こんにちわ。
腰痛治療家で理学療法士の平林です。
腰痛の対策として、運動が良いと聞いた事があるでしょう。
その中で、今回は水泳について話していきます。
水泳で腰痛が悪化したという話を聞いたことはありませんか?
また、逆に、水泳をしたら、腰の痛みが消えた。
という話も聞いた事があるかと思います。
では、果たして、水泳は腰痛にとって良いのでしょうか、悪いのでしょうか?
今回は水泳と腰痛に関して、個人的な考えをのべていきたいと思います。
水泳は腰痛にどんな作用が働くのか?
これを知る事で、あなたの腰痛の改善に役立てばうれしいです。
では、本日もよろしくお願いいたします。
1 腰痛に水泳は悪いのか?
ここでは、腰痛に水泳は悪いのか?
という事を考えていきたいと思います。
腰痛に水泳は悪くない(良い)。という話
まず、水泳は腰痛に良い場合が多いです。
水中歩行を聞いた事はありませんか?
水中歩行は効果的です。
水泳は全身運動で、運動の中では良いものとして推奨されることの多いものです。
腰痛に対しても良いと言われることがあります。
実際に水泳を行って、腰痛が改善したという体験談を聞くこともあります。
泳ぎは、腰に負担がかからない全身運動になるので、腰の筋肉を使う事に繋がります。
なので、泳いでいるだけで、自然と腰の筋肉を使っている事になります。
その結果、腰の筋肉がほぐれたりして、腰の痛みが消える。
という事も考えられます。
つまり、水泳は、腰痛に対しても十分効果を発揮する運動であると言えます。
また、激しく泳いだり、泳ぎ方に問題があると、逆に悪化する場合もあるでしょう。
なので、腰に負担のかからない泳ぎ方をするのが良いと言えます。
適切な指導のもと、行うことが大切になるかもしれません。
また、リハビリテーションでは、プールで行う訓練があり、水治療法(すいちりょうほう)と呼ばれています。
このような、治療法という認識のもと水泳を行えば安全性は高くなるでしょう。
腰痛に水泳は悪い。という話もある
水泳が腰痛に良いという話がある一方で、腰痛に悪いという話を聞くこともあります。
水泳をおこなったら、腰痛が悪化したというものです。
一般に「水泳」といわれていますが、この「水泳」にはプールでの簡単な運動、例えば水中歩行などから、本格的なバタフライまで、幅広い内容があります。
いくら水泳が体に良いとは言っても、体幹機能(筋力など)が不十分な状態でバタフライや平泳ぎを行えば、腰椎には負担となり、腰痛を悪化させる可能性もあるのです。
ということで、「水泳」の内容によっては、腰痛にとって悪い場合があることが理解できるでしょう。
結果、試してみないとわからない
結論として、水泳をしてみないと、あなたの腰痛は治るのか、悪化するのか、変わらないのか?
というのは、わかりません。
体幹の機能をどの程度持っているか、そもそも水泳(泳法)が得意なのかどうなのか、どの種目を主に行うのかなどによって、水泳の効果は変わってきます。
もちろん腰痛の原因にも大きく影響されます。
筋肉の問題なのか、椎間板の問題なのか、それによっても左右されるでしょう。
最終的には、実際に試してみないと効果があるかどうか分からないという結論に達します。
ただし、言えるのは、最初からバタフライや平泳ぎなどの高い体幹機能を必要とする種目を行ってはいけないということでしょう
身体機能や腰痛の状態に応じた種目を選択し、適切に行えば、腰痛の悪化の可能性を少なくすることが可能でしょう。
なぜ、腰痛に水泳が良いと言われているのか?
ここでは、水泳がなぜ腰痛に良いのか、一般的に言われることの多い理由をご紹介します。
まず、水中で行うため、浮力が働いて、腰に負担がかからないことが言えます。
腰椎は上半身の重量を支えていますので、その負荷はかなり大きなものとなります。
水中では、水深や体の向きにもよりますが、上半身に浮力が働くため、一般的に腰椎への負荷が少なくなります。
腰椎への負荷が軽減された状態で運動を行うことが出来るため、腰痛を持つ方には適した環境と言えるでしょう。
この、浮力による腰椎への負荷が少ない点が、腰痛に良いと言われている大きな理由の1つとなります。
浮力以外では、水による抵抗が挙げられます。
適度な負荷が、無理のない筋力増強訓練を実現します。
水泳の効果って何があるか?
