こんにちわ。
腰痛治療家で理学療法士の平林です。
腰痛は、単独で起こることも多いですが、他の症状を伴うこともあります。
その1つに吐き気があります。
腰の筋肉を少し傷めた程度の腰痛では、吐き気が起こることはほとんどありません。
しかし、他の原因がある場合においては吐き気の症状が出ることがあるのです。
腰痛と吐き気が起こる場合、重篤な疾患が原因となっている場合もあるので注意が必要になります。
そこで、今回はこの腰痛と吐き気をテーマにしました。
この記事を読めば、
◎ 腰痛で吐き気が起こる理由がわかる
◎ 腰痛でも吐き気を感じないようにする方法がわかる
といったメリットがあります。
最後まで読んで、参考にして欲しいです。
1 腰痛で吐き気を感じる人もいる
まず、腰痛で吐き気を感じる人について話したいと思います。
1-1 内科的な疾患の問題がある場合に吐き気を感じる
腰痛の85%は原因の特定ができない非特異的腰痛(原因がわからない腰痛の事)と言われています。
椎間板ヘルニアなどの腰部疾患でも腰痛を起こすことがありますが、全体の数%に過ぎません。
同様に腰痛全体から見ると少数ですが、内科的な疾患(腎臓の病気や心臓疾患などの事)で腰痛が起こる場合もあります。
この内科的な原因で腰痛を起こしている場合、合併症状として吐き気を生じることがあるのです。
吐き気の原因には様々なものがあって、解明されていない部分や、精神的な要因が関係していることもあるため、吐き気を感じる場合は少なくありません。
ここでは、吐き気が生じる可能性が高いものをいくつかご紹介します。
ただし、必ず吐き気が生じるというわけではありません。
吐き気がないからといって、病気の可能性を否定することはできませんので、注意してください。
最終的には医師による診断が必要なので、気になる腰痛がある場合は医師による診察を受けていただきますようお願いいたします。
ではいきます。
〇感染症
インフルエンザなどの感染症が例としてあげられますが、このような感染症を起こした場合、腰痛と吐き気を生じる可能性があります。
〇泌尿器の病気
腎臓や尿管に石状のものができる尿路結石などでは、腰痛や吐き気を生じることがあります。
排尿痛や血尿の症状が出ている場合は、この病気の可能性を疑うことができます。
このような症状が生じている場合はできるだけ早く泌尿器科の診察を受けましょう。
〇婦人科の病気
卵巣の病気など婦人科系の病気によっても腰痛と吐き気を生じることがあります。
下腹部の痛みを伴うことが多いので、このような場合では婦人科系の病気の可能性も考えておいた方が良いでしょう。
〇消化器の病気
胃、十二指腸、胆のう、すい臓などの病気では上腹部痛のほかに腰痛や吐き気などを伴うことがあります。
上記以外にも更年期障害や不安などの精神的なものが原因で、吐き気を生じている場合もあります。
不安など精神的な要因によって、腰痛も起こりやすくなりますので、腰痛と吐き気を同時に感じる可能性もあります。
強い不安やストレスを感じている人は、可能性の1つとして考えておきましょう。
1-2 腰の痛みが辛過ぎるストレスによって起きる吐き気の可能性
ストレスが原因で腰痛を感じることもありますが、腰痛がストレスを引き起こし、そのストレスによって、吐き気が引き起こされることもあります。
精神的、感情的な要因は嘔吐中枢を刺激して吐き気を感じさせることもあるのです。
激痛が長期間続いていて吐き気が生じた場合などでは、このような可能性も考えることができます。
しかし、このような症状は、個人差が大きいと考えられるため、まずはその他の病気の可能性を考える必要があります。
検査の結果、身体的な吐き気の原因が見つからない場合は、精神的なストレスが原因の可能性もあるでしょう。
最初から吐き気の原因はストレスだろうと判断しないように注意しておいてください。
2 腰痛で吐き気をださない為に必要な事を紹介
では、腰痛でも吐き気をださないようにする方法を紹介します。
2-1 ストレスを貯めないようにする
腰痛、特に強い痛みが長く続く場合、一般的にストレスは大きいものとなります(痛みの感受性と痛みが精神に与える影響には個人差があって、ストレス度合いはそれぞれ異なります)。
多忙や人間関係、その他の日常生活上の問題で多くのストレスを感じている人の場合、痛みはさらに強く影響を及ぼす可能性もあります。
ストレス要因が多ければ多いほど、それが原因となる吐き気のリスクは高くなるでしょう。
そして、ストレスはまた脳に悪影響を与えて、痛みを感じやすくさせます。
脳が正常の状態であれば感じない痛みを、ストレスによって感じるようになってしまうのです。
こうなると悪循環を生じてしまいます。
感じる・感じない、の境目。
閾値が下がると感じやすくなる。
