべての痛みを抑制するわけではありません。
というのも、痛みは生体の危険信号として機能するわけですから、本当に腰部の組織(骨や筋肉、椎間板など)がある程度以上損傷しているときには痛みを発します。
これが正常です。
このような、腰の損傷による痛みは睡眠時間に関係なく生じるものなので、すべての痛みが睡眠に関係しているとは言えないのです。
つまり、睡眠不足だと比較的腰痛は感じやすく、十分な睡眠をとっていれば、軽い腰痛は痛みとして感じない場合があるよ。
という話です。
このようにとらえて欲しいと思います。
腰が痛いから睡眠がとれないのか?
「痛くて眠れない」ということは、当然のように理解できるのではないでしょうか。
実際に経験した方も少なくないでしょう。
歯が痛くて眠れないなど、痛みは睡眠を妨害します。
腰痛には大きく分けて急性のものと慢性のものがあり、その痛みの質は異なります。
しかし、両者ともに睡眠の質が低下するなどの睡眠障害を生じていることが分かっています(すべてではありませんが)。
このようなことから次のような現象が起こりやすくなります。
このように、まず痛み刺激から起こる脳への影響が睡眠障害を引き起こし、睡眠障害はさらに脳の状態を変化させ、痛みの感受性を上昇させます。
いわゆる悪循環を生じる可能性があるということです。
理学療法士からの一言
近年精神的なストレスと痛みの関係性について説明されることも多くなりました。
ストレスが痛みを感じやすくさせるということは間違いないようです。
言ってみれば、睡眠不足も脳へのストレスでしょうから、睡眠が痛みに影響を与えるということは納得できるものです。
精神の領域では、心を回復させるためにはまず睡眠時間を確保することが重要であると言われることがあります。
脳にとって睡眠は必要で、睡眠が不足すると身体の不調へもつながります。
実際の患者さんの話として、睡眠不足によって頭痛が起きやすくなって、肩こりも悪化した。
という人がいます。
腰痛に関しては、寝る時間が長くなると、痛くなることが多い人もいます。
これは睡眠時間の問題ではなく、長時間寝てしまう事によって、同じ姿勢が長引いてしまったという、物理的なストレスの問題と考えられるでしょう。
また、長期間腰痛を感じているときは、脳の内側前頭前野や前帯状回という部分が活性化されるそうです。
痛みの種類によって脳の活性化される領域は異なっていて、急性の痛みの場合は視床や感覚野といった部分が活性化されるようです。
長期間の痛みの場合、活性化される部位などの理由で、情動や記憶との関連もあると考えられています。
なので、慢性化させないためには痛みを記憶化させないことも大切でしょう。
初期の痛みを長引かせないように、痛みを我慢して、無理をしないことや痛み止めの利用も効果的だと思います。
このように工夫をして取り組んで欲しいと思います。
腰痛と睡眠の関係についてまとめ
腰痛と睡眠の間には少なからず関係性があるでしょう。
睡眠時間が不足すれば痛みの感受性が上がることで腰痛を感じやすくなり、また逆に、痛みは睡眠の質を低下させます。
どちらが起こっても悪循環を起こすきっかけとなり、悪循環を繰り返せば、痛みは慢性化しやすくなります。
なので、しっかりと睡眠時間を確保すること、良質の睡眠をとるために、痛みを抑える対策をすることが重要となると言えます。
慢性的に腰痛を持っている方は、毎日の生活を見直し、良質な睡眠が確保できているかチェックしてみるのもいいのではないでしょうか。
睡眠の質を良くして、あなたの腰の痛みが悪化しなければいいですね。
本日の内容があなたの参考になれば幸いです。
最後までありがとうございました。