では、続けて話していきます。
まず、浮力を利用して、腰椎への負荷を減らすという効果があります。
肺の中の空気の量や脂肪の量にもよりますが、肩まで水に入れば、上半身への浮力も大きくなるので、腰椎への負担が軽くなった状態で、歩行などが可能となります。
次に大きな効果が、水による抵抗です。
筋肉は、抵抗運動を行うと、筋力を増強することができます。
おもりを持ち上げる、ウェイトトレーニングなどがその代表例ですが、重りという抵抗をかけて、筋力を上げるわけです。
水泳は、水がウェイトのような抵抗となり、筋力増強訓練の効果を生み出します。
おもりを使用する場合よりも抵抗が滑らかで、自分の動かし方、例えばスピードや方向で負荷を調整できるなど、優れたメリットがあります。
その他、水圧による呼吸、循環機能改善の効果も期待できること、肥満の改善、また、温水プールでエクササイズを行う場合は、除痛効果もあるとされています。
ストレッチは、通常痛みを伴うことも多いものですが、これを水中で行えば、陸上で行うよりも容易に実施可能であるなどのメリットもあります。
実際に行われた研究においても、腰痛の改善、筋力・体力の向上、肥満改善が3カ月以内に認められていて、腰痛の増悪はなかったとされています。
4 いくつかの理学療法士の意見をまとめてみた。
水泳を腰痛対策に利用する方法は、水泳経験者や水泳が得意な人にとっては、良い選択になるのではないでしょうか。
その理由としては、緊張感なく、リラックスして取り組むことが出来るからです。
逆に、水に対して恐怖心があったり、水泳が苦手だったりする場合、緊張感が増してしまい、必要以上に筋が収縮してしまい、リラックスした状態で取り組むことができません。
緊張は、ストレスそのもので、動作の固さを生じ、腰痛にとってマイナス要因となってしまいます。
そうなると、水泳が身体(腰痛)に良いとは言っても、このような状態では逆効果となることもあるでしょう。
プールになれていない人が、水を使った療法にチャレンジする場合は、恐怖心を持たずにできることから行うことがポイントとなります。
その場合は、まず、水深の浅めのところで、歩くことから始めると良いでしょう。
絶対に溺れないシチュエーションでおこなえば、恐怖心はなくなると思います。
肩までの水深でも恐怖感が無ければ、この程度の水深で行った方が、腰椎への負担は少なくなります。
腰痛に対して水泳などの運動療法は有効です。
しかし、どんなに腰痛に効果的である治療方法を用いても、それだけで腰痛が解消するものではありません。
例えば、日常生活上の姿勢が悪いままでは、運動の効果も台無しとなってしまいます。
運動療法だけでなく、腰痛に対する知識や姿勢の矯正など。
腰痛対策についての正しい知識を身に着ける必要があるでしょう。
そうする事で、腰痛の改善・再発予防に繋げる事ができるのです。
プールでの運動についてご紹介しておきます。
クロールや背泳ぎなどの泳法が比較的良いとされていますが、その前に基礎的な運動として以下のようなものをしっかりと行うと良いでしょう。
まとめ
今回は、水泳と腰痛についてお伝えしました。
プールでの運動は、浮力によって腰椎への負担が減少し、水の抵抗を利用できるなど、メリットのある物です。
しかし、体幹機能が十分でない者が、バタフライや平泳ぎなど腰椎への負担が大きい泳法を取り入れれば、逆効果を生み出す危険性もあります。
腰痛に水泳(プールでの運動)を利用する際は、水治療法と腰痛の特性を良く理解し、その人に適した運動を行うことが重要です。
注意深く作成されたプログラムを行えば、腰痛を改善させることは十分に可能です。
また、腰痛の対策は運動だけにとどまらず、日常生活上の対策、特に姿勢の改善なども重要です。
腰痛に対する正しい知識を持って、取り組むようにすることが大切でしょう。
つまり、水泳は、腰痛を治す運動になりえる可能性は高い。
しかし、激しい泳ぎ方や適切ではない泳ぎ方になると、腰の痛みを悪化させてしまう危険性もある。
という事が結論として言えるでしょう。
是非、この事を頭に入れて欲しいと思います。
今回の話も役にたてばうれしいです。
本日も最後までありがとうございました。