ストレスが多くなると、痛みに関する閾値が下がって、普段感じない痛みまで感じやすくなる。
人は生きている以上ストレスから逃れることはできませんが、努力して減らすことは可能です。
ストレス・痛みのループを断ち切るために、できそうな部分からストレスを減らす努力をしてみましょう。
痛みが強い場合、運動ができないこともありますが、軽い運動ができる状態であれば、運動することがおすすめです。
運動には脳内の状態を改善し、ストレスを下げる効果があります。
痛みが主なストレスの要因であれば、鎮痛剤を使用して痛みを止めることが有効な場合があります。
早い時期から痛みを抑えておくことで、慢性痛を起こしにくくする効果も望めます。
痛み止めなどの薬物の使用に抵抗を感じる方もいらっしゃると思いますが、痛みが強い場合は、医師より適切な鎮痛剤を処方してもらって疼痛コントロールを行うことが回復への早道であることがあります。
どうしても避けられないストレスが多い場合は、抗うつ薬などの薬物の使用が効果的な場合もあります。
しかし、基本的には抗うつ薬などの薬物は使用しない方がいいでしょう。
また、精神的な要因が大きい場合は、心療内科や精神科の医師の診療を受けることも検討してもいいいかもしれません。
2-2 吐き気の原因の可能性をまず、考える
吐き気は痛みやストレスが原因となって起こることがありますが、そうでない場合もあります。
吐き気の原因には重篤な内科疾患もありますので注意が必要です。
大切な考えは、【この吐き気はナニが原因なのだろうか?】と考える事です。
腰痛以外に痛みはないか、発熱はないか、痛みが移動していないか、動作と痛みの関係性はどうかなどを押さえて、吐き気の原因の可能性を考えることです。
先入観は誤った判断につながります。
客観的に症状を分析して、行動に移しましょう。
通常は医師の診察を受けることとなりますが、自分の症状を正しく把握していれば、適切な診療科を持つ病院を選択することができます。
また、問診を受けた際に正しく症状を伝えることができれば、医師の速く正確な診断にも役立ちます。
ですので、まずはナニが原因であるのか?
を考えてみるといいでしょう。
3 精神的なストレスで吐き気は感じる人は多いよ。という話
内科的にも問題がなく、第三者が見てもそれほど腰痛がひどくなさそうなのに嘔吐を繰り返している場合、原因は身体表現性障害の可能性があります(可能性がゼロではないというレベルです)。
この障害は、その人の持つ性格や受けているストレスなどの要因によって起こるのではないかと考えられています。
精神的なストレスや身体の不調が引き金となり、頭痛や嘔吐、腹痛、動悸など様々な身体の症状が出現します。
詐病(さびょう:利益を得るために病気のふりをする)とは違って無意識に起こりますが、深層の部分では疾病による利得を得ようとする働きがあるのかもしれません。
本人にとっては本当に身体の具合が悪いので、身体に異常があると思うのですが、内科などで診察を受けても特に異常は見つからないことが多いものです。
このような身体表現性障害の場合、本人の自覚がなく、精神科での治療を受けないことも少なくないなど、治療がうまくいかないこともあります。
その人に隠されている心理的な要因を探り出し、それに対する対策を講じる必要があります。
1つの決まった解決策があるわけではありませんが、環境を変えたり、心理療法を受けたりする方法が効果のある場合があります。
実際にいらしたのが、本人は身体的な症状が出てつらそうなのですが、内科にかかっても異常はありませんと診断されるだけでした。
このような症状は、長引くと治療が難しくなる印象を受けています。
もしもご家族にこのような症状で苦しむ方がいらっしゃる場合は、早めに精神科医の診察を受けることをおすすめします。
周りの家族もこの症状を理解して、治療へ向けた協力が必要です。
症状を否定せず、受け入れながら訴えを聞いていただけたらと思います。
4 まとめ
今回は腰痛と吐き気についてお伝えしました。
腰痛は単独で発症することが多いですが、腰痛に伴って吐き気を生じることがあります。
その原因として、激しい腰痛によるストレスがあります。
ストレスによって脳の異常をきたし、嘔吐中枢を刺激して吐き気へとつながる可能性があるのです。
また、それ以外には内科疾患が原因となることもあります。
泌尿器、消化器、婦人科系の疾患によって腰痛と吐き気を起こすこともあります。
このような内科的な疾患によるものは、一刻も早く治療を行う必要があるため、早急に医師の診察を受ける必要があります。
このように腰痛と吐き気の原因にはいくつかの原因がありますが、いずれにしても、早い対応が予後を良くします。
放置せずに早急な対策をしていただければと思います。
今回の話があなたの役に立てば嬉しいです。
本日も最後までありがとうございました。