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脊柱管狭窄症で排泄障害が辛い。手術をする必要はあるのか考察した。

こんにちわ。

腰痛治療家で理学療法士の平林です。

脊柱管狭窄症は、脊髄の通り道である脊柱管が狭くなる病気です。

狭窄が強くなると、脊髄神経を圧迫し、場合によっては排泄障害を引き起こすことがあります。

今回は、脊柱管狭窄症による排泄障害についてお伝えします。

この記事を読めば、
◎ 排泄障害が生じるとどれくらい危険であるのか?理解できると思います。

すでに排泄障害の症状を感じている方、排泄障害への不安がある方などの参考になれば幸いです。

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脊柱管狭窄症で排泄障害になる人とならない人の違いや特徴を紹介

脊柱管狭窄症と診断されたからと言って、すべての人が排泄障害になるとは限りません。

むしろならない人の方が多いです。

ここでは、排泄障害になる人ならない人の状態・特徴について簡単にご紹介します。

排泄障害にならない人の状態・特徴

脊椎管狭窄症は、脊椎管が何らかの理由で狭くなっているものを言います。

狭くなっていても、強く神経を圧迫していなければ、ほとんど症状が出ないこともあります。

また、脊髄から枝分かれした神経の一部だけに圧迫を生じている場合などもあります(神経根型)。

脊柱管狭窄症の代表的な症状に「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」があります。

【間欠性跛行】

歩行していると、下肢に痛みやしびれなどの症状が出現するが、しばらく休むとまた歩行ができるようになる症状。

排泄障害について、この間欠性跛行の特徴と関係があります。

間欠性跛行の一つに、神経根性間欠性跛行があります。

症状としては、歩行によって、下肢や殿部の疼痛などが生じるのが特徴です。

片側に起こることが多いのも特徴です(両側に起こることもあるので注意が必要です)。

このような神経根性間欠性跛行の症状を呈している人の場合、排泄障害の症状が出ないことが多いようです。

ただし例外もあるので、症状に対して常に注意しておくことが必要です。

排泄障害になる人の状態・特徴

神経根性間欠性跛行とは違って、歩行によって両下肢や会陰部、殿部などに異常感覚を生じるものがあって、馬尾(ばび)性間欠性跛行と呼ばれています。

異常感覚の例として、しびれ、灼熱感などがあります。

この馬尾性間欠性跛行では、異常感覚の他、下肢の脱力感(足に力が入りにくいと感じる)を生じることや残尿感などの膀胱直腸障害を起こすことがあります。

このように、排泄障害を起こしやすい人は両下肢への異常感覚や脱力感が出現しやすいのが特徴となります。

神経根性間欠性跛行よりも痛みを感じにくい傾向があることにも留意しておいてください。

軽い残尿感だけであっても排泄障害が生じている状態なので、軽視しないようにして、早めの対策が必要となります。

そもそもなんで、脊柱管狭窄症は排泄障害が起きるのか?

正常な状態では、脊柱管には余裕があって、脊髄が圧迫されることはありません。

しかし、加齢や病気などによって神経の通り道が狭くなることがあります。

ある程度狭くなっても神経は機能しますが、限度を超えると、神経は障害を起こします。

長く正座をしていると足がしびれるように、長時間あるいは強く圧迫を受けると、神経(および血管)の症状が出現します。

脳から、脊柱管に入った脊髄神経は中枢神経として下っていきます。

脊髄は、首から腰に至るまで神経の枝を出しています。

中枢神経としての脊髄は、腰椎の1~2番目あたりで終わり、その後は、馬尾神経という末梢神経の束となってさらに下ります。

最後は仙骨から出る仙髄神経となります。

実はこの仙髄神経が膀胱や直腸をコントロールしているため、馬尾神経領域が狭窄して圧迫されると排泄障害が起こってしまうのです。

排泄障害がどれほど怖いものなのかを語る

排泄障害と言っても症状は様々です。

わずかな残尿感だけではあまり重症とは感じないかもしれません。

しかし、残尿感にとどまらず、頻尿、尿漏れ、便秘などの症状も出現する可能性もあります。

怖いのは、これらの症状が不可逆的な状態(治らず後遺症として残ってしまう)となってしまうことです。

様子を見て、ひどくなったら後から治せばいいなどと思っていると取り返しのつかないこととなってしまう危険性もあるのです。

排泄障害が初期の内に適切な処置を行えば、十分悪化を防げる可能性があります。

神経は対策の時期を逸すると不可逆的変化を起こしてしまいます。

そうならないためにも症状には気を配って、早めの対処を行うようにしていただければと思います。

ここで、脊柱管狭窄症に対する対策についてお伝えしておきます。

脊柱管狭窄症の治療は基本的には手術を行わない保存療法です。

投薬、リハビリ(運動、姿勢改善、日常生活動作改善など)が中心となります。

状態を診ながら、しばらく(数か月)治療が継続され効果が評価されます。

状態が改善または維持できている場合は、効果ありとして保存療法が継続されるでしょう。

しかし、症状が悪化または排泄障害が出現した場合は、手術の検討が必要となります。

特に排泄障害が顕著である場合は、手術の適応となります。

通常、初期の治療では保存療法が選択されますが、短期間のうちに狭窄が進行し、馬尾神経を圧迫した場合などでは、急速に排泄障害が起こることもあります。

残念ながらこのような状態では保存療法で様子をみる余裕はありません。

早急に神経への圧迫を取り除かなければ、排泄障害が後遺症となってしまう危険性が高くなります。

排泄障害が生じている場合、担当の医師から手術の必要性の説明があると思います。

説明に納得がいかなければセカンドオピニオンを求めることも可能です。

手術には必ずリスクが伴いますので、納得の上治療法を決断してください。

排泄障害は脊柱管狭窄症以外の症状でも生じることはある

もうお気づきの方もいらっしゃると思いますが、排泄障害は脊柱管狭窄症以外でも起こります。

神経への障害を起こす可能性のある病気、けがなどすべてに可能性があります。

比較的有名なものを例に挙げれば、腰椎椎間板ヘルニアがあります。

大きなヘルニアが突出して、(馬尾)神経の真ん中を強く圧迫した場合などでは、排泄障害を起こすことがあります。

脊柱管の狭窄は、最初は無症状なので、知らない間に進行していることが多くあります。

脊柱管が狭窄を起こしている状態で椎間板ヘルニアを発症してしまうと、神経の逃げ場がなくなり、急な神経症状を発症する可能性があります。

特に馬尾神経を強く圧迫する状態になれば、急に排泄障害を起こすこともあるわけです。

脊柱管の狭窄以外では、事故による脊髄損傷などでも膀胱直腸障害は起こります。

今まで感じなかった残尿感や尿漏れ、足のしびれなどの症状を感じたら、早急に受診されることをおすすめします。

まとめ

今回は、脊柱管狭窄症と排泄障害についてお伝えしました。

脊柱管狭窄症においては脊柱管の狭窄によって神経が圧迫され、様々な症状が出現します。

その症状の一つが、排泄障害です。

脊柱管狭窄症になると必ず排泄障害を生じるわけではありません。

しかし、馬尾神経が強く圧迫された場合などでは、尿漏れ、便秘など、膀胱や直腸の機能が障害されます。

このような神経の障害は、一時的なものではありません。

処置のタイミングが遅くなれば、一生治らなくなる可能性もあります。

排泄障害の症状を感じた時は、できるだけ早く受診する方がいいのかなぁと思う次第です。

本日も最後までありがとうございました。

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